【 2019年1月25日 転載 】
【2015年11月30日 12時30分 毎日新聞インターネット記事より】
パリで先日、同時多発テロがありました。過激派組織「イスラム国」による犯行のようです。一体いつまで、こんな悲惨な事件が続くのでしょうか。
テロ対策の鍵は、もしかしたらクルド人が握っているかもしれません。「クルド人」とは、どんな人たちなのでしょうか。 クルド人は「国を持たない
最大の民族」と言われ、シリア、イラク、トルコの山岳地帯などで約2500万人から3000万人が生活しています。
中でもトルコには最大の1000万人が暮らしています。また、イラクのマスーム現大統領はクルド人で、この国の北部にはクルド人自治区もあります。
どうして彼らは国を持たないのでしょうか。理由は1920年にさかのぼります。 第一次世界大戦後、勝った連合国と敗れたオスマントルコ帝国との間で
「セーブル条約」が結ばれ、この際にクルド人の独立も認められました。ところがその後、条約は破棄され、英仏はオスマントルコを分割。民族の分布に配
慮しない国境線を引いたせいでバラバラになってしまったのです。 トルコではクルド語教育や民族衣装すら禁止され、弾圧を受けてきました。こうしたこ
とに反発して武装闘争を繰り広げてきたクルド人勢力もあります。それが1978年にオジャラン党首が創設した「クルド労働党」(PKK)です。トルコ
や米国はテロ組織に指定しています。
イラクでもフセイン政権下で化学兵器によるクルド人の虐殺がありました。クルド人は「悲劇の民」とも呼ばれます。 では、クルドの独立の望みはあるの
でしょうか。 現状では難しいでしょう。過激派組織「イスラム国」(IS)がイラクのクルド人自治区境界まで侵攻してきたため、クルド独立に否定的なイ
ラク政府や米国との協力が不可欠になったためです。 クルド人自治区は2006年イラク政府に公認されました。自治政府は「ペシュメルガ」(死を恐れぬ
者)と呼ばれる治安部隊を持っていて、ISと戦っています。一方、シリアにもクルド人勢力「民主統一党」の武装組織、人民防衛隊(YPG)があります。
いずれの部隊にも女性が参加しています。
ISへの対応で、トルコはクルド人勢力との連携を迫られ、板挟みになっていますね。 実は、日本にもクルド人が住んでいます。埼玉県蕨市や川口市のは
600人ほどが住んでいて、毎年3月の新年祭「ネブロス」には地元の人も参加しています。 あまりなじみのないクルド人ですが、勅使河原ケンちゃんは関
心を持ち始めたようですね。
【2015年11月30日 12時30分 毎日新聞インターネット記事より】
以上の記事は2015年現在の勢力関係を表しており、現在と国際関係の状況や元首・大統領の名前が異なっている部分があるので注意!
『バハールの涙』-マイブログへ戻る