きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「華麗なるクラシックバレエ・ハイライト」レニングラード国立バレエ

2007年08月05日 | バレエ・ダンス
 こうしてみると、シェスタコワ組はトップコンビを含む全ツで、ペレン組は2番手・3番手を投入した若手バウ、って振り分けですね。あちらはあちらで楽しみはあるけれど、プログラムとしてはこちらの方が見応えがあります。群舞もあるし。


「白鳥の湖」第1幕第2場より コシェレワ、シャドルーヒン、フィリモーノフ 他
 コシェレワは背中のラインがスッキリしたかしら?前が太っていたというわけでは全然ないんだけど。そのためか、腕の動きが、より繊細に見えました。新芸監の指導なのかしら?ちょびっとだけクナコワを思いだした。普通にしていると笑い顔になっちゃう彼女ですが、今回は終始憂い顔。表情にもすごく気を使っているんだね。
 シャドルーヒンはどこから見ても王子様だ。差し伸べられる腕が実に優雅。立っているだけで気品溢れるオーラ放出。この、「場を支配する」力ってのは、主役に求められるものなんですよね。コリパエフ君は、その辺、まだまだだな。比べるのは可哀想か。頭頂部がちょっとやばめながらも、ピシッと整えた金髪も、王子らしくっていいよね。
 フィリモーノフの出番はほんのわずか。これだけのためにあのメイク。それでも手を抜くことなく踊ってました。偉いわー。
 4羽の白鳥達は、キャスト表に名前がないからよくわからないわー。小さい方は、シシコワ。あと、金髪でちょっとふっくらしている人ってリヒテルだっけ?あと二人も見覚えはあるんだけどなー。ペレン組に比べますと、本役さんだけあって、ピシッと決まっています。ここまで揃ってくれなきゃね。大きい方は、エフセーエワ、ミリツェワ、ヴィジェニナと、もう一人。誰だっけかなー。こちらもソリスト達だけあって、優雅に美しく。マールイの全ツって、ほんと贅沢だよなー。エフセーエワは、いつもながら色が白い。
 群舞は18名。先頭&三角形の頂点はエゴロワさんだ。いつもこの位置。上がることもなければ下がることもない。どういう階級なんだろう。それにしてもここの群舞は気持ちいい。小さいハコなのにフォーメーションの流れが綺麗。

「海賊」エフセーエワ、ルダチェンコ
 ああ、
ルダコが
笑っているよ

虚ろな顔しか見たことないからさ。それだけで、こっちも嬉しいよ。胸の辺りとか腕のあたりとか、明らかに筋肉がついた(あくまでも当人比)。頭上高くエフセーエワを持ち上げた時にちょっと腕がブルブルしたけど、危なげはなかったぞ。やればできるじゃん!サポートも良くなったし、なにより、女性を見て踊っている。ああ、成長したねえ。もうちょっと筋肉はついてもいいぞ。頑張ってくれ。大きい舞台だとどうなんだろうなあ。これくらい小さい舞台だから合うのかなあ。新春がドキドキ。
 エフセーエワのチュチュは白。華やかだし、脚のラインも綺麗だぞ。立派なプリマだ。

「グラン・パ・クラシック」シェスタコワ、シヴァコフ
 衣装は去年と同じ。感想も同じかなあ。すごいことをたくさんやっているわりには、それが客席に伝わりにくいっていうか。二人とも、もっと自分をアピールしてもいいと思う。そういう演目だし。まあ、私の比較対象がプラテル&ニコラ君のせいもあるんだろうけど。

「騎兵隊の休息」ミリツェワ、マスロボエフ
 ほのぼのとした作品は二人に合う。ミリツェワちゃん可愛い マスロボエフの笑顔もいいぞ。細かいステップも楽々こなすお二人でした。

「白鳥の湖 より黒鳥」ヴィジェニナ、ルダチェンコ
 ヴィジェニナは、昨年は「美人」なだけ、で、ちょっとガックリでしたが、今年は違いましたよ!艶やかなオディールでした。ちゃんと役ができている。32回転の軸がずれていったけど、そんなことはどーでもいーのだ。大きい体を伸び伸びと動かしていました(あくまでも昨年比)。
 そして。ルダコ。2演目も踊るなんて!!!えらいぞ。体力は「ギリギリ間に合った」ってとこかしら?ボリュームのないマッシュルームカットは、これまた70年代風。団内で流行っているの?シャドルーヒンに比べると足りない部分はまだまだあるけれど、やっぱこのビジュアルは貴重だよねえ。

「ワルプルギスの夜」エフセーエワ、シャドルーヒン、フィリモーノフ
 昨年にもあったアクロバティック要素満載の作品。3人の息が合わないと大変なことになりそうね。1度、リフトがヤバくなりかけたけど、気合いで持ちこたえましたエフセーエワ&シャドルーヒン。ガラ向きの作品だね。楽しいね。フィリモーノフは、踊りだけでなく、体格にも安心感を感じます。この演目では特に。

「エスメラルダ」シェスタコワ、シヴァコフ、他
 本邦初公開の「エスメラルダ」。ここで披露される場面はフェブとその婚約者フルール・ド・リースとの婚礼式だそうだ。音楽的にそれほど盛り上がらないし、超絶技巧があるわけでもないので、トリに持って来るにはちょっと地味だったかなあ。でもDVDも出たし。いつも「パキータ」でもアレだしね。ま、いいかね。内容なんか知らなくても、二人が一度引っ込んだ後は、絶対出てくると思ったミリツェワ&コシェレワ。どの作品でも、こういう使われ方なんだよなあ。でも安心感があるしな。コシェレワは、白鳥の時は「このまま陽性の部分が無くなったらどうしよう」とちょっと心配したけど、杞憂だったようで。明るく生き生きと踊っていましたよ。


今年の夏も、ツアーご苦労様でした。
新春ツアーでまた会いましょう。
コメント
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