きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「第13回 世界バレエフェスティバル」ガラ

2012年08月16日 | バレエ・ダンス
記憶のある内にサクサク書くぞー!
とりあえず勢いだけで書くので
勘違い・誤字脱字はご容赦ください。
追記があったら後日!

オープニングロールで
「第5部 ???」と出た。


■第1部■
「眠れる森の美女」
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
オレシア・ノヴィコワ、レオニード・サラファーノフ

衣装も古典版だし、
振付もかなり原典に準拠。
意外と見やすいとも思うし、
これぐらいの変更なら古典のままでいいんじゃない?
という気もする。
作品としての完成度は見えないけど
ダンサー二人の躍りはとても丁寧で
ハッピーエンドの甘い雰囲気があった。
アダージオの途中でノヴィコワの髪飾りが落ちてしまったけど
気にせず踊り続け、アダージオ後の挨拶の時に
サラファーノフがさりげなく拾い
袖に行くノヴィコワに手渡していました。
自然な動作と気遣いがいいな~、と思いました。
ノヴィコワはそのあと髪飾りは付けてなかったけど
キラキラなオーラがあったので
黒髪だけの状態でも美しかったです。

「水に流して...」
振付:イヴァン・ファヴィエ/音楽:シャルル・デュモン(作曲)、ミシェル・ヴォケール(作詞)、エディット・ピアフ(歌)
アニエス・ルテステュ、ステファン・ビュリョン

前回はアニエスとジョゼで二人が別れた後だったので
なんだか微妙な気持ちがしましたが
今回は若いカップルが和解したな~、
ってのが見えてほのぼの。
おさげのアニエスが可愛かった。

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ウリヤーナ・ロパートキナ、マルセロ・ゴメス

Bプロと同じ演目だけど
綺麗だからいいんじゃない?
ロパートキナも美しいけど
ゴメスの動き(サポートも含め)も美しい。

「雨」
振付:アナベル・ロペス・オチョア/音楽:ヨハン・S.バッハ
ヤーナ・サレンコ、ダニール・シムキン

しとしと降る雨ではなく
もっと強い雨だったかな。
雨粒が跳ねているようだった。
二人の身体能力に合っているせいか、
思っていたより良かった。

「カルメン」
振付:ローラン・プティ/音楽:ジョルジュ・ビゼー
ポリーナ・セミオノワ、イーゴリ・ゼレンスキー

これまた色気無しのカルメンに
偉そうなホセだけど、
ゼレンスキーのこの踊りが見られただけで
私は大満足だよ。
彼の大ファンってワケじゃ全然無いんだけど
やっぱねー。この世代は別格なのよねー。


■第2部■
「愛と死」
振付:モーリス・ベジャール/音楽:グスタフ・マーラー
カテリーナ・シャルキナ、オスカー・シャコン

Bプロより好きかも。
すごくベジャールだわ。

「海賊」
振付:マリウス・プティパ、音楽:リッカルド・ドリゴ
上野水香、マシュー・ゴールディング

会場の拍手は少なめだったけど
普通に良かったと思う。
水香ちゃんの衣装は赤いハイウェスト、
マチューは白のパンツで
見た目がちぐはぐな気もしたけど
二人とも綺麗に踊っていたし
水香ちゃんのコーダの回転も決まっていた。

「ネフェス」 (「ホワイト・シャドウ」より)
振付:パトリック・ド・バナ/音楽:アルマン・アマー
マニュエル・ルグリ、パトリック・ド・バナ

スカートのように見える黒いダボパンに
上半身裸の二人は基本的に常に同じ動き。
明らかにダンサーとしてのレベルが違うのに
踊っちゃうバナって、なんだかなんだか。
そもそもバナがガラ出演ってどうなのよ、って思ったけど
そういえば「ルグリ枠」って前にもあったな。ユレルとか。
まあ、ルグリが舞台の上で動いてくれるだけでありがたや、ということね。

