きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「こうもり」エシナ&クルラーエフ&ルグリ/ウィーン国立バレエ団 

2012年04月30日 | バレエ・ダンス
正直なところ、新国の方が好みだな。

エシナは、立っているぶんには
脚のラインは美しいんだけど
踊り出すと表情が無くなる。
上体が優美なぶん、余計脚の無表情さが目立つ。
プティ作品にしては脚のアクセントが足りない。
草刈さんより足りない。
最初から一貫して美人過ぎるのも、どうなのか。
彼女自身の演技なのか、
演出家の指示なのかはわからないけど。
前に見たフェリや湯川さんは、
もとの美人さはあったにしても
冒頭は「主婦」で、
夫が妻を顧みないのも説得力があった。
でもエシナは最初から魅力的すぎるので
この「妻」に無関心なヨハンって
ダメダメすぎるんじゃー。
それに、変身後も同じぐらい美しいと
話自体に説得力がないしなー。
メリハリ無く美しいってのはなー。
踊りは、、、どうなんでしょうか。
破綻はないと思うけど、
出産後で身体のライン崩れまくりだったフェリの方が
「物語」はよく見えたよ。

クルラーエフは長身で、
長い手足も綺麗に伸びていた。
開脚ジャンプが中心を起点に同角度でなく
どちらかの脚(左だっけか?)が下がり気味なのは
振付なのか、彼自身のチャームポイントなのか。
もともと自分勝手な浮気男で共感しにくい役なのに
最初から妻が普通に美人なので
身勝手さが倍増して見えた。
「それが男ってもんなんだよ」みたいな説得力はない。
こういう役より、素直に王子系の方が合いそう。

ルグリは芸達者。
というか、ひとりだけレベルが違った。
素晴らしい舞台を見られるのは嬉しいけど、
全体的にはアンバランスな気もした。
いわゆる古典の王子なら
「ゲスト主役」で一番上手くても良いけど
この位置の役の人がこのレベルなのはなあ、、、
と思わなくもない。
興行的には、そうでないと厳しいんだろけど。
彼の表現力が豊かなぶん、
他のメンバーの「薄さ」が際だった。

マキシムの場面も、「本場!」と思って
すごく期待していたぶん、少々肩すかし。
もっと黒燕尾服ウハウハーー!になると思っていたけど
あっさりだったなあ。
日本人だけの新国の方がウハウハ度が高かった。
なんでだろう。

なんかねー、全体的に薄味なんだよね。
悪くないけど、見た「満足感」に欠けるというか。
時々ピリリ、ぐらいでもいいから
もうちょっと味付けが欲しいかなあ。


見ていて思ったんだけど、
「ウィンナー・ガラ」は
各部冒頭を同じにするのなら
どこかに、単純なワルツ(生オケ付き)を
入れれば良かったのに。
せっかくの「ウィンナー」なんだから。
男性は黒燕尾服で女性はドレスでさ。
この全幕を見たあとにガラを思い直すと
ルグリはここをパリ・オペ化したいのかな。
まあ、パリ・オペから芸監を迎えるってのは
そういうことなんだろうけど。
なんか、特色に欠けるんだよね。
ロシア系が多いから、ってことだけではなく。



【配役等】
ベラ:オルガ・エシナ
ヨハン:キリル・クルラーエフ
ウルリック:マニュエル・ルグリ
メイド:マルタ・ドラスティコワ
グランカフェのギャルソン:
 ダヴィデ・ダト、マーチン・デンプス、ドゥミトル・タラン
チャルダッシュ:木本全優
看守:ガーボア・オーベルエッガー

他、ウィーン国立バレエ団


指揮:ペーター・エルンスト・ラッセン
演奏:東京シティ・フィルハーモニック管弦楽団

振付・演出:ローラン・プティ
音楽:ヨハン・シュトラウスⅡ世(ダグラス・ギャムリー編曲)
舞台美術:ジャン=ミッシェル・ウィルモット
衣裳:ルイザ・スピナテッリ
装置制作・照明:ジャン=ミッシェル・デジレ
振付指導:ルイジ・ボニーノ、ジャン・フィリップ・アルノー
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

