この映画・本、よかったす-旅行記も!

最近上映されて良かった映画、以前見て心に残った映画、感銘をうけた本の自分流感想を。たまには旅行・山行記や愚痴も。

「宮廷画家ゴヤは見た」-ゴヤの気持ちは理解できても

2008-10-12 22:06:35 | 最近見た映画
 【2008年10月12日】 京都・新京極シネラリーベ

 実は前日、この映画の「封切り」の日に、普段はめったに行かない映画館なのだが(観たい映画をめったにしないから)2年ぶりくらいに行ったのだが、「映写機が故障して上映を見合わしています。」と受付で断られ、愕然。
 日程をあわせて時間をつくり夫婦割引を使うべく遠路やってきたのに、あっさりと言われて、「映画館の社会的・文化的存在意義」をもっと自覚してもらいたいと《『街にいくらでもあるコンビニとは違うのだ!』と言いたいだけ。》、口には出せず、腹の虫が納まりかねたが、仕方ない。
 すごすご帰ってきて再び今日、挑戦してきた次第。

「アメデウス」は、モーツアルトの人格とその死の新しい解釈、その天才ぶりと不幸を、一般の教科書では教えてくれないサリエリの存在とその葛藤をあわせて、生々しく描いてみせてくれた。本当に「目から鱗」級の新しい体験と発見のある楽しい映画だった。


 「アマデウス」もすごく良くて、ずっと昔見た「カッコーの巣の上で」も忘れられない良い映画だったから、待ち遠しくて見に行ったが、やや期待はずれだった。

 だいたい、キャッチコピーが全然的外れだ。

 《それは、立ち入り禁止の、愛》

 あれは愛でも何でもない。単なる野蛮な行為だ。(まだ「コレラの時代の愛」の方が納得できる。)別にこの言葉につられて見に行ったわけではないが、このチラシ広告の無神経さ・精神の貧困さには腹が立った。

 的外れな宣伝がなかったら、映画自体は悪くないと思える。

 ゴヤの悩みがその絵を通して伝わってくる。ゴヤの晩年の暗さ、精神の異常さがどこから来るか理解できるような気がする。

 それにしても中世は過酷で残酷な時代だ。これもかなり前、フランス映画で魔女狩りを扱った「サレムの魔女」(イブ・モンタンとシモーヌ・シニョーレ主演)というのを見たが、見終わった時、その時も何ともし難い、遣る方ない怒りを感じたが、今回も似た感情だ。
 やっぱり、映画で《救いがない》というのは疲れる。
 
 
 「現代の人間は」、この時代と比べたら、表面上は「多少は進歩しているにかと思う」ことが、唯一の救いか。


     

 でも、ナタリー・ポートマンは美しかった。こんなきれいな人を拷問にかけるなんて・・・・。



  「宮廷画家ゴヤは見た」-公式サイト

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