【 2018年1月14日 】 京都駅八条口 アバンティ9F 「龍谷大学響都アバンティホール」にて
「龍谷大学アバンティ響都ホール」で開かれたシンポジウムを聴きに行く。昨年も二人が同じ日に別の会場で開かれた講演会に行ったのだが、今回ふたりが直接顔を合わせるというので、どんな話になるのかと出かける。
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昨年の講演会は5月27日の昼に、1つは望月衣塑子さんのものが「武器輸出と日本企業」というタイトルで同支社大学烏丸キャンパスでひらかれ、もうひとつの藤田早苗さんのものが、「表現の自由」をテーマに、同じ日の夕方6:30から「教育文化センター」で開催された。その2つの講演会を《はしご》した訳だが、二人とも、ものすごいパワーでしゃべり続けて、その迫力に圧倒されたのを強烈に覚えている。
2017年5月27日【同志社大学「明徳館」】での望月さんの講演レジュメ
この時、東京新聞にこんなパワーのある女性記者がいることを初めて知った。ひとりで1時間以上にわたり休むことなく話を続ける様は、まるで機関銃のような迫力で、華奢な身体をしているのに、いったいどこからそんなパワーが出てくるのかと驚き、圧倒された。その後、書籍『新聞記者』で、その生い立ちと背景、経過を知って、なるほどと思ったと同時に、やはりこういう人たちが活躍できる場をつくらないといけないと感じていた。
2017年5月27日【教育文化センター】での藤田さんの講演会プログラム
一方、もう一人の藤田さんは初めて聞く名前だった。その日の余韻さめやらぬ夕刻、別の小さな会場に向かい、そこで対面する。イギリスのエッセン大学に籍を置いているらしく、日本に戻っては講演をしているということだった。今度もやはり時間に追われるようにパワフルに喋りまくる女性だった。丁度、国会では「共謀罪」を強行に通そうという緊迫した時期だっただけに、話にも力が入っていた。ケナタッチ氏という国連特別報告者の名前もその時初めて聞いた。
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同じような話かとも思う一方、あのパワーある話をもう一度聴きたいとの思い出と、今度はどんな話をしてくれるのかと期待して出かけた。
今回のタイトルも「強まるメディア統制ー乗り越えるには」というタイトルにあるように『表現の自由』にかかわるものだったが、「もりかけ問題」から「戦争法」が国会を通過した元、せまる「9条加憲問題」と「自衛隊海外派遣問題」の絡みで、そちら話が及ばざるをえなかった。望月衣塑子さんは、のっけからその話を熱く語る。やはり以前にもまして迫力があった。時間にせかされ、まくし立てる話し方は同じだが、冗談もまじえてどこか余裕を感じさせた。藤田さんは第2部で独自の講演(報告)をする関係で第1部では控えめだったようだ。
内容は、ここでくどくど言うより直接録音テープやらネットで放映されるというビデオを閲覧した方がいいと思うのでやめるが、2、3点だけ気が付いた点を挙げる。
主催者に大学の名前が入っている関係からか、学生の姿がちらほら見えたが、やはり年配者が多い。報告・討議の後で出された質問でも、やはり「若者を喚起させるには?」みたいなものが多かった。決定的な解決策はなかなか見いだせない現状だったが、ポイントはやはり「問題に興味・関心を抱く事」が大切と。そのためには「事実を知ること」「「メディアが正しい報道-庶民の側に立った事実を知らせること」が大事だということ。
そうはいっても、実際にそれを行うのが難しい現状であるのだが、話の中から大きなポイントが2つ見えた。
1つは、「電波の支配権」だ。公共の電波を誰が支配するのか。《政府の独占状態》を変えないといけないということ。
もうひとつは、諸外国が公然とした権力が暴力で襲いかかってくるのと比べても、「目に見える暴力」が少ない日本で、どうして「自主規制」や「忖度してしまう」のか、ということ。
話は変わるが司会者(金杉美和さん)の言葉の中で気になったことが一つあった。望月さんを《形容》する言葉で《空気を読めない》(人)といった言葉だ。もちろん当人は冗談のつもりで行ったと思うのだが、あまりにも失礼だと思った。《遠慮せずにズバズバ質問を浴びせる》というニュアンスなら《忖度しない人》とか、せめて《空気を読まない人》くらいにしておくべきだと思った。望月さん自身が、あとで《後者》に言い換えていたので、真に受けてはいないと思ったのだが・・・。ちょっと、気分が悪かった。
昼過ぎから、晩の7時前まで聴き通しだったが、充実した時間だった。