はつ蝶のちいさくも物にまぎれざる
加舎白雄
半紙
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加舎白雄(1738~1791)は、江戸時代中期の俳人。
あまり知られていませんが、とてもよい句がたくさんあります。
「はつ蝶」は、多くはモンキチョウとのこと。
まだ枯葉の多い野原に、小さな蝶が「物にまぎれざる」という鮮明さで
ひらひら飛んでいる。
小さくても、確かな存在感は、象徴的。
おれが、おれがと、己を主張しなくても
地に足をつけて、しっかり生きているものは、
他にまぎれない存在感があるということでしょう。