夏目漱石『草枕』より
半紙
●
人の世を作つたものは神でもなければ鬼でもない。
矢張り向ふ三軒両隣にちらちらする唯(ただ)の人である。
唯の人が作つた人の世が住みにくいからとて、
越す國はあるまい。
あれば人でなしの國へ行く許(ばか)りだ。
人でなしの國は人の世より猶(なほ)住みにくからう。
●
ほんとに、「人の世」というものは住みにくい。
しかし「人でなしの國」というのは
いったいどんな国なのだろうか。
ひょっとして、今の我が国のことか?
夏目漱石『草枕』より
半紙
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人の世を作つたものは神でもなければ鬼でもない。
矢張り向ふ三軒両隣にちらちらする唯(ただ)の人である。
唯の人が作つた人の世が住みにくいからとて、
越す國はあるまい。
あれば人でなしの國へ行く許(ばか)りだ。
人でなしの國は人の世より猶(なほ)住みにくからう。
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ほんとに、「人の世」というものは住みにくい。
しかし「人でなしの國」というのは
いったいどんな国なのだろうか。
ひょっとして、今の我が国のことか?