【 2021年10月6日 】 京都シネマ
ルーマニアといえば、ソ連が崩壊しそれに続いて東欧諸国で雪崩のように政権が崩壊していったのが思い起こされるが、中でも倒れてた後で知ったチャウシェスク大統領(夫妻)の、前半期の表向きとは違った横暴ぶりとその末路が印象的だった。
この映画は、そのルーマニアでの2015年の出来事(国家的汚職事件)のドキュメンタリーだ。
ライブハウスで火災が起こったのだが(京アニの放火事件の悲惨さが思い起こされるが、映画の中では原因は明らかにされていない)、その後に大変な問題が起きていた。
【 ライブハウスで火災発生 】
現場で火災に巻き込まれ亡くなった以外に、搬送先の病院で何日もたった後にさらに多くの若者が亡くなっていたのだ。病院のずさんな衛生管理で感染症にかかり、助けられる命を何人も失ってしまった背後に何があったのか!
【 疑惑の消毒用アルコール 】
公式サイトから『あらすじ』を引用すると以下のようだ。
【 全身やけどを負った被害者 】
酷い話だが、ここまで露骨ではないにせよ日本でもありそうな話だ。この映画を見て《すごい!》と思うのは、1記者の追求で世論が燃え上がり政府を退陣まで追い込む人々のエネルギーだ。日本における、「森友問題」やその他の疑惑事件のその後の政府の対応や、マスコミの取り上げ方、世間一般の捉え方などと何が違うのかと考えさせられる。
【 抗議する民衆 】
【 新たに就任した保健相 】
それまでの内閣がたおれ、政府の人事が入れ替わり、新しく就任した「保健相」との記者会見の場面をみて、日本との違いをまざまざと感じる。そもそもそんなに簡単に日本の内閣は退陣しないし(世間が甘いから?)、記者会見のあり方が全然違う。ややこしい「記者クラブ」のようなものもなさそうだし、《質問は1回だけ》とか、《気に入らない記者には質問させない》という風潮もなさそうだ。
【 食い下がる報道記者 】
【 報道陣のカメラ 】
新政権になったという事情を考慮しても、日本では考えられないことだ。それにしても、よくここまでドキュメンタリー映像として記録できたものだと驚かされる。
○ ○ ○
昨日、ノーベル平和賞の発表があった。ロシアの反政府系新聞社「ノーバヤ・ガゼータ紙」のドミトリー・ムラトフ編集長とフィリピンのマリア・レッサのふたりだ。「ノーバヤ・ガゼータ」で思い出すのは、その新聞社の記者であったアンナ・ポリトコフスカヤのことだ。十数年前、チェチェン紛争の取材を通じ、プーチンを筆頭とする国家の疑惑を追及していたが、何者かによって自室前のエレヴェーター内で射殺された。ムラトフ編集長はその当時から現在に至るまでひるむことなく同職に留まっているという事を、今回の報道で知って、受賞の意義に納得した。
その後もロシアをはじめ世界各地では、先進的記者やジャーナリストの暗殺事件が起きている。(下記、マイ・ブログ参照)
香港でもでは公然と民主的新聞社にも圧力が掛けられ廃刊に追い込まれているし、反中国的な議員もその資格を剥奪されている。
それに対し、日本ではどうなっているのかと思う。
○ ○ ○
「公式サイト」は充実しているので、映画の背景を知る上で大いに参考になります。開けてみる価値は充分あると思います。(このブログの写真はこのサイトから借用・転載しました。)
中でも、『監督の言葉』は必見です。
『コレクティブ 国家の嘘』-公式サイト
『マルタで女性記者、殺害』-のマイブログ
『アンナ・ポリトコフスカヤ』に関連する記事(その1)ーマイブログへジャンプ
『アンナ・ポリトコフスカヤ』に関連する記事(その2)ーマイブログへジャンプ
ルーマニアといえば、ソ連が崩壊しそれに続いて東欧諸国で雪崩のように政権が崩壊していったのが思い起こされるが、中でも倒れてた後で知ったチャウシェスク大統領(夫妻)の、前半期の表向きとは違った横暴ぶりとその末路が印象的だった。
この映画は、そのルーマニアでの2015年の出来事(国家的汚職事件)のドキュメンタリーだ。
ライブハウスで火災が起こったのだが(京アニの放火事件の悲惨さが思い起こされるが、映画の中では原因は明らかにされていない)、その後に大変な問題が起きていた。
【 ライブハウスで火災発生 】
現場で火災に巻き込まれ亡くなった以外に、搬送先の病院で何日もたった後にさらに多くの若者が亡くなっていたのだ。病院のずさんな衛生管理で感染症にかかり、助けられる命を何人も失ってしまった背後に何があったのか!
【 疑惑の消毒用アルコール 】
公式サイトから『あらすじ』を引用すると以下のようだ。
【 全身やけどを負った被害者 】
酷い話だが、ここまで露骨ではないにせよ日本でもありそうな話だ。この映画を見て《すごい!》と思うのは、1記者の追求で世論が燃え上がり政府を退陣まで追い込む人々のエネルギーだ。日本における、「森友問題」やその他の疑惑事件のその後の政府の対応や、マスコミの取り上げ方、世間一般の捉え方などと何が違うのかと考えさせられる。
【 抗議する民衆 】
【 新たに就任した保健相 】
それまでの内閣がたおれ、政府の人事が入れ替わり、新しく就任した「保健相」との記者会見の場面をみて、日本との違いをまざまざと感じる。そもそもそんなに簡単に日本の内閣は退陣しないし(世間が甘いから?)、記者会見のあり方が全然違う。ややこしい「記者クラブ」のようなものもなさそうだし、《質問は1回だけ》とか、《気に入らない記者には質問させない》という風潮もなさそうだ。
【 食い下がる報道記者 】
【 報道陣のカメラ 】
新政権になったという事情を考慮しても、日本では考えられないことだ。それにしても、よくここまでドキュメンタリー映像として記録できたものだと驚かされる。
○ ○ ○
昨日、ノーベル平和賞の発表があった。ロシアの反政府系新聞社「ノーバヤ・ガゼータ紙」のドミトリー・ムラトフ編集長とフィリピンのマリア・レッサのふたりだ。「ノーバヤ・ガゼータ」で思い出すのは、その新聞社の記者であったアンナ・ポリトコフスカヤのことだ。十数年前、チェチェン紛争の取材を通じ、プーチンを筆頭とする国家の疑惑を追及していたが、何者かによって自室前のエレヴェーター内で射殺された。ムラトフ編集長はその当時から現在に至るまでひるむことなく同職に留まっているという事を、今回の報道で知って、受賞の意義に納得した。
その後もロシアをはじめ世界各地では、先進的記者やジャーナリストの暗殺事件が起きている。(下記、マイ・ブログ参照)
香港でもでは公然と民主的新聞社にも圧力が掛けられ廃刊に追い込まれているし、反中国的な議員もその資格を剥奪されている。
それに対し、日本ではどうなっているのかと思う。
○ ○ ○
「公式サイト」は充実しているので、映画の背景を知る上で大いに参考になります。開けてみる価値は充分あると思います。(このブログの写真はこのサイトから借用・転載しました。)
中でも、『監督の言葉』は必見です。
『コレクティブ 国家の嘘』-公式サイト
『マルタで女性記者、殺害』-のマイブログ
『アンナ・ポリトコフスカヤ』に関連する記事(その1)ーマイブログへジャンプ
『アンナ・ポリトコフスカヤ』に関連する記事(その2)ーマイブログへジャンプ