「感覚の解剖学」
振付:ウェイン・マグレガー/音楽:マーク = アンソニー・ターネイジ
オレリー・デュポン、ジョシュア・オファルト

オファルトの髪が短くなっていて
とてもビックリだった。
東京は暑かったの?
タイトルからハズレなコンテかしら?と思ったら
普通にキリアン・フォーサイスの亜流でした。
まあ、面白かったよ。

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
マリア・アイシュヴァルト、マライン・ラドメーカー

もんのすごく情熱的だった。
あんなにキスする作品だっけ?
Bプロ組とはまるで別世界。
滾る情熱で、見ているだけで体温が上がりそうだった。


■第3部■
「白鳥の湖」 第2幕より
振付:マリウス・プティパ、レフ・イワーノフ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ディアナ・ヴィシニョーワ ウラジーミル・マラーホフ
東京バレエ団

アダージオだけでなく、東バの4羽&3羽の白鳥込み。
正直なところ群舞が無くても良かったかも。
東バ版は忙しないし。
「ル・パルク」では良いと思った二人だけど
今回はヴィシニョーワが濃すぎた。
旬のダンサーと、そうじゃない人の組合わせだから?
マラーホフの王子はもう一度見られて嬉しいというか
過去を封印したかったというか。
う~ん・・・・・・・。

「モノ・リサ」
振付:イツィク・ガリリ/音楽:トーマス・ヘフス
ポリーナ・セミオノワ、フリーデマン・フォーゲル

これもあきらかに「イン・ザ・ミドル・・・」系なんだけど
すっごく!良かった!!
ポリーナちゃんはこれ系の方が断然いいわ!
フォーゲルもキレキレな動きでした。

「ヴェニスの謝肉祭」("サタネラ"パ・ド・ドゥ)
振付:マリウス・プティパ/音楽:チェーザレ・プーニ
エフゲーニャ・オブラスツォーワ、マチュー・ガニオ

うーーん、、、
なんだか二人の動きが合っていないような気がする。
エスプリ漂うパリオペの貴公子に
技術バリバリのロシアダンサー。
単独で見るとイイんだけど、
この演目を二人で、は、イマイチな気がした。

「トリスタンとイゾルデ」
振付:クシシュトフ・パストール/音楽:リヒャルト・ワーグナー
スヴェトラーナ・ザハロワ、アンドレイ・メルクーリエフ

素晴らしく美しい世界だった。
物語の登場人物が舞台で息づいていた。


■第4部■
「マルグリットとアルマン」より"田舎で"
振付:フレデリック・アシュトン/音楽:フランツ・リスト
タマラ・ロホ、スティーヴン・マックレー
高岸直樹

悪くはないんだけどなあ・・・。
ちょっと長かったし、
高岸さんは若すぎるし・・・。
情熱的な若者と年上な恋人はいいんだけど、
ロホはこの版にはあんまり合っていないかなあ。
体型だけじゃなく。

「シンデレラ物語」より
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン

幸せ・ラブラブな世界だった。
二人が作る世界はいいなあ。
ブシェが純白なんだよなあ。

「マノン」より"寝室のパ・ド・ドゥ"
振付:ケネス・マクミラン/音楽:ジュール・マスネ
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー

ちょっと小悪魔なコジョカル、
魅了されちゃうコボー、
もう言うことないっす。ブラボー!

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ナターリヤ・オシポワ、イワン・ワシーリエフ

最終日のトリにふさわしい二人の踊りでした。
オシポワはダブル連発!


