【2012年8月5日】 京都シネマ
日曜日、朝の10時過ぎから夕方6時半までの1日がかりの映画鑑賞である。以前、同じイタリア映画で『輝ける青春』というのも、1日がかりで見た記憶がある。あの時はわざわざ滋賀県の草津まで行った。
途中、10分・30分・10分の3回の休憩を挟んでの上映だが、不思議と眠たくなったり退屈する事は無かった。が、ストーリーは大きな盛り上がりもなく、はらはらドキドキする場面も少なく平坦なものだが、演出がまっとうで物語の展開も分かりやすく、人物描写も自然に描けている。
イタリアという国は、家族関係とか人間模様が日本と良く似ていると思う。違うのは外国人に対するおおらかさだ。
隣の国とは陸地続きで、ユーロ圏内部では国境という意識無しに行き来できる。しかし多くの移民・難民は海を渡って来るが、この物語に出て来るシャバもアフリカからの不法移民であるが、警察官である長男のアンドレアも含めて日本とは基本的に感覚が違うのである。
古くは『若者たちのすべて』(若き日のアラン・ドロンの姿が眩しい)や『ゴッド・ファーザー』でも、イタリア社会での家族の絆の強さが、母親の愛と父親の存在、それぞれの兄弟たちの個性ある性格描写と合わせ、丁寧に描かれてるが、この映画でもそのあたりは健在である。
一方、6時間40分もかけて上映するだけの内容があるかと問われると、疑問も残る。個々の話しの展開にしても、それまでたくましく生きてきた母親が三男の死によって後の人生を反故にするほど、あれほど《打ちひしがれる》のかとか、長女が何をきっかけに《夫婦関係がうまくいかない》と感じるようになったのかとか、首をかしげたくなる場面もある。
『もう一度、この映画をみるか』と問われれば、ちょっと躊躇するかなと思う。
『ゴッド・ファーザー』は何度でも見たいと思うが。
『ジョルダーニ家の人々』-公式サイト