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最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

南アルプス-赤石岳・荒川三山を登る(その2)

2009-11-01 22:26:43 | 山・旅行
 最初の計画の段階で、思わぬニュースが入ってきた。一番可能性の高いルートとして想定していた清水平・蕨段を通り千枚岳に至るコースの、山中一泊目の山小屋「千枚小屋」が6月下旬、火災で焼失したという。

 椹島から登りで最初のその山小屋まで7時間以上、自分らの体力では8時間以上かかるかも知れない、その「千枚小屋」が焼失して利用できないとしたら、その先「悪沢岳」を越え、更に3時間以上歩いて「中岳非難小屋」まで行かなければならない。しかも、そこまで行っても「避難小屋」である。寝具もなく食事も無かったら、その準備もしなければならず荷物も増える。

 根本的に計画を見直さなければと思った。


     
            【昭文社「山のエリアマップ」】より


 椹島から上記のコースを行って千枚岳を通り、悪沢・中岳・前岳の荒川三山を制覇し、大聖寺平から小赤石、赤石本峰を登り聖岳に至る尾根道の大縦走をへて、聖平から聖沢を抜け椹島に戻るルートは、ハート型の下の頂点から反時計回りにハート型を描く筆跡に似ている。

 無謀にも体力を顧みない机上の計画では、もしかしたらハート型を描きながら「三千メートル級の百名山を一度に3つ極めることができるかも。」と考えていた。
 
 小赤石と赤石岳の中間の鞍部はハートの上部のくびれた部分だ。
 そのくびれと下の頂点を結ぶ「大倉尾根」のルートはハートを2つに切るようなもので、下から「大倉尾根」を登っていけば、上の鞍部の稜線上で右に行くか左に行くか選択しなければならない。

 千枚から登るか、あるいは聖から登り、体力の限界を感じたらいずれにしても「大倉尾根」から下山しようと考えていた。

 その可能性をはじめからつぶす「大倉尾根」を登る案は最初から没だった。

 だから、千枚小屋が使えないと云うことは致命的だった。


 そうこうするうちに7月のカレンダーがどんどん進み下旬が近ずく。最近の気候は7月下旬になっても一向に梅雨が明ける気配がない。昔は、梅雨明けの7月20日ころから8月に入るまでが登山の絶好の季節だといわれていたが、今は少し地球も状況が変わってきているようだ。仕事もたてこみ休みは一応取っておいたが7月の山行きは延期になって8月下旬にかけることにした。

 しかし、8月末にも山行の機会を逃してしまった。

 延期になったらいいこともあるもので「千枚小屋」が仮営業を始めたというニュースが入ってきた。レトルト中心の食事も提供するというからうれしい。

 ○    ○    ○

【第一日目】(続き)

 19日早朝、車は新名神を通り亀山から伊勢湾岸道路に向かう。新名神が開通したことなど知らなかった。米原を回る名神高速に比べると30分以上早く着ける事になる。

 右手に鈴鹿山系が見える。いつか登った御在所岳と烏帽子のような鎌ヶ岳がそれとわかる。

 長島スパーランドのびっくりするようなジェットコースターのすぐ脇を通り伊勢湾をまたぎ豊田で東名高速に合流する。

 牧ノ原で高速を降りて、一般国道を大井川に沿って山の中に入っていく。金谷駅から道は大井川鉄道と並行して走る。

      


 時計を見ると12時過ぎだ。3時のバスまでまだ時間がある。こんな山奥までめったに来る機会はないと思い、寸又峡温泉を見て回ることにする。昔、ここで「金嬉老事件」というのがあったのを思い出す。

                           


 寸又峡温泉を後にして、井川を過ぎ送迎バスの発着場である畑薙ダムに向かう。連休のまっただ中であるがこんな山奥まで、ましてや最盛期の時期を過ぎた今になって来る人は多くないだろうとタカをくくっていたが、駐車場に着いてびっくり。200台近くの車でいっぱいである。


              
          【東海フォレストの無料送迎バスの出る畑薙ダム駐車場】


   
 定刻のバスは満員で発車して、次の臨時バスを待つことになる。登山口の椹島まで片道1時間だから今出たバスを待つとしたら2時間待ちである。退屈な時間が過ぎる。

 その間を利用して登山計画書を出すことにする。考えてみたら、この車の数である。小屋が満員どころか収容できないかも知れない。まして「千枚小屋」は仮設である。関係者らしき人に尋ねてみる。
 千枚小屋は満員で入れない可能性があるからコースを変えて欲しいという。

 仕方なく、大倉尾根を登ることにする。ここで荒川岳から聖までの大縦走計画は不可能になった。

 4時半のバスに乗り、ようやく5時半過ぎ椹島に到着する。

 何のことはない、山の入口に入るだけで1日が終わってしまった。



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       続き【南アルプス-赤石・荒川三山を登る(その3)】へジャンプ

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