【 2017年10月5日 】 大津プリンスホテルにて
前日、新聞紙上でこのシンポジウムの開催を知った。「スノーデンと語る」などという機会は、おそらく今後ないと思い、また運よく、会場が京都からアクセス可能な大津だということで、【参加しない手はない】と思い、車を走らせる。
車で大津プリンスホテルまでは1時間弱で行ける。11時過ぎに家を出て会場に着くと、大型バスが次々と入口に並び、迎える人と会場に入る人でごった返している。日弁連の「第60回人権擁護大会シンポジウム」と銘打った全国規模の大会なのだ。参加者は滋賀県や京都府だけでなく全国から馳せ参じた人達だった。
分科会が3部に分かれていて、目的の「スノーデンと語る」は第2分科会だった。日弁連は金持ちだから気前がいい。レジュメと同時通訳機と腹の足しにと「お菓子」を無料で渡される。【一般参加】の名札を付け2階のホールに行くと熱気が漂う。
会は定刻の12時半きっちりに始まる。
上のレジュメに従って会は進行した。3人の基調報告はそれぞれ要領よくまとめられ、今までの知見を整理する上で参考になった。
スティーブン・チャピロ氏の講演は、最初の挨拶の一言以外は英語でなされ、同時通訳が入ったがやはり内容は聞き取りづらく理解しにくい。やはり語学力の必要性を感じる。
休憩をはさみ、いよいよ次は「スノーデン氏」の登場である。応答内容はやはり聞き取りにくかったが、話の内容は事前に読んでいた本や映画から想像でき良かったが、やはり感心は現在の置かれている環境である。ロシアでは「一般市民と同様に地下鉄に乗ったりしている」と聞いて「良かった」と思う一方、リトビネンコのようにアメリカから《刺客》が忍び込んできて暗殺されるようなことがないのか心配したりもして複雑な感じだった。
「パネルディスカッション」では、共同通信社の澤康臣氏の「記者の独立性」に関する発言が興味深かった。日本の世間一般では、この間終身雇用が崩れ、やれ「リストラ」やら「早期退職」という問題が世間を騒がしているが、記者の世界では《会社の柵に捕らわれない》自由な立場が、よい記事を書かせる前提であるとの見解は、新鮮に響いた。
それと、若い女性弁護士さんの特別報告は印象深く力強さを感じた。
『プライバシーの保護』をとるか『身の安全・国の安全』をとるかの《選択》や《バランス》を考えていく上で、《大量監視》に慣れっこになっている現代社会において、《自分にやましいことがなければ何も問題ない-自分には関係ない》という考えでは済まされない重大な問題をはらんでいることを改めて強く感じた。
開会から「基調講演」、「スノーデンと語る」インターネット中継、そして「パネルディスカッション」と、閉会の挨拶まで通して6時間の長丁場だったが、有意義な講演会だった。
別冊資料は1冊2000円で購入したが、他は無料で、至れり尽くせりの設定をしてもらい「弁護士会」にはいつもお世話になり感謝しています。貴重な機会を提供していただき、有り難うございました。この場を借りて、お礼申し上げます。
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