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あの頃

足跡に残るアホの文字愛おしく



今振り返れば、
時間に追われるなというけれど(じぶんも口にする)、追われることもまんざら嫌いではなかったようにおもう。一日に何本も打ち合わせがあって、パンク寸前まで仕事を抱えて徹夜をして、追われるよりも時間と競争していた時代をなつかしく感じるもの。
ただ、忙しさに比例してトラブルと酒の量が増えた。何度も背筋が凍りそうになった。二度と体験したくないので、いい思い出とはいえないけれど、少しはその後の役に立ってくれたかもしれない。
「生きているぞ」という実感は、遊びのなかではなく仕事の忙しさの中でしか得られなかった。もしかしたら仕事も遊びの一部だったのかもしれないなぁ。だから毎日、仕事の延長のように酒の時間へとすーっと進んでいったんだろう。
それで、今はどうだ。今は、時間と肩を組みながら暮らしているかな。散歩気分の日々かもしれない。これはこれでわるくはないが、エネルギーを蓄えて、もう一暴れるのもありかな。






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