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『沖縄スパイ戦史』 【 2018年8月20日 】 『返還交渉人』 【 2018年8月25日 】
いずれも、京都シネマ
8月8日に翁長雄志沖縄県知事が亡くなった。もともと保守系だった人が、何をもって辺野古に新基地をつくらせないという固い決意をもって沖縄の心を1つにまとめる象徴的存在になったのだろうか。畏敬の念と共に、沖縄の特殊で不思議な背景を感じていた。
そんな中、沖縄に関する2本の映画『沖縄スパイ戦史』と『返還交渉人』を2回にわけ別の日にみた。
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1つ目の『沖縄スパイ戦史』というタイトルからどんな映画かと思ったら。戦中戦後を通じての沖縄の過酷な現実だ。沖縄に基地が集中しすぎている事実など今更言うまでもないが、そこに至る沖縄の悲惨な歴史を振り返る。日本の敗戦が濃厚な太平洋戦争の最終盤、沖縄で住民を巻き込んで繰り広げられた凄惨な戦いの様子は他の映画や報道番組でも多く描枯れているが、この映画では未成年の少年兵を使った謀略作戦が描かれている。スパイなどの特務機関の幹部を養成する「陸軍中野学校」で教育を受けた若い将校のもと組織された少年兵の話に焦点があてられている。軍が住民を守らないで、それを踏み台にした事実は知られたことだが、その背後にこんな部隊もあったのだ。
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それだけだはない。こうした事実が、現代にも《引き継がれている》ことを監督らは明らかにしていく。『特定秘密保護法』『共謀罪』の制定と共に進む、北朝鮮や中国の脅威論をあおる形での軍備の増強。過去の反省など微塵もなく、沖縄を再び戦争の踏み台にしようとしている現実が浮かび上がる。
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もうひとつの映画『返還交渉人』はテレビでも井浦新主演で「スペシャル・ドラマ」として放映されたそうだが、見逃していた。今回それに若干の手を加えたものを劇場公開したという。
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かつて杉原千畝とかの名前に代表されるように、反骨の信念を貫いた優れた外交官が居たのは知っていたが、戦後の日米同盟が確立された時期に、このような外交官-官僚がいたとは意外だった。官僚というと、政治家の顔ばかり窺って主体性のないお役人(そうではない人-ごめんなさい。それぞれの場所で地味に頑張って努力している、も沢山いるとは思うのですが、一般の印象として・・・)と思っていたが、前川喜平さんだけではなかったのだと、認識を新たにした。
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前川さんや、この映画の千葉一夫のように、より権力に近い人だから余計に印象に残るのかもしれない。その下で働く多くの人は、国民のためにそれこそ地道に働いているのかもしれない-というかそうなのだろうと思う。籾井会長がとんでもない人間だから、NHKのすべての番組が観るに値しないかといえば、そうではない。それぞれの分野で地道に取材を重ね、貴重で価値ある番組も多い。安倍首相や管義偉や麻生太郎が取るに足らない大ウソつきや、空虚で中身のない人間であっても、そのもとで働く人がすべて悪いわけでも、無能な集団でもない。
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問題は、なぜあたりまえの主張が通らないかという事だ。どうして正しいことが正義として通用しないかという事だ。逆に、今考えると、千葉さんの時代に、どうしてあれだけの主張ができて、今はそれすらもできない雰囲気が政府首脳周辺に蔓延しているのかだ。
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そもそも政府は沖縄県民の事など考えていないし、どうでもいいと思っている。アメリカと財界の事しか頭にはない。それは分かっている。平気でシラを通すのは、沖縄県民はおろか日本国民をバカにしきっているのだ。国民は甘く見られて、見下されているのだ。
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折しも今日、沖縄県が「辺野古沿岸部の埋め立て承認」を正式に撤回した。それに対し政府は「法的措置をとる」という。裁判官の意思も意のままだからひっくり返せると思っているのだろう。
一方、安倍晋三は3選に出馬すると言っているし、それに呼応するように石破茂が立候補すると言っている。茶番劇だ。安倍が勝つことは分かっているし、仮に石破が勝っても日本の将来になんの影響もない。自民の内輪騒ぎに加勢した所で何の利益もない。所詮、《ゾンビ》と《妖怪》の戦いである。
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それにしても『沖縄スパイ戦史』をつくったふたりの女性のパワーはすごい! ジャーナリズムの危機が叫ばれている今日、たのもしい限りである。
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映画『沖縄スパイ戦史』-公式サイト
