僕と猫のブルーズ

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東京都現代美術館「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」

2013年07月14日 | Art・本・映画
金曜日、官邸前反原発デモに行く。デモ参加は3回目。
安倍総理は原発再稼動にやる気満々、電力会社は再稼動申請に積極的。
をい、待てよ。こんな何も無かったかの様に進んでいいのか?
オレも声をあげよう。そう思って再度デモに参加。

国会議事堂前に到着。デモの一団は色んな場所に分かれてる。
歩いてると、RCサクセション「サマータイムブルース」を鳴らす人が居た。
「キヨシロー、イイですね!」と話しかけると笑ってた。
更に進むと原発関連の本を売る人、脱原発グッズを売る人、カフェまである。
楽隊が演奏してる。ここ、何か凄いな。自由でカオス状態だ。
デモの中心地、人が集まってる。決して多くはない。でも「少なくも」ない。
リーダーに合わせて皆で一緒に声を上げた。でも声を出さず座ってる人もいる。
それぞれが自分のやり方で主張してる。オレも叫びたいときだけ声を上げた。
オレは国会議事堂の中より、こっちのデモの方を支持する。
こっちの方があっちよりも自由でステキだ。

昨日は嫁と東京都現代美術館で開催の「手塚治虫×石ノ森章太郎 マンガのちから」展に行く。
http://www.mot-art-museum.jp/exhibition/145/


館内は程よい混み合い。若い人も多い。
先ずは2人の漫画家になる前の作品が展示。線が活き活きしてる。
プロになってからの色んなエピソード。
手塚さんが人手不足で学生だった石森さんを呼びつけアシスタントをさせた話や
手塚さんが失踪してトキワ荘の漫画家が代筆した話には笑った。
手塚さん、結構自由でワガママなヒトだったんだな\(T▽T)/

トキワ荘の再現。これは写真撮影OK。中も再現。凄い狭い部屋。
こんな小さなスペースで名作が生まれたんだ。

その後は数々の名作の生原稿だったりアニメのフィルムや特撮映像。
懐かしさもあり思わず見入る。

手塚さんや石ノ森さんのマンガに込めたメッセージもあちこちに展示。
「マンガで何ができるか?」高らかに掲げられた理想、夢。
同時に社会や世界の暗部や不条理にも目を背けなかった。読んでてジンと来た。

実はオレは石ノ森さんのマンガはチャンと読んでない。
読んだのは「サイボーグ009」と「おみやさん」「ホテル」くらい。
でも、今回「JUN」や「佐武と市捕り物控」の原稿を見てその美しさに息を呑んだ。

手塚さんの「ブラックジャック」の生原稿を見てて・・・泣きそうになる。
「三つ目が通る」「アドルフに告ぐ」「陽だまりの樹」どれも読んでた。
「やけっぱちのマリア」や「プライム・ローズ」みたいなマイナーな作品も
取上げてるのがウレシイ。
手塚さんの作品はいろんなことを教えてくれた。それは学校で学ぶことより遥かに豊かだ。
夢、理想、愛と共に欲、悪、憎、理不尽、金、そういう現実も見せてくれる。
しかもシンプルで面白おかしく。
このヒトの作品に幼いとき、学生時代に触れられてホントによかった。
手塚さんの亡くなったとき石ノ森さんが寄せた追悼メッセージにもジンと来た。

最後は様々なアーティストによるオマージュやトリビュート作品。
永井豪や藤子不二雄Ⓐ、ヤマザキマリの作品はLOVEに溢れていてよかった。
山下達郎「アトムの子」元春「僕は愚かな人類の子供だった」の映像もある。
後続の世代として手塚さんの想いを継承する事を表明した達郎さんより、
個として作品への想いを寄せた元春のスタンスの方が好きかな?
海外のアーティストは「萌え要素、パロディ」的な作品が多い。
手塚さんや石ノ森さんを「神格化」していないんだろう。それはそれでイイ。

また、石巻石ノ森萬画館の311の際のエピソードが漫画になってた。
読んで、胸が熱くなる。震災時の混乱。スタッフの皆さんの頑張り。
石ノ森漫画のキャラクターが石巻の皆さんに与えたエネルギー。
来週、仙台にボランティアに行く。がんばろう。

外に出ると009とアトム、サファイアが迎えてくれた。
Thanks♪楽しかったよ。


とても楽しかったな。ただ楽しいだけで無く色々考えさせられた。
手塚さんも石ノ森さんも人間と科学の素晴らしさと同時にその裏に潜む
闇や影の部分もチャンと描いている。
もし、現在(いま)、お2人が生きていて日本のこの状況を見たら
何を感じて何を描くだろうか?
未来は明るく輝いていなかった。人間は弱く愚かで素晴らしくはなかった。
子供の頃、学生時代、まさかこんな世の中になる、とは想像もしなかった。

帰宅後、「ブラックジャック」をひたすら読んでいる。
星の様に煌き輝く素晴らしいコトバにあふれている。


「正義か。この世にそんなものはありはしない」(約束)
「この空と海と 大自然の美しさのわからん奴は 生きる値打ちなどない」(宝島)
「人間は動物を裁く権利があるのかい」(なだれ)
「それでも 私は 人をなおすんだっ 自分が生きるために」(ふたりの黒い医者)

何度も読んだセリフ。でも、ココロに刺さる。
こんなに真摯で誠実なメッセージが子供向けのマンガで語られている。
素晴らしすぎて声も出ない。

メッセージを貰って満足するだけでなくてACTIONを起こさなくちゃ。
現在(いま)のままじゃ未来は暗く翳っている。それはイカン。
どんな時代でも、未来は明るく輝いてなくちゃ。
そうなるように、そうするように・・・ウン、がんばろう。がんばらなくっちゃ。
ね、にゃにゃん☆

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