【2009年9月20日】 第2日目
前夜は、詰め込まれるのではないかと心配したが、一部屋にふたりだけでゆっくりできた。テレビこそ無く、旅館とまではいかないが、風呂にも入れたし、夕食もまずまずで、ちゃんとした布団にも寝られたから、山小屋のことを考えると極楽である。
【椹島ロッジの前夜の夕食】
5時半起床、6時朝食。
余分な荷物はコインロッカーに預け、7時に出発。いよいよ登山開始である。広い敷地を進み「白籏史郎記念館」の外だけをちらりと見て、昨日の忠告に従い、大倉尾根をいくことにする。
天気は快晴。バス道から鉄製の階段を上がり急登が始まる。
前夜ゆっくり休んだこともあり、体は快調。整備された気持ちのいい山道をマイペースで進む。
今日は焦ることはない。標高2600m弱の「赤石小屋」まで行けばいいのである。登山届けを出したときに地元の山男に「上まで行けるよ。行ったらいいのに。」と云われたが、しんどいのはたくさんだ。
以前の山行計画はともかく欲張った。限られた休暇時間の中で目一杯行動しようと思って、朝は早くから行動し、食事・休息時間も考慮しない計画を立て、それに縛られて無理な行動を強いられた。
いつかの劔岳の山行では、朝5時過ぎ「剣山荘」を出て、劔山頂を極めた後、頂上から来た道を戻り、再び「剣山荘」で方向を変え劔沢を下って真砂沢ロッジにさしかかった時はすでに4時を回ろうとしていたが、そこから更に仙人新道を登り「仙人池ヒュッテ」まで行く当初の計画を決行した。夕立の土砂降りの中、濁流と化した道を地図上の2倍の所要時間を要し、びしょ濡れで仙人池に着いたときは晩の8時近くであった。あのときは、本当に食事がのどを通らなかった。遅く到着したにもかかわらず「仙人池の母さん」は暖かく親切に迎えてくれ、お風呂まで沸かし直してくれた。
しかし、今はそんな無茶はできない。
そんなわけで、朝もゆっくり目の出発で、ロッジを出たのは自分らが最後だった。
急登の道をマイペースで進む。天気は良いが樹林帯のつづら折りの道では視界がきかない。
午前9時、出発から2時間、小屋までの行程「5分の2」を示す標識板。更に1時間、「5分の3」に到着。
最新版の「山の地図」によると、椹島から今日の目的地「赤石小屋」までは6時間弱の行程である。これもガイドブックによってはまちまちで、1.5倍の違いがあることがある。最近の傾向として、登山者年齢が時代の推移と共に高齢化してきたこともあって、一昔のものより多めの所要時間が記載されているようだ。実際、「98年度版」では5時間と書かれている。
で、今回は旧版のガイド地図に書かれている標準時間とほぼ同じのいいペースだ。最近、「標準時間」を大幅に上回ることが多く、体力の衰えを感じていたが、まだまだ行けるかもと、少し楽観する。
高度計を見ると2000メートルは超えているはずなのに、それらしき周囲の山の見通しはは開けない。
と、振り向くとむかいの山の間から変な山の影が。「えっ、あれ富士山?」一瞬疑ったが、それは紛れもなく富士山だった。
今回の山行では、富士山とは何十回もの様々なその姿を見ては写真に納めたが、それは最初の思わぬ出合いだった。
しばらく行くと、今度は左手に展望が開け、赤石岳が大きく望まれる。あれが目指す頂かと思うと心が弾む。
程なく、12時半赤石小屋到着。
まずはビールで乾杯! 時間は十分あるし、1本では足りず2本飲む。落ち着いてから、裏手の三角点で赤石岳や聖岳、荒川三山のすばらしい展望を満喫する。
連載の先頭【南アルプス山行記その1】へジャンプ
「南アルプス-赤石荒川三山に登る」(その4)-の記事にジャンプ
前夜は、詰め込まれるのではないかと心配したが、一部屋にふたりだけでゆっくりできた。テレビこそ無く、旅館とまではいかないが、風呂にも入れたし、夕食もまずまずで、ちゃんとした布団にも寝られたから、山小屋のことを考えると極楽である。
【椹島ロッジの前夜の夕食】
5時半起床、6時朝食。
余分な荷物はコインロッカーに預け、7時に出発。いよいよ登山開始である。広い敷地を進み「白籏史郎記念館」の外だけをちらりと見て、昨日の忠告に従い、大倉尾根をいくことにする。
天気は快晴。バス道から鉄製の階段を上がり急登が始まる。
前夜ゆっくり休んだこともあり、体は快調。整備された気持ちのいい山道をマイペースで進む。
今日は焦ることはない。標高2600m弱の「赤石小屋」まで行けばいいのである。登山届けを出したときに地元の山男に「上まで行けるよ。行ったらいいのに。」と云われたが、しんどいのはたくさんだ。
以前の山行計画はともかく欲張った。限られた休暇時間の中で目一杯行動しようと思って、朝は早くから行動し、食事・休息時間も考慮しない計画を立て、それに縛られて無理な行動を強いられた。
いつかの劔岳の山行では、朝5時過ぎ「剣山荘」を出て、劔山頂を極めた後、頂上から来た道を戻り、再び「剣山荘」で方向を変え劔沢を下って真砂沢ロッジにさしかかった時はすでに4時を回ろうとしていたが、そこから更に仙人新道を登り「仙人池ヒュッテ」まで行く当初の計画を決行した。夕立の土砂降りの中、濁流と化した道を地図上の2倍の所要時間を要し、びしょ濡れで仙人池に着いたときは晩の8時近くであった。あのときは、本当に食事がのどを通らなかった。遅く到着したにもかかわらず「仙人池の母さん」は暖かく親切に迎えてくれ、お風呂まで沸かし直してくれた。
しかし、今はそんな無茶はできない。
そんなわけで、朝もゆっくり目の出発で、ロッジを出たのは自分らが最後だった。
急登の道をマイペースで進む。天気は良いが樹林帯のつづら折りの道では視界がきかない。
午前9時、出発から2時間、小屋までの行程「5分の2」を示す標識板。更に1時間、「5分の3」に到着。
最新版の「山の地図」によると、椹島から今日の目的地「赤石小屋」までは6時間弱の行程である。これもガイドブックによってはまちまちで、1.5倍の違いがあることがある。最近の傾向として、登山者年齢が時代の推移と共に高齢化してきたこともあって、一昔のものより多めの所要時間が記載されているようだ。実際、「98年度版」では5時間と書かれている。
で、今回は旧版のガイド地図に書かれている標準時間とほぼ同じのいいペースだ。最近、「標準時間」を大幅に上回ることが多く、体力の衰えを感じていたが、まだまだ行けるかもと、少し楽観する。
高度計を見ると2000メートルは超えているはずなのに、それらしき周囲の山の見通しはは開けない。
と、振り向くとむかいの山の間から変な山の影が。「えっ、あれ富士山?」一瞬疑ったが、それは紛れもなく富士山だった。
今回の山行では、富士山とは何十回もの様々なその姿を見ては写真に納めたが、それは最初の思わぬ出合いだった。
しばらく行くと、今度は左手に展望が開け、赤石岳が大きく望まれる。あれが目指す頂かと思うと心が弾む。
程なく、12時半赤石小屋到着。
まずはビールで乾杯! 時間は十分あるし、1本では足りず2本飲む。落ち着いてから、裏手の三角点で赤石岳や聖岳、荒川三山のすばらしい展望を満喫する。
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