10月の「りんりんフェス」で寺尾紗穂のライブを初めて見た。
ただ当日別のLIVEと重なり途中退出。もう1度見たいなと思ってたら今週地元のイベント
でミニライブがあると言うので勇んで参加。
○「ほしのいえ講演&ミニライブ 遠い道を歩き続ける」
前半は労働問題に取組む鴨桃代さんの講演。
鴨さんは全国ユニオンの委員長で全国各地の労働問題の解決に取り組んでいる。
過重労働、不当な契約切り、メンタル問題の様々な事例を紹介。
働き過ぎで鬱になり生まれた子供のことさえ認識できない父親の話には言葉が出ない。
某有名娯楽産業のダンサーやパフォーマーに対する不当な契約切りの話はショックだった。
美しい「夢の国」で働く人が「夢を持てない」現実。
他にもバイト学生の都合を考えずムリなシフトを入れる会社。
高速バスの運転手に正当な報酬を払わないバス会社。
遥か昔から続く搾取の構造。いつになったら変わるのか。
鴨さんは「今回のイベント名は『遠い道を歩き続ける』です。ホント遠いです。
まだ終わらない。そして良くならない。益々悪くなってる。でも、だからこそ続ける」
と力強く語って講演は終了。
労働問題は情報としては知っている。でも、直接取り組んでいる方の話を聞けたのは
有意義だった。自分自身がどう係るか、は何とも言えないが、こういう支援活動が
あるというのは認識しよう。
その後は寺尾さんのライブ。
(セットリスト)
1.時よ止まれ(弾語り)
2.死んだ男の残したものは(武満徹・谷川俊太郎COVER)
3.いくつもの(Wソケリッサ伊藤さん)「りんりんフェス バックレ」を詰問(笑)
4.思い出どおり(W ソケリッサ 横内さん)
5.私の好きな人(w ソケリッサ 小磯さん)
6.楕円の夢(W ソケリッサ全員)
7.アジアの汗(W ソケリッサ全員)
美しく優しいピアノの弾語り。でも歌われる世界は過酷。
今回は路上生活経験者のダンスチーム「ソケリッサ」も参加。
あるダンサーが語った「会社で上司に暴力を振られロンドンに逃げたら凄く自由に生きれた。
でも日本に戻ると同じ様に自由には生きれず苦労した」話が印象に残った。
自分が自分のまま、自由に生きれない、生きることを許さない風潮って何なんだろう?
昨今もそんな風潮が蔓延している。自分の気に入らないモノを「偏ってる」と叩く風潮。
それはとても偏狭で息苦しく見える。それで皆シアワセなんだろうか?楽しいんだろうか?
寺尾さんの歌に合わせてソケリッサのメンバーは踊る。
美しくもなく精巧でもないダンス。寺尾さんの前に平気で立ちふさがり、ドタドタ音を立てる。
でも、フツーのオッサンたちが楽しそうに踊るその様は素晴らしく自由で羨ましかった。
見ながらいつの間にか、涙が出てきた。オレ、こんなに自由に生きてるかな?
クライマックス「楕円の夢」が歌われる。歌う前に寺尾さんは語った。
円は1つの中心しかなく決まった形しかない。でも楕円は2つ中心があって
自由に形を変えられる。視点を変えれば自由になれる。
若者もいざとなれば「逃げる」のもいいんだ。寺尾さんはそう語って歌う。
「どちらもほんとのこと そんな曖昧を生きてきた」
「明るい道と暗い道 狭間の小道を進むんだ」
寺尾さんの歌にのって踊るソケリッサ。何かステージが明るい陽だまりの様に見えた。
最後は「アジアの汗」。寺尾さんが嘗て会った山谷のおじいさんの想い出話。
ソケリッサはお客さんも巻き込んで踊る。素晴らしい眺めだった。
講演会、ライブどちらも感銘を受けた。「遠い道を歩き続ける」か・・・。
オレがやってる東北支援もそうかも知れない。終わりは見えない。
でも・・・やめるわけにはいかない。やるしかない。
「楕円の夢」・・・よかったな。「あいまいに生きていく」「あいまいを受容れる」
それは右か左か決めるよりもステキに思える。
オレもそんな風に生きていきたい。ね、ヨモちゃん♪