「八重の桜」がこの前の日曜に終わった。
大河ドラマは好きだし、会津出身の俺としては見ないわけにはいかんだろう、ということで1年間見てきた。
最終回が近づくにつれ、八重の周りの人が一人、また一人と亡くなる。
何度も泣きましたわ。泣いた回数はこれまで見てきた大河ドラマの中で5本の指に入る。
ドラマの中に「ならぬものはならぬ」という言葉が何回か出てきた。
「決められたことは守らなければならない」という当たり前で大切なことだと思うのだが、これを封建時代の教育思想だとか、思考停止とか、中には体罰容認なんて解釈している人もいるから人間いろいろだな。
また一方で、「良いものは良い」という新島襄の言葉もあった(「何でも経験してみるものです。良いものは良い」)。
「ならぬものはならぬ」、「良いものは良い」。これって逆にしっかりとした自分の考えを持っていないと判断できないことなんじゃないだろうか。
物事を斜めから見ずに、八重のように自分の信じる道を歩んでいけたらいいと思う。
それにしても綾瀬はるかさん、「JIN-仁-」でなかなかやるな、と思ったが、このドラマでは完璧とも思える演技だった。
会津の「ニシンの山椒漬け」と「こづゆ」が気に入ったそうだし、会津弁が上手いし親しみを感じる。
一部の週刊誌などでは視聴率が大河史上4番目に低い、なんてことを記事にしているが、今は直前にBSで見ている人も多いのに、単純に視聴率の数値を比べるのはそれこそ思考停止だと思うぞ。
最後に心に残った言葉。いくつかあるが、最終回で西郷頼母が八重にこう言った。
「わしはな、新政府がなじょな国作んのか、見届けんべと、生ぎ抜いてきた。・・・んだげんじょ、戊辰以来、わしの眼に焼ぎ付いたのは、なんぼ苦しい時でも、懸命に生きようとする人の姿。笑おうとする人の健気さ。そればっかりが、俺の心を、胸を揺さぶんだ」
これは震災で苦しんでいる人に向けた、励ましの言葉なんだろうな。