[2007年5月19日]京都シネマ
前作は、京都の東福寺かどこかの観光地の駐車場で相手校の観光バスをひっくり返したが、今度は冒頭から東京の京浜東北線か山手線か中央線か知らないが国鉄の(今はJR)通勤電車の中でいきなりの乱闘。どうなることかと思ったが、骨のある映画だ。
在日朝鮮人の兄妹アンソンとキョンジャは兄の息子が筋ジストロフィーにかかった息子の治療のためより高度な医療を受けられる東京に出てきて生活している。妹のキョンジャは治療代を稼ぐため女優の道を志す。
その過程で芸能界の見にくい裏側の事情も描き出される。「ゴッドファーザー」のジョニー・フォンテイン役の二枚目スターの役割や、「キネマの天地」で小春が女優として成長していく過程が重ね合わさる。しかし、ここでは在日という二文字が大きな意味を持つ。
時代背景は前作の6年後の1974年ということで、佐藤栄作が「ノーベル平和賞」をもらったあたりの年なのだが、その今と併行して終戦間近の戦場での様子も映し出される。
キョンジャは、戦争を賛美する映画の主人公に抜擢されるのだが(その映画が、今公開されている石原慎太郎総指揮の「俺は、君のためにこそ死にに行く」に思えてならない。)完成披露の舞台でクライマックスを迎える。
派手な乱闘シーンもあるが、在日の醒めた目で、当時の間違いだらけの政治を鋭く代弁してくれるカットも多数あり、世相が逆行しているかのような様相を示している今こそ、価値ある映画に思えた。
どさくさに紛れて憲法第9条をないがしろにしてはならない。
「パッチギ!LOVE&PEACE」-公式サイト
「パッチギ」(前作関連)-サイト
前作は、京都の東福寺かどこかの観光地の駐車場で相手校の観光バスをひっくり返したが、今度は冒頭から東京の京浜東北線か山手線か中央線か知らないが国鉄の(今はJR)通勤電車の中でいきなりの乱闘。どうなることかと思ったが、骨のある映画だ。
在日朝鮮人の兄妹アンソンとキョンジャは兄の息子が筋ジストロフィーにかかった息子の治療のためより高度な医療を受けられる東京に出てきて生活している。妹のキョンジャは治療代を稼ぐため女優の道を志す。
その過程で芸能界の見にくい裏側の事情も描き出される。「ゴッドファーザー」のジョニー・フォンテイン役の二枚目スターの役割や、「キネマの天地」で小春が女優として成長していく過程が重ね合わさる。しかし、ここでは在日という二文字が大きな意味を持つ。
時代背景は前作の6年後の1974年ということで、佐藤栄作が「ノーベル平和賞」をもらったあたりの年なのだが、その今と併行して終戦間近の戦場での様子も映し出される。
キョンジャは、戦争を賛美する映画の主人公に抜擢されるのだが(その映画が、今公開されている石原慎太郎総指揮の「俺は、君のためにこそ死にに行く」に思えてならない。)完成披露の舞台でクライマックスを迎える。
派手な乱闘シーンもあるが、在日の醒めた目で、当時の間違いだらけの政治を鋭く代弁してくれるカットも多数あり、世相が逆行しているかのような様相を示している今こそ、価値ある映画に思えた。
どさくさに紛れて憲法第9条をないがしろにしてはならない。
「パッチギ!LOVE&PEACE」-公式サイト
「パッチギ」(前作関連)-サイト