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『高地戦』-朝鮮戦争の末期、停戦協定の駆け引きにおける戦闘のむなしさ、悲しさを見る

2012-12-09 11:38:36 | 最近見た映画

         【2012年12月6日】   京都みなみ会館

 第二次世界大戦後、朝鮮半島はアメリカとソ連・中国の思惑で南北に分断された。1948年に北は金日成を首相とする『朝鮮民主主義共和国』が成立し、南は李承晩を大統領とする『大韓民国』が成立した。

 元々、1つの民族、言語、文化を持った地域・国民が分断されるという悲劇がここから始まる。

 1950年に『北』が "38度線" を越え朝鮮戦争が始まるが、同じ民族同士の2つの"政府"だけの戦いではすまなくなっていた。北朝鮮軍の進撃に対し、アメリカ軍を核にする"国連軍"が"参戦"し、その後『中共軍』まで参戦し、38度線を巡る果てしない攻防が続くことになる。

 1951年7月に、ようやく停戦に向けての協議が開始されるが、話し合いは難航しまとまらない。

 映画は、その最前線にいて、激しい戦いの合間にも南北の兵士間の《ささやかな交流》も生まれる中で、『停戦』を待ちわびるの様子を描いている前半がある。

 停戦協定がようやくまとまり、それぞれの代表が『協定書』にサインをする。これで『戦争』もこの『映画』も終わりかと思ったら、そうではないのだ。

 『停戦協定』は発行するのは午後10時で、それまでに12時間の時間がある。停戦後の新たな『38度線』の引き直しに《重大な影響》があるという理屈で、双方が前線に『総攻撃命令』を出す。

 それまでにもない多くの無駄な命が奪われる。何のための《停戦合意》なのか。そして、いつも犠牲にになるのは『軍や政府の高官』でも国を支配する『経営者や富豪』でもない、最前線に送られる一般庶民・下級軍人だ。


 徴兵制を持ち、戦争体験の記憶に新しい国だからこそ、大きな声で主張できる『戦争のむなしさ』、『武力の意味の無さ』を、はっきりと示した映画だ。


      ○       ○       ○


 自民党の安倍総裁が、最近とみに超タカ派ぶりを示し、《国防軍の創設》などと叫んで憲法第9条を目の敵にして《憲法の改正》を政策に掲げている。『維新の会』も同類だ。
 
 『平和憲法』、『第9条』は日本の宝だ。

 《自主憲法を制定する》とか、《不備を補い文言を現代風に改める》とかを口実とした《憲法改正》を突破口に、この国を『戦争を始める』、『戦争のできる』国に変えてはならない。




    『高地戦』-公式サイト

 

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