【2012年8月26日】 TOHOシネマズ二条
降旗監督には失礼だが、あまり期待はしていなかった。
降旗監督の高倉健主演での映画といえば『駅(ステーション)』をまず思い浮かべる。
観に行ったが、情緒だけが先立って、何が言いたいのか、ストーリー展開も訳が分からず、途中で観るのを投げ出した記憶がある。
同じ、倍賞智恵子と高倉健の映画で言えば、その以前に公開された『幸福の黄色いハンカチ』や『遙かなる山の呼び声』のインパクトが強すぎて、中途半端な脚本にバカらしくなったのかもしれない。
今回のは、期待に反して悪くはなかった。
ロードムービーである。富山湾越しの立山・剣の雪山風景はあこがれる。竹田城祉の天空の城も良かった。京都も出た。門司も平戸もまた訪れたい。
館内を見渡すと、60歳を過ぎた老夫婦が熱心に観ていた。自分の後始末はやはり気になるとろだ。
でもやはり、山田洋次に比べるとインパクトに欠ける。それと、演出のまずさが所々目につく。不自然なのだ。
ストーリーはともかく、配役は圧倒的だ。
出演者の過去の映画を思い浮かべてしまう。
高倉健と田中裕子。高倉健で思い浮かべるのは『幸福の黄色いハンカチ』。一方、田中裕子の場合、わたしは『いつか読書する日』が忘れられない。
余貴美子は『おくりびと』がよかった。
原田美枝子は『ああ、野麦峠』も『愛を請う人』も印象的だった。
大滝秀治は存在感が違う。テレビドラマ『総会屋・錦城』から始まり『男はつらいよ』まできりがない。
佐藤浩市は『誰も守ってくれない』と『闇のこどもたち』だ。
そんなんで、つい昔の作品を思い出してしまう。
それでも、『駅 STATION』よりずっとわかりやすく良かったし、最後の切り返しも良かった。
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晩、家に帰って、『 いつか読書する日』をDVDで観た。やはり、ずっとよかった。
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