僕と猫のブルーズ

好きな音楽、猫話(笑)、他日々感じた徒然を綴ってます。
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阿久悠さん

2008年08月02日 | コトバの杜
昨日、阿久悠さんの伝記ドラマが放映されてた。
阿久さん演じるのは田辺誠一。

阿久さんが歌詞を書いた数々の名曲は勿論知ってる。何たって昭和生まれですから(笑)

でもこうしてドラマで改めて見るとそのジャンルの広さにビックリ。
ピンクレディー、都はるみ、和田アキコ、ジュリー、KYON2・・なんでもござれだな。

そして歌詞が聴き取りやすい。無理やりウタにはめこんでない。
かつ・・・歌手やウタよりもコトバが目立ちすぎていない。
何ていうかケジメと品がある、そういう歌詞だと思った。

阿久さんというと思い出すのはシーナ&ロケッツとのエピソード。
鮎川さんがTVで阿久さんの特集を見て思い立って阿久さんにシナロケ
に歌詞を書いてほしいと依頼した。

阿久さんはこの依頼を大変喜び、数日で沢山の歌詞を書きあげ
鮎川家にファックスで送った。
鮎川さんが帰宅したとき、部屋中に歌詞が書かれたファックスが
とぐろの様に巻いていてビックリしたという。
そして、そこに書かれた歌詞のあまりの素晴らしさに時間をかけて
曲を作ったという

そうして出来上がったのがアルバム「ROCK ON BABY」。
ボクはこのエピソードは知ってたけどアルバム自体は聴いたことなかった。
でも嫁が持っていたので聴いてみました。

 「ロックの好きなベイビー抱いて可愛いママが行く」
 「まだまだ醜いこの世だけれど やがていつかまもとに変わる」
  (「ロックの好きなベイビー抱いて」)
 「都会のゲームは勝てないけれど地球と思えば勝負はわからない」
 「人生のゲームはB級だけど 人間らしさは絶対Aになる」
 「とっくに老いたおまえらと違って体の中に眠らないガキがいる」(ガキ)

すごいな・・・コレ。コトバが際立って強い。メッセージにあふれてる。
このコトバに力を得て鮎川さんのギターもシーナさんのコエもパワフル。
下手なロックの詞よりもよっぽどエネルギーがあるし・・・
且つ「夢」とか「希望」が確かにこの中にある。熱い魂がこめられている。

決して昔を懐かしむわけじゃないけど・・・
阿久さんが活躍した昭和・・未来は「夢と希望」に溢れてたと思う。
「なんとかなるさ」「楽しいことが待ってる」、そんなムードが確かにあった。
TVでは歌謡曲が鳴り・・スターって言うヒトも確かにいた。

90年代に入ってから・・・少しづつこういう楽観ムードが消えて言ったのでは?
歌謡曲はなくなり・・・スターも消えカリスマと呼ばれるヒトも増えて・・
夢や希望を語るより・・・痛みや悲しみを唄う歌が増えた。
(いや、個人的にはそういう歌が大好きだけど)

今、阿久さんの後を継ぐようなヒトっているんだろうか?
小室哲哉?つんく・・・いや違うな?
残念だけどこのヒトたちのウタは阿久さんほど後世に歌い継がれないだろう。

今でも街の至るところで音楽は溢れてるけど・・・
思わず口ずさんだり鼻歌で歌いたくなる歌は・・確実に少なくなった気がする。

昔は良かったなんて絶対云いたくない。
でも・・・オンガクでなくウタが溢れた、みんなが口ずさんでた
昭和って時代は本当に幸福な時代だったと・・・そんな気もする。


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