5,000年の眠りから目覚めた破壊神ブラックアダム(ドウェイン・ジョンソン)
かつて彼の息子は自らの命を犠牲にして父を守り、ブラックアダムの力はわが子の命と
引き換えに得られたものだった。息子を奪われた彼は復讐(ふくしゅう)のため現代の地球
で暴れ回り、強大な力を使って破壊行為を繰り返していた。そんな振る舞いを見かね
世界の平和を守るスーパーヒーロー軍団JSA(ジャスティス・ソサエティ・オブ・アメリカ)
が立ち上がる。
ブラックアダムのキャラクターが、「アンチヒーロー」とか「破壊神」といったキャッチ
フレーズとは随分と異なることに、まず驚く「復讐」ではなく、自由を抑圧された民衆の
「解放」こそが、アダムの行動原理なのであり、その点では、完全なヒーローなのである
そもそも、息子が殺されたのは、アダムがそのパワーを譲り受けたからであって、彼は
息子の遺志を引き継いでいるに過ぎない。(後半に明らかとなる、こうした複雑な事情も
宣伝とは随分と異なる。)そうしたこともあって、ブラックアダムとJSAの戦いからは
単純な勧善懲悪の価値観ではなく、MCUの「シビルウォー」のように「自由」を重ん
じるか「秩序」を重んじるかといった価値観の相克のようなものが感じられて、案外と
奥が深かった。その一方で、いつまでたっても誰が本当の敵なのかが?よく分からない
所は、物語が転がらない要因になって居たのでは無いだろうか?
最初はサブキャラと思われた人物が、実はラスボスであることが明らかになり、「えっ、
これで終わり?」と思わせておいて、最後にようやくとそのパワーを発揮するのですが
長らくの「強大な敵」の不在が、作品の中身を弱めてしまった感は否めない。
無敵キャラにドゥエインジョンソンあてたいのはわかるけど、彼の魅力は笑ってナンボ
だと思うんですが・・・少し勿体ないかな~ DC作品好きだから ☆☆☆★