この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「マザーウォーター」-何が言いたいのか???

2010-11-14 22:38:22 | 最近見た映画
 【2010年11月14日】 MOVIX京都

《行きつけの映画館》=「京都シネマ」へ、他の映画を見に行った時に、いつになくホールが混み合い行列ができているので、何の映画かと見ると「マザーウォーター」だった。その後も、いつも上映直前の時間には満席になっているようなのと、直前までいつ観に行くか決めがたかったので、急遽「MOVIX京都」で観ることに。

 なんとワケのわからない、何が言いたいのか、じれったい映画だった。

 だいたい、銭湯と豆腐屋と喫茶店とバーしかない街なんかあるのか!?そこの店員以外の登場人物もほとんどなし。

 いつも機嫌のいい赤ん坊。
 誰かが親切にも面倒を見てくれるのだが、おむつを替える姿や泣き叫ばれて往生する場面は出てこない。

 ウィスキーしか出さないバー。
 信州に行った時、おいしい蕎麦を出す店を紹介され行ったが、その店で「ラーメン」も「カレー・ライス」もメニューに加えられているのには興ざめしたが。ウィスキーしか出さないバーに、誰が行くのか。

 大豆を洗って、後は包丁を入れるだけの豆腐屋。
 バス停を降りて、今の職場まで行く通勤途上の道に、どういうわけか、2軒の豆腐屋がある。2軒とも老夫婦が営んでいて、決まった時間に通りかかると、店先でいつもふたりで「おあげ」を揚げている。豆腐をつくる工程はとっくに過ぎている時間なのだろう。

 一般客のいない銭湯と喫茶店。京都弁の聴かれない京都の街。

 ストーリーも生活感も全くない。


 過程や本質に関係ないところを省略した、というかもしれない。抽象だと。

 映画を含め、芸術は人間の美意識を刺激し共感をもたらすものだと思っている。美意識をもたらすものの本質はその対象への《認識》である。本質をはずさない限りの抽象はあってもいいし、むしろ雑音だらけの複雑な現実世界をすっきり見せるためには、抽象は必要な作業だと思う。

 自分が今まで体験したことのない事象を認識させてくれたり、同じ対象であっても雑多なものを取り除き、新たな角度で認識させ納得させる《美的感覚を呼び起こし共感をもたらせてくれるさせてくれる》と、感動する心が生まれる。



 堤防の桜の咲く下でのシーンがあるが、そこは我が家から200メートルほどしか離れていない加茂川の散策路である。そういえば、いつかロケをしていた-その時は何の映画か知らなかったが。


     

 
 撮影した場所はこんなに近かったのに、どうも、今回の映画の製作者(監督?脚本家?プロジェクト?)と自分とでは、世の中の認識の仕方が大分かけ離れているようだ。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「イエロー・ハンカチーフ」... | トップ | 「北アルプス・裏銀座を行く... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

最近見た映画」カテゴリの最新記事