ホキ800形は、日本国有鉄道(国鉄)が1958年(昭和33年)から製作した 30 t 積の貨車(ホッパ車)です。
ホキ800形は国鉄が1954年から製作したホキ700形の改良型で砕石(バラスト)散布用のホッパ車。営業用貨車の形式を称するが、実態は事業用(軌道保守用)車両です。
ホキ800形は1958年から1974年までに1072両が製作されました。1954年から製作されたホキ700形は軌道の外側1方向のみ砕石散布が可能な構造でしたが、保線効率向上の見地からホキ800形ではこれを改良し、軌道の内側・外側・遠近の3方向に砕石を散布可能な構造としています。台車はTR41C。1773以降はデッキが広くなり、全長が500mm延長され、台車もTR225に変更されました。うち12両 (1761 - 1772) は新幹線用の931形貨車から改造編入されました。
ホッパとは、粒状のものを下に落とすための漏斗形の装置のことです。ホッパ車の積荷としては石灰石などの各種鉱石、砕石、セメント、小麦など、粉状や粒状のものです。これらを袋詰めなどにせず、ばら積みの状態でホッパ車に積み込み、目的地に着いてからホッパ車の下部にある取り出し口を開け、中のものを取り出すことができます。
なお、石炭を運ぶ石炭車もホッパ車の一種ですが、日本では石炭車に限りホッパ車とは別物として扱われていました。これは初期の砕石・鉱石用ホッパ車の多くが石炭車をベースに作成されたこと、それぞれの比重に対応させるため設計が異なること、石炭車が基本的にまとまった両数で運用される事などによります。
ホッパ車誕生以前は鉱石・砕石は無蓋車や石炭車にばら積みし、セメント・小麦粉などは袋詰めの上有蓋車を使用していました。1952年(昭和27年)、セメント輸送用の有蓋ホッパ車が登場しました。当初は適切な車種がなく、暫定的にタンク車に分類されていましたが、これを契機に1953年(昭和28年)、ホッパ車が制定された。石炭車の設計流用によらない日本の砕石・鉱石用ホッパ車は国鉄ホキ2500形が最初であるといわれています。
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