今日のことあれこれと・・・

記念日や行事・歴史・人物など気の向くままに書いているだけですので、内容についての批難、中傷だけはご容赦ください。

足袋の日

2006-10-08 | 記念日
今日(10月8日)は「足袋の日」
日本足袋工業懇談会が1988(昭和63)年に制定。
10月は七五三・正月・成人式と、これから着物を着る機会が多くなるシーズンであり、末広がりで縁起の良い八日を「足袋(たび)の日」としたそうだ。
足袋とは、日本固有の伝統的な衣類で、足に履くものであり、この足袋は大きく分ける、座敷足袋(岡足袋)と地下足袋とに分かれる。座敷足袋(岡足袋)は、洋服のくつ下にあたる、足を覆い包む和装小物であり、日本の伝統的な履物である下駄雪駄などを履く際に用いられ、女性は白のキャラコが普通だが、家庭用は別珍、コール天などの色ものが使われ、特別注文では羽二重などの高級品もある。また、こはぜは3~4枚が一般的で、踊りなどで用いる場合は、5~6枚ものを別誂する。男性は白が礼装用で、黒や紺が普段用。昔はほとんどが皮製で、指先の割れていない形のものであったが、室町時代以降には現在の形になった。 又、地下足袋は、丈夫な生地で作られた本体にゴム底を貼り付けたもので、直接屋外で履く事ができるようにした足袋である。
足袋は日本固有の文化の中で進化してきた重要な衣類の一つであるが、応神天皇の時代に中国大陸から伝わってきた「襪(しとうず)」が元になっており、その襪は半長靴のように、指の股はあいておらず、原料は麻や絹が多く用いられていたようだ。鎌倉時代、武士が戦場で履くため、皮で作られ、先が2つに分かれたと言われている。 そして、江戸時代初期に起きた明暦の大火「振袖火事」(1657年)によって皮が品不足となり高騰したことから、木綿が使われたそうだ。《火消しの皮装束(皮羽織、皮足袋)を大量に作ったため皮が不足が起こったとも・・・》そして、、この木綿の足袋が、参勤交代の武士によって、全国に急速に広まっていった。この木綿製足袋の普及と同時に、紐止め式から現代の「こはぜ」と呼ばれるものになってゆき、この方式は江戸後期から明治前期にかけて普及した。
ちなみに、「タビ」という名称は、一重の皮から作られた「單皮(たんび)」からきたものであるともいわれている。
私達が若かった戦後間なし頃までは、着物を着る機会も多く、足袋を履くことも多かった。着物を着なくても服に下駄を履いたりしていたので足袋を履いていた。(戦後間無し頃、下駄の歯の長い書生下駄が流行っていた)。関西のものにとっては、足袋と言えば、福助の足袋である。この福助のルーツは、1882(明治15)年、大阪府堺区に誕生した足袋装束卸問屋「丸福」で、店主は辻本福松である。商標はその名にちなみ「丸福」とされた。現代の福助の商標はあの有名な「福助マーク」であることはよく知られている。社の歴史や商標のことなど詳しくは、以下参考の福助ホームページを見るとよいが、当時の丸福の商標が和歌山市の足袋店から、「先に商標を使っている」との理由で丸福の商標取り消しを訴えられ商標が、使えなくなり、困り果てていた時、福松の娘婿だった豊三郎が、吉例にしていた伊勢参りの際にふと立ち寄った古道具屋の奥で、裃に威厳を正した福助人形を発見し、その姿に胸を打たれた豊三郎は、「この福助人形が、我々を守ってくれる守護神になるに違いないとこれを新しい商標にしたそうだ。同ホームページではそれ以上の詳しい事は書かれていないのだが、この福助マークの「福助」のことは、以前、私のブログ今日(2月2日)は「二日灸,如月灸の日」でも触れたが、お灸に使う「もぐさ」は、滋賀県・伊吹山麓でとれる「伊吹もぐさ」が有名であるが、この伊吹山麓の柏原宿にもぐさ屋「亀屋佐京」(伊吹堂)があり、江戸後期に、その店に「福助」と言う名の番頭がいたそうだ。その番頭福助が、誰もが知っているあの大きな頭と、背の低いからだに裃(かみしも)の礼装をして、深々とおじぎする伏見人形で知られる「福助」で、これが、福助足袋(たび)の登録商標「福助」のモデルだと言われている。なんでも、この番頭の福助は正直一途で、感謝の心を忘れず、常に客に真心で接したため、商売は大いに繁盛したそうで、この話を伏見の人形屋が聞き、福を招く縁起物として売りだすと、大流行して、どの商店の店先にも飾られるようになったという。現在も、亀屋の店頭には150年続くという(現代のものは二代目)巨大な福助像が祀られているそうだ。この福助をモデルに作られた人形を豊三郎が、伊勢参りの際に立ち寄った古道具屋で見つけたのであろう。正にこの福助が災い転じて「福」としてくれたんだね。現代の福助たびの福助マークは時代の変遷とともにその容姿は大分変わってきている。
ゆうべみみずの 泣く声きいた あれはけらだよ おけらだよ
おけらなぜ泣くあんよがさむい 足袋がないから 泣くんだよ
おけらにあげよか 福助足袋を こはぜが光るよ ちょいとごらん
これは、福助CMソング。曲名は、「どなたになにを」。作詞は、サトーハチロー、作曲は、三木鶏朗。昔、よく聞いたよね~、面白い歌だと思ったら、作詞も作曲もたいした人達が作っている。懐かしいね~。
福助テーマソング は福助のホームページのここで聴けるよ ↓
http://www.fukuske.com/museum/song/index.html
