近江鉄道100形電車は、近江鉄道の通勤形電車である。水色を基調とした車体色から「湖風号(うみかぜごう)」の愛称を有する。
2009年(平成21年)以降に西武鉄道より譲り受けた新101系電車車両を自社彦根工場にて改造、モハ100形-モハ1100形として導入した。また100形という形式はもと岳南鉄道1100形電車であるモハ100形に続く二代目となる。
導入に際して、900形同様、ワンマン運転対応改造のほか、行先表示器の発光ダイオード (LED) 化、扉の開閉時に鳴動するドアチャイムの新設バリアフリー対応改造などが施工された。
900形とは違う点として、側面にローマ字入りLED行先表示器を新設しているほか、車内の運賃表示器が当時一部の近江鉄道バスで既に導入されていた液晶ディスプレイになった点が挙げられる。つり革の黄色塗装化および優先席のクロスシート化は施行されていない。
車体塗装は琵琶湖をイメージした水色(オリエントブルー)に白帯を巻いたカラーリングとなっている。また近江鉄道は車体色と合わせて,滋賀県東部を走る鉄道会社として県内全域に親しみを持ってもらうことを目指しているという。
主要機器は西武時代と大きな変化はない。特に900形が空気制動を従来のHSC電磁直通ブレーキから近江電鉄の他車に合わせたHRD-1電気指令ブレーキへ改造したのに対し、100形はHSC電磁直通ブレーキのままである。
101編成は2013年(平成25年)12月27日に近江八幡駅にて出発式が執り行われ、近江八幡 - 八日市間にて運行された臨時快速列車への充当をもって運用を開始した。
臨時列車運転終了後は彦根駅に隣接する「近江鉄道ミュージアム」において12月21日・22日の2日間一般公開され運転士の習熟運転で試運転を重ねた後、12月27日より通常の営業列車として、全線で運用を開始した。2014年(平成26年)3月8日には近江鉄道多賀線開業100周年記念の臨時列車で運用されている。また、102編成以降は出発式は行われずに運用を開始している。
製造所 東急車輛製造
主要諸元
編成 2両編成
軌間 1,067 mm(狭軌)
電気方式 直流1,500 V(架空電車線方式)
編成定員 114名
車両重量 40 t
全長 20,000 mm
全幅 2,881 mm
全高 4,246 mm
車体材質 普通鋼(全金属製)
台車 FS372
主電動機 直流直巻電動機
主電動機出力 150 kW(一時間定格)
搭載数 4基 / 両
駆動方式 中空軸平行カルダンたわみ板継手方式
制御装置 抵抗制御、直並列組合せ制御、弱め界磁制御
電動カム軸式間接自動制御
制動装置 HSC-D電磁直通ブレーキ
保安装置 自動列車停止装置 (ATS)
備考 各数値は近江鉄道公表のデータによる
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