【2009年9月21日】 第3日目 午後
ラーメンで腹ごしらえをした後、11時半、赤石本峰を目指す。ここから観る赤石はどっしりしている。標高では荒川東岳(悪沢岳)わずか及ばないが迫力は赤石岳に軍配が上がる。
【今日の後半は赤石岳の山頂にたち、とんぼ返りに小赤石岳
を通り、大聖寺平を抜け荒川小屋までのルート。】
空は快晴。雨の心配はない。リュックを置き身軽な格好で赤石本峰を目指す。頂上に向かってなだらかな登山路を上っていくと周囲の山の景色が刻々と変わる。頂上付近には人影が見える。
更に登っていくと頂上のモニュメントの様な影がかすかにみえる。
左手を見れば今朝登ってきた赤石沢の向こうに富士山の姿が。
【快晴の元、東の雲海に浮かぶ富士山-中程手前、濃い緑の尾根が大倉尾根】
背後には南アルプスの山々の頂が姿を現す。
【振り返れば、南アルプス北方の山々が見渡せる】
右手には、今回行かない「百間平」から大沢岳・兎岳を経て聖に至るなだらかな縦走路が見える。
【手前の「馬の背」から「百間平」への縦走路
-道は中央の台地から右に大きく迂回し、奥の大沢岳、
その左の雲がかかる「兎岳」に至る】
避難小屋の横をとおり頂上のモニュメントに足を運ぶ。
【最高の景色の前で記念撮影】
最高の景色だ。北の方角の景色は百名山が連なっている。中央手前から縦走路がのび最初の小さな頂が「小赤石岳」。その向こうの荒川中岳と悪沢岳を結ぶ稜線の鞍部から、はるか遠方に白峰三山を従える日本第2の高峰「北岳」の勇姿が見える。そのはるか左手には「仙丈岳」、仙丈と北岳の間に、「塩見岳」の頭だけが覗く。そして中央には南アルプス南部の最高峰の悪沢岳(荒川東岳)が堂々と聳え、画面の右端には「千枚岳」が見える。
圧巻だ! これからあの峰々を踏破するのだと思うとわくわくする。
【 仙丈岳(遠景) 塩見岳(頭だけ) 北岳・間ノ岳・農鳥岳(遠景)
荒川前岳・中岳 荒川東岳(悪沢岳) 千枚岳
小赤石岳 と ラクダノ背[大倉尾根につづく尾根](手前) 】
景色を堪能し、赤石非難小屋の周辺で小休止したあと、私だけ「百間平」への縦走路に足を向ける。地図上にある「馬の背」がどんなものか見てみたかった。Yさんを待たしている手前、あまり遠くまでは行けないのと雲もわいてきたので、岩が重なる崖の上から遙か下を通る登山路が「百間平」に至る道筋だけを確認して戻ってきた。
急ぎ足で戻り、非難小屋の前でYさんと合流。今日の日程は5時間ほどの歩行時間なので時間をたっぷり使いのんびり行動していたが、雲行きが怪しくなってきた。「小赤石」から「大聖寺平」に至る縦走路に西から雲が沸いて押し寄せてくる。
【 雲沸く縦走路 】
午後1時15分、「小赤石」に到着。
デジカメで写真を撮っておく利便性はいつ何時にどこに着いたという記録が残せることだ。以前の様にメモ帳にコースやら到着時間を記録をしておく必要がない。だから1年近く経っても、ある程度記憶をたどって記録が書けるということだ。
雲がだんだん厚くなってくる。まだ尾根道までにはかかっていないが先を急がねばならない。ほぼ水平の気持ちのいい道を進むがあたりの景色が見え隠れする。大聖寺平への急な下りのガレ場あたりに来るとガスに覆われた。荒川小屋まで写真がないと言うことは、カメラを取り出して撮すだけの余裕もなくなっていることだ。
どこでカッパを着たか。時間にしたら1時間ほどの行程なのに、なかなか荒川小屋が見えてこない。小赤石から長く伸びる稜線を右に見て、雨の中をもくもくと歩き続ける。
【荒川小屋と前荒川岳-翌朝撮影】
ようやく、午後4時20分「荒川小屋」に到着。反対方向の千枚岳方面から登ってくる登山者とかち合い混雑するものと予想していたが、意外と空いていた。2階のスペースに案内されたが先着組が数人いたのと、後から1組だけ来たか、いずれにしても北アルプスでは考えられないようなゆったりとしたスペースが確保できた。
【荒川小屋-2階のがらがらの宿泊スペース】
夕食は、荒川小屋」名物?のカレーと鮭の切り身。翌朝に備え、その日はさっさと休む。
【荒川小屋の夕食-名物のカレーがついている】
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