【 2017年1月5日 】 MOVIX京都
『メルー』という山の名前も知らなかったが、映画のチラシ、予告編の映像を見て「これは何が何でも見ないといけない!」と待ちかねていた。
【『メルー主峰』(6500m・写真左)と『メルー中央峰』(シャークスフィン、6250m・写真中央)】
すごい映画だ。映画と言ったが、作り事ではなく事実の『ドキュメンタリー映像』だから格段の大迫力で、見るものを圧倒する。「ドキュメンタリー」というと、一般的に、映像がやや稚拙で、ストーリ展開も説明的だったり、分かりにくいものが多いのだが、これは違う。今まで見た中で最高の【山岳映画-ドキュメンタリー映像】だ。
【『MERU』の全容 】
《山を征服する》方法には、大別して【極地法】註*(ポーラー・メソッド)と【アルパイン・スタイル】があるが、この映画の『MERU』攻略法は後者であり、目標は『中央峰』のシャークスフィンである。
【アルパイン・スタイル】には次のような条件(定義)があるそうである。
クライマーは6人以内
酸素ボンベは持たない
固定ロープを使用しない
高所ポーターやシェルパの支援を受けない
註*【極地法】(きょくちほう : Polar method)とは、
困難な山に対して用いられる登山法のひとつである。
最初に安全な地点にベースキャンプを設け、そこから比較的連絡のとりやすい距離に次々と前進キャンプを
設営する。隊員はキャンプ地間を行き来して、必要物資を運搬する。また必要に応じて移動困難箇所のルート
工作を事前に行う。それぞれのキャンプ地の隊員の援助を借りつつ、最終的に少数の隊員が頂上を目指すのが、
この登山法である。
8000メートル峰を中心とした高所登山において成功率と安全性を高める為に生み出された方法であり、1953
年のエドモンド・ヒラリーとテンジン・ノルゲイによるエベレスト初登頂時にもこの方法が用いられた。
現在でも公募隊によるエベレスト等の登山においてはこの方法を使用しているが、登頂に多くの期間と人員
そして多額の費用が必要であること、少数の登山者のために大量の人員を投入すること、山に膨大なゴミを残
すことなどに対して批判も存在する。
登攀技術や装備が進歩し世界中の高峰登頂が達成し尽くつされた現代、記録達成を目指す先鋭的な登山家の
間では、アルパインスタイルによる未踏の困難なルートを切り開くことに主眼が移っている。
現在、海外ではエクスペディション・スタイルなどと呼ばれている。
(ウッキペディアより抜粋)
世界最高峰の『エヴェレスト』をはじめ、ヒマラヤの高峰登頂には、当初はもっぱら【極地法】が用いられていたが、「1975年に、メスナー等がガッシャーブルムI峰で世界で初めて8000メートル峰にアルパインスタイルで登頂したことで、この手法は脚光を浴びた」ということであるが、『メルー』の【シャークスフィン】(サメのひれ)には、固定ロープもないし、もちろんポーターやシェルパもいるわけがない。
征服法、登山隊の組み方以外に、やはり通常ルートの「エヴェレスト」登山と違うのは、クライミング技術である。エヴェレストでも一般的なロッククライミングの技術は必要だろうが、公募登山に見られるように「登頂を果たせるかどうか」は、その基本的体力にあるといえる。(もちろん天候に左右されることが大であるが。)
『MERU』の場合は、エヴェレストとは全く違った困難があるのだ。
【 シャークスフィン 】
高々、6250mの山が、どうして今まで《未踏峰》だったか理解できなかったが、実はほかのルートからは既に《登頂》されていた。6500mの主峰でなく、『シャークスフィン』を登ることに意味があったのだ。
【 シャークスフィンを登る 】
今まで多くの【山岳映画】を観てきたが、『アイガー』を除いては、いずれも「ヒマラヤ」の名だたる山々だった。
『エヴェレスト3D』、『ナンガパルパット』、『K2』、『アンナプルナ』等々。しかし『メルー』という名前はこの映画で初めて知った。
その『メルー』という山はいったいどこにあるのだろうかと調べてみると、カシミールに近いインド北部の「ヒマラヤ山脈の西の端にあった。その北、約350kmには『K2』が聳えている。『エヴェレスト』は遙か東である。
全編にわたる、最新の登山技術と装備の進化、美しい映像とクライマーの心意気には魅了され、圧倒される。自分が出来ない未知の領域だから余計にあこがれる。
【 クライミング仲間 】
この映像は、間違いなく今までの見た中で最高の『山岳映画』だ。、
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『MERU/メルー・理由がないから、夢がある』フォトチャンネル
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