長野の人里離れた山荘で1人で暮らす作家のツトム。山で採れた実やキノコ、畑で育てた
野菜などを料理して、四季の移り変わりを実感しながら執筆する日々を過ごしている。
そんな彼のもとには時折、担当編集者である歳の離れた恋人・真知子が東京から訪ねて
くる。2人にとって、旬の食材を料理して一緒に食べるのは格別な時間だ。悠々自適な
暮らしを送るツトムだったが、13年前に他界した妻の遺骨を墓に納めることができずにいた。
日々の丁寧な暮らしが描かれていて、観ていてその暮らしが愛おしくなるような気がした
編集者が来客した際に自然に出される「干し柿」と「抹茶」さりげなく飾られている季節の
草花・・・自分では出来ないけど憧れる、自然の中の丁寧な暮らし。 それだけで涙腺崩壊
毎日を「ありがたい」と思いたい、大切に生きたい。松 たか子さんの食べっぷりには敬服
いたしました、火野 正平さんはボソリと「昔の人はこんなに美味いもの食べてたんだな」
と、(来春私も試してみようかと思った)誰かに食べてもらうことは幸せな事なのだなと
今更ながら忘れ始めている自身の仕事にもう一度何とかしたいと思いが馳せて来ました
野菜の音が、たまらない!野菜を摘み、洗う、まな板の上で刻まれ、鍋の中に忘れかけて
いた記憶の中の"音"が、心地よく蘇ってきました。
そして・・・生きていくのも所詮、ひとり。死んでいくのも所詮、ひとり。他人との関わり
はあるけれど、他人の手をなるべく煩わせることなく。生きていれば、必ず死は訪れる。
だから、あるがままに生きるべし。身の丈にあった生き方をしていれば、飯も美味いし
生きているって思えることだろう。そんな、メッセージがあったと思います
鳥のさえずり、川のせせらぎ、米を研ぐ・炭が焼ける、漬物を咀嚼する、全てが心地よい
劇伴となりその豊かさを全身で感じさせて頂きました。 ☆☆☆☆