足袋で関東の生産地では、埼玉県行田市が有名で、よく知られている老舗足袋メーカーに「きねや足袋」がある。
又、以下参考に記載の「履物系れとろ看板」には、懐かしい広告看板が見えられ、私のような骨董好きはこのような看板を見るとわくわくするが、足袋といっても、福助以外は、地下足袋の看板が多いね。地下足袋はゴム工業の会社が作っていた。この中に、「日本ゴム」や「アサヒ地下」 の看板がある。(現代のアサヒコーポレーション)。同社は、福岡県久留米市の家業の仕立物屋「志まや」を継いだ石橋正二郎 が業務の一部としていた足袋製造を専業とし「志まや足袋」を創業、この後、順調に事業を拡大し、1914(大正3)年に商標を「志まや足袋」から「アサヒ足袋」へと変更する頃には、先行する大手の足袋会社と肩を並べるほどに成長した。。1918(大正7)年には兄の二代目徳次郎を社長、正二郎を専務取締役として、「日本足袋株式会社」を設立(株式会社組織とする)。第一次世界大戦後の不況を新製品開発で乗り切ろうとした日本足袋は、ゴム底足袋の開発に着手し、1921(対象10)年には縫付け式地下足袋の工業生産に成功し発売を開始した。なんでも明治の中期には、丈夫な布で作った足袋にゴムの底を縫いつけたゴム底足袋が発明されていたが、発明から20年近く経った当時でもほとんど普及していなかったようである(特許を取得しているようであるが発明者、年代不明だそうだ)。しかし、まだ、商品の品質的には問題があったようだがこれを改良し、足袋の本体とゴム底を接着剤で貼り付ける製法を開発し、「張り付け式ゴム底足袋」の実用新案を取得。1923(大正13)年には「アサヒ地下足袋」の商標で同製品の発売を開始。発売後、地下足袋は急速に日本全国へと普及し、当時の労務者はわらじを履いて仕事をしていたらしいが、短期間で労務者の履物がわらじから地下足袋へと切り替わったという。この貼付け式地下足袋の大ヒットは、後に石橋財閥が形成されていく礎石となったようだ。1931(昭和6)年にはタイヤ部門が「ブリヂストン」として独立。1947(昭和22)年に日本ゴム株式会社と名称を変更し、「アサヒ靴」のブランドでゴム靴のトップメーカーになる。1988(昭和63)年には株式会社アサヒコーポレーションとなっている。
普段履きの足袋はというと、昔から「関東は紺キャラコ」「関西は黒繻子(くろしゅす)」などと言われていたようだが、確かに関西では、黒繻子の足袋が多かったが、黒繻子は、黒の光沢があり、私は、余り好きではなかった。それにキャラコのものより、値も高かったので、キャラコの足袋を履いていたな~。
ただ、昔子どもの頃、足袋を履くとき、洗濯した直後のものなど、綿ものだから凄く縮んでいて、なかなか「こはぜ」がはまらなかった記憶がある。あれは、縮んでいただけでなく、子どもが成長し大きくなってもお金がなくて足袋が買えず小さめのたびを履かされていたこともあっただろう。親指の先がよく破れていたものな~。
洋服生活が中心となった現代人にとって、いまや、着物を着るときやお祭りのときなどを除けば、ほとんど足袋に触れることもなく、あまり、馴染みのない履き物になってしまった。最近では若者や「ジャパニズム」が好きな外国人の間でルームシューズとして利用されたり、ジーンズにあわせてファッションの一部として履いたりするなど、モダンライフに取り入れられつつあるとも聞くが、履いてみるとなかなか気持ちのいいものだよ。履いた事のない人は一度試してみては・・・。
(画像は福助足袋の福助マーク。福助足袋HPより借用)
参考:
足袋 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%B6%B3%E8%A2%8B
Fukusuke(福助)ホームページ
http://www.fukusuke.co.jp/
文化史03 平安時代の服装
http://www.google.co.jp/search?hl=ja&q=%E5%B9%B3%E5%AE%89%E8%B2%B4%E6%97%8F%E3%80%80%E3%81%97%E3%81%A8%E3%81%86%E3%81%9A&btnG=Google+%E6%A4%9C%E7%B4%A2&lr=
今日(2月2日)は「二日灸,如月灸」の日
http://blog.goo.ne.jp/yousan02/e/570c251ded4f5d66e196038efd1ba873
足袋底
http://fpouch.fc2web.com/tabisoko.html
COMZINE by nttコムウェア
http://www.nttcom.co.jp/comzine/no017/long_seller/index.html
足袋 ・著者名: 島崎 藤村  (青空文庫)
http://www.aozora.gr.jp/cards/000158/card2374.html
履物系れとろ看板
http://www.retro-kanban.com/hakimono/
ブリヂストン- Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%96%E3%83%AA%E3%83%82%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%B3
足袋底
http://fpouch.fc2web.com/tabisoko.html