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一日一書 504 少年の日 4・佐藤春夫

2015-02-08 16:48:13 | 一日一書

 

佐藤春夫「少年の日」より

 

半紙

 

 

本文は以下の通り。

 

君は夜な夜な毛糸編む

銀の編み棒に編む糸は

かぐろなる糸あかき糸

そのラムプ敷き誰がものぞ。

 

 

これで「少年の日」全文を書き終わりましたが

やっぱり、「1」が抜群にいい。

書じゃなくて、詩が、です。

 

「野ゆき山ゆき海辺ゆき」の1行があってこそ

この詩は不滅の命を持ったといえるでしょう。

 

「ゆき」が三回繰り返されることで

自然のなかをさまよう少年がイメージされるのですが

その切迫したリズムが、

少年のこころの切ないまでの純情さを

見事に表現しています。

映像的であって、しかも音楽的。

 

極端なことを言えば

この詩は「1」だけでいいのであって

後は、付け足しみたいなものだと

ぼくは思っています。

 

 

 

 

 

 


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