上野東照宮ぼたん苑

2012年04月30日 | 旅行(お散歩・遠征含む)
バレエの前にサクッと見て来よう!
と思い立ち行ってきました。

想像以上にたくさん咲いていました。

























私は白or黄色が好きかな~
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イナムラショウゾウのケーキ

2012年04月30日 | 美味しいもの
以前わが部の次長が
「行ったことはないけど
 絶対に食べたいケーキ!!」
と熱く語っていたお店です。
先日友人が行ったと聞き、
東京文化会館に行く前に寄れそう!
と、これまた突然思い立ちました。

鶯谷駅下車で、お店に寄って、上野公園、は
意外と簡単なルートでした。
今度また行こう!

今回買ったのは季節限定の「利休」と
定番らしい「上野の山のモンブラン」。


利休は、外側は抹茶ムース、中はミルクムースかな。

口に入れると、スーーーーっと消えていきます。
フワフワで軽い食感でした。
甘さ抑えめでさっぱりです。
(おじさんが届けてくれるケーキがこれならなあ・・・)

モンブランは、重量感たっぷり。

ずっしり来ます。
しっかりした甘さで大満足。

次長に自慢するために
焼き菓子セットを会社の土産用に買いました。
次はチョコのお店の方に行くぞー!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「カエル少年失踪殺人事件」

2012年04月30日 | 映画
1991年。韓国の大邱近郊・トアプ山のある麓の村で
「カエル取りに行く」と家を出た5人の少年が行方不明になった。
警察や家族は大捜索をするがみつからない。
営利誘拐に備え、家族の家の電話には録音機が取り付けられた。

ソウルの大手TV局のプロデューサーは
手がけたドキュメンタリー番組がやらせだったのを上層部が知り、
大邱に左遷させられる。
起死回生のためにプロデューサーは少年達の失踪事件を追う。
さまざまな説が出る中、心理学者の教授のコメントに興味を持つ。
教授はこの日の選挙の投票に子供達の親を行かせないため、
子供達を失踪させた者がいると言う。
取材に行ったプロデューサーは、教授から
録音された親の電話応対の中に不自然な会話がある。
その親こそ犯人ではないかと思うと聞かされる。
警察に掛け合い、プロデューサーは
その親の家の捜索をさせるのだが
子供達の死体は出てこなかった。

それから11年後。
子供達の遺体が発見される。
子供達の遺骨には致命傷となる傷跡があった。


韓国で実際に起こった未解決事件の映画化。
おもに2つのパートから成り立っています。
前半は、TVマンと教授が利己心のために回りを巻き込む。
警察への働きかけなど、
外堀を埋めていく過程は一種の心理戦。
己の高名のために、いかに周囲を巻き込んでいくか。
傲慢な気持ちがベースだけど
そのための作業過程は面白かった。
人は、自分が思う「真実」のためなら
「事実」を曲解して受け止めるんだな。
「事実はひとつで、人と同じ数だけ真実がある」
と行ったのは入野さんだっけかなあ。


後半はシリアルキラー登場で
少々陳腐な展開。
真実が判明していない事件を扱って、
映画としてのオチはあれ以外ないだろうけど
でももうちょっと工夫が欲しかったかな。
しかし、犯人役の表情は狂気をはらんで
とても良かった。


なんだか前後編がうまく繋がらないなー、
と思ってみていたら
最後の、母親の言葉に全てが集約された。
  風化させたくない。
  それだけが願い。
  そのためなら・・・、
の言葉に泣いてしまった。
実在に事件を映画なんて、
と思ったときもあったけど
この気持ちを世界に伝えるのなら
映画化の意義はあるんだろうな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする