前頭部先端には丸いカバーを装着している。この中には非常用の連結器が納められている。開発当初、このカバーは半透明のアクリル樹脂製で、前部標識灯(前灯)の漏れ光を光源にして光る構造となっており「光前頭」と呼ばれた。
試作車の段階では蛍光灯を埋め込み、両脇の前灯と共に光るようになっていた。だが、前灯に比べて照度が少なく、効果が余りないことから、0系からは蛍光灯が埋め込まれないようになった。当初はアクリル製であり、多少の透明度があった。両脇の前灯の光がもれ、あたかも光っているように見えた(実際は電球両脇の赤フィルタにより赤く光る)。特に夜ははっきりと見えた場合もあった。色は、写真によってグレーだったり肌色だったりする。
アクリル製は割れやすいため、3次車以降はFRP製になり、1次車のアクリル製もFRP製も交換された。アクリル製とFRP製の外観の違いは、アクリル製は何となく艶がある感じがあるのと、蓋に手掛けがないこと。
後に走行中の鳥との衝突で破損することから、丈夫なFRP製のものに変更され、不透明となったことで「光前頭」は廃止された。 この光前頭は、当時の鉄道模型や玩具でも、目立つギミックとして再現されていた。
FRP製の前頭覆は余り光って見えない。場合によって見える場合もあるが、目立たないことがほとんど。色は、やはりグレー、肌色とあったが、物によっては白く塗られたものもある。JR化後はほとんどが白く塗られた。一部にグレー(JR東海のH93編成など)や肌色(JR西日本のH73編成など)のものが残されていた場合もあったが。白は、車体色の白と揃えられ、ほとんど目立たなかった。だが、平成9年頃から、JR西日本車の光前頭が多少黄色みがかった色になった。以前の肌色に比べれば余り目立つものではないが。なぜこの色になったのかの理由は不明。また平成14年からの「こだま」新塗装では、初期に新塗装化されたものについては車体色と同じグレーに塗られた。
光前頭の内部には、連結器が上方に折り畳まれる形で格納されている。この連結器は密着式で、元来非常用のため、連結器機能のみで、電気連結器はないため総括制御は不可能である。ただ、昭和63年に一時期のみ行われたR51とR23の6両同士の併結運転では、総括制御するために電気連結器が設置されたものと思われる。
光前頭にはこれまで様々な文字や絵が描かれてきた。例)0系の現役車に付けられたもののみ)。
昭和47年1月 東京~岡山公式試運転 H19
昭和54年10月6・7日 新幹線記念号 K21,44
昭和59年9月8・9日 博多総合車両部公開(キン肉マン、博多祇園山笠、博多総合車両部開設10周年記念等)
昭和54年9月23日 いりゃあせ名古屋へ金しゃち号
昭和59年10月1日 新幹線20周年記念号 S86
昭和59年10月14・15日 新幹線20周年記念号(団体臨時)NH28
昭和60年3月10日 博多開業10周年記念号
昭和61年11月1日 ミニ新幹線大増発(広島車両所)
昭和62年4月1日 JR西日本発足(東海車・西日本車で何種類かあるらしい)
昭和63年3月 三河安城駅開業
平成2年4月1日 博多南線開業 R24
平成3年8月 博多総合車両所公開(ちびまる子ちゃん)
平成4年3月15日 山陽新幹線開業20年記念号(団体臨時)NH32
平成5年頃 博多総合車両所公開(美少女戦士セーラームーン)
平成9年4月6日 JR西日本10周年記念号(小倉~博多間運転)R22
平成10年頃 博多総合車両所公開(ポケットモンスター)
平成11年7~9月 JR東海0系引退 Yk8,29,41(営業運転),21-2014,22-2014(平成11年7月浜松工場公開展示)
平成13年3月16日 山陽新幹線開業30年記念号(団体臨時、岡山→新大阪) R31
平成17年3~4月 山陽新幹線博多開業30周年記念号(臨時、新大阪~博多間)R10、R18
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