新型コロナウイルスの感染拡大に伴い需要が逼迫したアルコール消毒液の代替品として一躍注目を集めた「次亜塩素酸水」(→こちらの報道など)だが、飲食店や自治体で急速に利用が広まったが、経済産業省や文部科学省が「有効性や安全性が確認されていない」と相次いで表明(→経済産業省6月2日、 経済産業省6月9日、文部省6月4日)、急遽使用をとり止める動きも出た。→産経新聞などの報道
まず基本的なことですが、「次亜塩素酸水(HClO)」と「次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)」を間違えて、使用しているレストランなどもある。(→こちらの報道)
言語道断ですね。
名前はよく似ているし、同じような使われ方をすることが多いが、「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」は全く異なる物質です。「次亜塩素酸ナトリウム」(商品名:ハイター、カビキラーなど塩素系漂白剤の主成分)のほうが入手しやすく価格も安いのですが、代用品にはならないので、取り扱いに要注意。
→違い・使用時の注意などについてはいろいろあり、こちらのサイトの説明がわかりやすい。
さて、次亜塩素酸水の利用の件ですが、NITE=製品評価技術基盤機構は、新型コロナウイルスの消毒目的で利用が広がっている「次亜塩素酸水」について、現時点では有効性は確認されていないとする中間結果を公表した。専門家は、噴霧での使用は安全性について科学的な根拠が示されていないなどとして、注意を呼びかけている。→NHKなどの報道
「次亜塩素酸水」と「次亜塩素酸ナトリウム」の利用・安全性は複雑ですね。→こちらの学者の意見
やはり、止めた方がよさそうだ。
<追記>
次亜塩素酸水の普及を目指す研究者ら有志でつくる「次亜塩素酸水溶液普及策晋会議」は11日、東京都内で記者会見を開き、次亜塩素酸水は新型コロナウイルスに効果がなく、空間噴霧が有害だとするような報道は「明らかな誤報」だと主張するアピールを行った。→こちらの報道など
混乱は続いている!
<追記2>
6月26日、NITEが新型コロナウイルスに対する消毒方法の有効性評価について最終報告をとりまとめ、発表した。~物品への消毒に活用できます~ →こちらのサイト
これによると、「塩酸や食塩水を専用機器で電気分解して作る「次亜塩素酸水」について、新型コロナウイルスの消毒で有効性を確認したと発表した。次亜塩素酸水は35ppm以上の濃度があれば、20秒後に99.99%以上のウイルスが死滅したと認められました。ただし、消毒する際に、まず表面の汚れをよく落とし、十分な量を使用する必要があるといいます。
机やドアノブを拭くなど物品の消毒は推奨する一方、人体への影響については評価しておらず、手指消毒や人が吸い込む可能性がある空間への噴霧については推奨しないとした。」
また、界面活性剤の有効性についても、追加界面活性剤を発表した。
界面活性剤の商品名は:こちらのサイト
消毒の動画はこちら
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しかしこれが勧められるのは、70%アルコールでの器具、家具の消毒では大量に使われるのでしばしば火災を引き起こすからです。中国ではこれで多数火災が報告されています。その意味では次亜塩素酸ナトリウムの方がより安全です。比較の問題でしょうか?
https://blue.ap.teacup.com/applet/salsa2001/6108/trackback
お久しぶりです。コロナは大丈夫でしたか? 私は、外出自粛で、うんざりしてます。
次亜塩素酸ナトリウムを消毒用に利用するのは、厚生労働省・経済産業省からも、3月の時点で、消毒用として推奨してますね。
https://www.mhlw.go.jp/content/000617981.pdf
しかし、次亜塩素酸ナトリウムの場合は、手袋が必要で、誤ってそのまま使うと手がただれる危険性があるますね。また、口や目に入らないように配慮する必要がありますね。次亜塩素酸水は弱酸性で、肌と同じpHで、皮膚にダメージを与える危険性は少ないですね。利用法を混同していることが問題ですね。