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『返還交渉人-いつか沖縄を取り戻す』-公式サイト
いずれも、京都シネマ
8月8日に翁長雄志沖縄県知事が亡くなった。もともと保守系だった人が、何をもって辺野古に新基地をつくらせないという固い決意をもって沖縄の心を1つにまとめる象徴的存在になったのだろうか。畏敬の念と共に、沖縄の特殊で不思議な背景を感じていた。
そんな中、沖縄に関する2本の映画『沖縄スパイ戦史』と『返還交渉人』を2回にわけ別の日にみた。
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1つ目の『沖縄スパイ戦史』というタイトルからどんな映画かと思ったら。戦中戦後を通じての沖縄の過酷な現実だ。沖縄に基地が集中しすぎている事実など今更言うまでもないが、そこに至る沖縄の悲惨な歴史を振り返る。日本の敗戦が濃厚な太平洋戦争の最終盤、沖縄で住民を巻き込んで繰り広げられた凄惨な戦いの様子は他の映画や報道番組でも多く描枯れているが、この映画では未成年の少年兵を使った謀略作戦が描かれている。スパイなどの特務機関の幹部を養成する「陸軍中野学校」で教育を受けた若い将校のもと組織された少年兵の話に焦点があてられている。軍が住民を守らないで、それを踏み台にした事実は知られたことだが、その背後にこんな部隊もあったのだ。
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それだけだはない。こうした事実が、現代にも《引き継がれている》ことを監督らは明らかにしていく。『特定秘密保護法』『共謀罪』の制定と共に進む、北朝鮮や中国の脅威論をあおる形での軍備の増強。過去の反省など微塵もなく、沖縄を再び戦争の踏み台にしようとしている現実が浮かび上がる。
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もうひとつの映画『返還交渉人』はテレビでも井浦新主演で「スペシャル・ドラマ」として放映されたそうだが、見逃していた。今回それに若干の手を加えたものを劇場公開したという。
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かつて杉原千畝とかの名前に代表されるように、反骨の信念を貫いた優れた外交官が居たのは知っていたが、戦後の日米同盟が確立された時期に、このような外交官-官僚がいたとは意外だった。官僚というと、政治家の顔ばかり窺って主体性のないお役人(そうではない人-ごめんなさい。それぞれの場所で地味に頑張って努力している、も沢山いるとは思うのですが、一般の印象として・・・)と思っていたが、前川喜平さんだけではなかったのだと、認識を新たにした。
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前川さんや、この映画の千葉一夫のように、より権力に近い人だから余計に印象に残るのかもしれない。その下で働く多くの人は、国民のためにそれこそ地道に働いているのかもしれない-というかそうなのだろうと思う。籾井会長がとんでもない人間だから、NHKのすべての番組が観るに値しないかといえば、そうではない。それぞれの分野で地道に取材を重ね、貴重で価値ある番組も多い。安倍首相や管義偉や麻生太郎が取るに足らない大ウソつきや、空虚で中身のない人間であっても、そのもとで働く人がすべて悪いわけでも、無能な集団でもない。
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問題は、なぜあたりまえの主張が通らないかという事だ。どうして正しいことが正義として通用しないかという事だ。逆に、今考えると、千葉さんの時代に、どうしてあれだけの主張ができて、今はそれすらもできない雰囲気が政府首脳周辺に蔓延しているのかだ。
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そもそも政府は沖縄県民の事など考えていないし、どうでもいいと思っている。アメリカと財界の事しか頭にはない。それは分かっている。平気でシラを通すのは、沖縄県民はおろか日本国民をバカにしきっているのだ。国民は甘く見られて、見下されているのだ。
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折しも今日、沖縄県が「辺野古沿岸部の埋め立て承認」を正式に撤回した。それに対し政府は「法的措置をとる」という。裁判官の意思も意のままだからひっくり返せると思っているのだろう。
一方、安倍晋三は3選に出馬すると言っているし、それに呼応するように石破茂が立候補すると言っている。茶番劇だ。安倍が勝つことは分かっているし、仮に石破が勝っても日本の将来になんの影響もない。自民の内輪騒ぎに加勢した所で何の利益もない。所詮、《ゾンビ》と《妖怪》の戦いである。
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それにしても『沖縄スパイ戦史』をつくったふたりの女性のパワーはすごい! ジャーナリズムの危機が叫ばれている今日、たのもしい限りである。
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映画『沖縄スパイ戦史』-公式サイト
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『返還交渉人-いつか沖縄を取り戻す』-公式サイト