観光列車から! 日々利用の乗り物まで

日記代わりに始めました。
まずは先日の小旅行での観光列車から出張利用の乗り物まで。

転車台 津山の扇形機関庫

2011-12-25 13:10:59 | 乗り物(鉄道:船:飛行機:バスなどなど)

転車台は、ターンテーブルともよばれ、車両の方向を変えるための機械です。一般に地上におかれています。
 鉄道用の転車台は、主に片側にしか運転台がない車両や、バック運転では性能が限られている車両を載せて回転させて、車両の向きを進行方向に向けるために用いられます。一般に蒸気機関車の方向転換に用いるものとして知られており、蒸気機関車の全盛期には各地の車両基地や拠点駅・起終点駅に必ず設けられていたが、蒸気機関車が廃止され、方向転換の必要がない電気機関車やディーゼル機関車などが増加するにつれ不要となり撤去され、あまり見られなくなってきました。撤去されないまま放置されていた転車台が蒸気機関車の復活運転用として整備され、再使用されている例もあります。また電車や気動車に改造を施す際、車両の方向転換を行うことがあるため、工場や車両基地などでは必要最小限の転車台が現在でも使用され、また旭川運転所のように移転後に新たに設置される事例もあります。
 
 
機関車の車両基地においては、転車台の周囲から放射状に線路を伸ばし、その先に機関車の車庫や修理・点検設備として用いる扇形庫を設置した例が広く見られます。これも蒸気機関車の時代には広く見られた設備であったが、転車台自体の減少もあって残存しているものは少ない。
 
転車台の上に架線を張ることが難しいため、通常転車台は電気推進の車両には用いられない。電気機関車や電車の方向転換を行う必要がある場合は、他の動力車を用いるなどして転車台に出し入れする必要があります。ただし、東海道本線電化時の浜松機関区のように、スペースの問題からどうしても扇形庫に電気機関車を留置せざるを得なくなり、くもの巣状の架線を転車台上空に張り巡らせて電気機関車の自走を可能にした例があります。
 
転車台は、取っ手を人間が手で押して回転させるものと、電動機や蒸気圧などによる動力で回転させるものがあります。
 
構造は転車台は、レールとそれを支えて回転する部分(主桁)と、回転させるための土台になる部分(転車台坑、ピット)からなります。
 
主桁上にあるレールの高さを転車台周囲のレールと揃える必要性があるため、転車台坑は周辺の地面より掘り下げられている。転車台坑中心には主桁の回転中心となる中央支承があり、外側には円形にレールが敷かれて、主桁の重量の一部を負担しつつその回転を案内する。
 
主桁は、構造的にはガーダー橋と全く同一であり、このため鉄道橋の一部として取り扱われることがあります。
 
主桁に対するレールの配置により上路式(デッキガーダー橋)と下路式(スルーガーダー橋)が存在する。上路式ではレールを桁材の上に配置するのに対し、下路式では桁材の間の横梁の上に設置する。このため、下路式では桁に対してレール面を低く設定でき、転車台坑を浅くすることができる。転車台坑が深いと建設工事の費用がかさむ上に雨水の排水の問題もあるため、転車台坑の面では下路式の方が上路式に比べて優れています。
 
一方、下路式では桁の間にレールを敷くため、転車台を使用する車両の最大横幅(車両限界)以上に桁の間隔を広く取らなければ車両と桁が抵触してしまう。桁の間隔を広くするとその分横梁の構造も頑丈に作る必要があり、結果として主桁は大型化し主桁の製作に費用がかさむため、この面では上路式の方が優れています。


 
日本で実際に用いられたものは上路式の方が圧倒的に多いが、下路式のものも存在していまし。
 
また主桁の設計としては、バランスト形と三点支持形が存在します。
 
バランスト形では車両が上に載っていない時は、主桁は中央支承のみで支えられ、周囲の円形レールと主桁端の車輪は接触せず浮いている。車両が転車台に進入すると、その重みにより主桁が下がり円形レールと桁端車輪が接触して重量を負担するようになります。しかし、車両の重心がちょうど転車台の回転中心に一致する位置に車両を停めると、再び中央支承のみで重量を支えるようになり、この状態で回転させる。この方式では、桁端車輪の分の摩擦がないため転車台を軽く回すことができ、動力式でも小さな動力のもので回転させることができます。
 
一方、三点支持形では常に円形レールと桁端車輪が接触しており、回転する時にも重量を負担しているため、抵抗が大きく大きな動力を必要とする。
 
ただし、バランスト形では車両の重心位置を回転中心に揃えて停車させることが難しいという問題がある。例えば、C62形の場合、炭水車に一杯に石炭と水を搭載している状態ならば第一従輪の上あたりに重心があるため、日本国有鉄道(国鉄)の大きな機関区や駅で標準的に用いられていた直径20mの転車台でも重心位置をきちんと揃えて回転させることができました。しかし石炭や水を消費した状態では重心が前に移動し、重心から炭水車後端車輪までの長さが11mを超えて、バランスをとった状態で回転させることが不可能となる。バランスの崩れた状態では、バランスト形の転車台は三点支持形のものより回転抵抗が大きくなります。この問題の対策として新設計の24m転車台が登場したが、既存の転車台の改修には転車台坑の拡大を中心に多大な費用を要するためあまり広まらなかった。このため、後年三点支持形に改造したものが現れています。

 

運転台が1箇所に設けてある鉄道車両(特に蒸気機関車およびEF55形などの片運転台型機関車)や自動車の場合、運転台を進行方向に向ける際に必要な設備です。

写真は津山の扇形機関庫にある転車台です。
津山の扇形機関庫は、昭和11年(1936年)に建設されました。全国でも現存している扇形機関庫はわずか13ケ所、県内ではここだけです。
 津山駅には今となっては貴重となった扇形機関庫・転車台ともに現役施設として残っており、岡山県教育委員会が選定した「岡山県の近代化遺産」、社団法人 土木学会が選定した「日本の近代土木遺産」、経済産業省が選定した「近代化産業遺産」、及びJR西日本が選定した「登録鉄道文化財」にも選ばれています。
 また津山と鳥取を結ぶJR因美線の美作河井駅には、明治期に外国から輸入され、国内に現存する転車台の中でも最古級の可能性がある転車台が残っており、津山の扇形機関車庫と同じく経済産業省が選定した「近代化産業遺産」、及びJR西日本が選定した「登録鉄道文化財」にも選定されています。
 奥行22.1mで17線あり、京都の梅小路に次ぐ全国でも2番目の大きさです。車輌の方向転換をするための転車台は、昭和5年(1930年)に設置され、現在も使用されています。


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