真実を知りたい-NO2                  林 俊嶺

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虐待・虐殺

2008年01月14日 | 国際・政治

    アンボン島捕虜および労務者の虐待・虐殺-NO1
 
 泥沼の青春時代を送った著者禾晴道氏は「時の経過とともに、汚い戦争を
美化し、正当化しようとする意識的な動きすらでてきています。」と<海軍
特別警察隊-アンボン島BC級戦犯の手記-(太平出版社)>の中で警告し
ています。そして、誰も知らないようなインドネシアのバンダ海に浮かぶ
”けしつぶ”ほどの小さな島でも、日本軍による虐待・虐殺があったこと、
また、自ら関わったことを明らかにしつつ、その戦争体験を直視し、様々な
事実とその時々の心の内を正直に報告しています。
 私は、この著書から学ぶことがたくさんあったのですが、忘れてはならな
いと思うことのいくつかを書き出しておきたいと思います。
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 海軍特別警察隊(特警隊)へは、軍の宿舎とか食糧庫に侵入した現地人は
現地人警察で捕らえた者も送られてきていたし、特警隊でも捕らえていた。
各部隊でも連れてくるので、取り調べがたいへんだった。・・・
 
 考えてみれば、日本軍そのものが石油がないので石油資源のある南方地域
を占領しているのだから、この食糧どろぼうとは問題にならないほどの大ど
ろぼうとして侵入していたわけだった。その侵入者であり大どろぼうがわれ
われであることにはだれも気づいていなかった。・・・

 ある日、司令部の先任参謀から電話がかかってきた。
 「ジャワ島から来ている現地人の労務者(ジャワ苦力と呼ばれていた)が
 宿舎を離れて、焼跡の町なかや、部隊の兵舎のまわりをうろついている。
 食糧がほしいあまりに、兵器庫などに侵入されたり、どこに侵入するかわ
 からないので非常に危険になってきている。トラックをだして町中のやつ
 らをかたっぱしから捕らえて、分からないように処分せよ」。
 という命令だった。わたしもこの命令にはドキッとした。

 たしかに警備上からだけ考えれば、先任参謀のいうような危険は考えられ
ないことはないが、飢えて、病気になり、ふらついているかれらを虫けらの
ように殺すことができるだろうか。 
 人口過剰と食糧不足は、日本軍の侵入でジャワ島にも起きていた。 

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