二人のカーテンコールが終わった後、
東京フィルがエンディング曲を弾き始め・・・
たら、
NBSの高橋さんが出てきて、
演奏はここまでで結構です、
続きは3年後に、と演奏をさえぎり、
指揮者、オーケストラに盛大な拍手。
続いて高橋さんよりファニーガラの演目と出演者発表。
そして・・・

「オネーギン」
ベッドでごろごろする金髪おさげのタチアナ(ゴメス)。
鏡を見ようとするが、汚れていたので
掃除のおばさん(オーレリ)に磨いて、と指示。
おばさん、無表情で(顔はマスクで隠しているんだけど
淡々としすぎているのがすごくいいんだわ)
おばさんが鏡を吹いている間
タチアナは手紙を書く。
今時の子なのでiPadに猛烈なスピードで打ち込むのさ!
そして鏡の向こうからは筋肉モリモリ(肉布団などで補強)な
もう一人のタチアナ(ラドメイカー)登場。
そしてオネーギン(アイシュヴァルト)も登場し
三つ巴も踊りが繰り広げられる。
さらには、マラーホフの王子の衣装を着たレンスキー
(困りメイク眉を描き込んだオブラスツォーワ)が出てくるも、
あっさり掃除のおばさんに撃ち殺される

「ラ・シルフィード」(明るい小川?)
ヒゲをつけたキルト衣装のコジョカルと
シルフィードなコボー。
楽しそうだな、コボー。
最後にワシリエフが上野で買った私物の服(→ これ)を着込んで通りすぎました。

「居酒屋 間呑(マノン)」
下手のベッドに横たわるはゴージャスな衣装を着込んだマラーホフ。
上手には居酒屋のセットがあり
男達(ロホ、サレンコ、アイシュヴァルト、ノヴィコワ 、オブラスツォーワ)が
たむろしている。
マラーホフがひとしきり美しいポワントの踊りを披露し
ゴージャスな衣装を脱いだら
その下はシンプルなゴールドのドレスでした。
腕の肉が・・・
背中の肉が・・・
そのドレスで居酒屋入店。ビールを飲み出す。

そこに次々客がやってくる。
 ・ライモンダ(メルクーリエフ)
 ・バヤデール壷の踊り(オファルト、フォーゲル、マチュー)
  *センターが誰かはわかりません。ごめんなさい。
 ・孫悟空(シムキン)
  ドラゴンボールの孫悟空のコスプレ(→ これ)をして
  ブロンズ像の踊りをアクロバッティックに踊った後、
  カメハメ波を放ちました
 ・キトリ(ワシーリエフ)
  カスタネットの踊りの場面。
  男性客(女性ダンサー)が
  ベッドのシーツをはぎ取って揺らしてました
 ・ニキヤ(ゴメス)
  花かごの踊り。
  蛇じゃなくワニ(のぬいぐるみ)に噛みつかれ
  豪快に反撃してました。
  毒の中和剤としてビールをもらい一気飲み。
  花かごを渡したのは、
  バヤ振付指導のオルガ先生らしい。

最近はすべり気味だったファニーガラですが
今回はしっかりした脚本があったようなかんじで
かなり作り込んできました。
ファニーガラ要員が減ってきてどうなることかと思いましたが
メルクーリエフが腕を上げてきたし
ゴメスが全体を引っ張っているし
他のメンバーもノリノリだし
とても盛り上がりました。
ルグリはもう参加しないのねー。


ラストは蛍の光が流れる中、
「3年後の2015年に会いましょう」の看板が出て
金色の紙吹雪が振ってきて終了でした。



指揮:ワレリー・オブジャニコフ
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団、

ピアノ:金子三勇士(「マルグリットとアルマン」)、橋望(「椿姫」)


タイムテーブル
■第1部■ 17:00~17:50
<休憩15分>
■第2部■ 18:05~19:05
<休憩20分>
■第3部■ 19:25~20:15
<休憩15分>
■第4部、第5部■ 20:30~22:15
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「画皮 あやかしの恋」

2012年08月16日 | 映画
将軍・王生が遠征中に、
謎めいた美女・小唯を蛮族から救い
家に連れ帰る。
王生の妻・佩蓉に、妹のように使える小唯。

彼女が来た頃から街に夜な夜な妖魔・小易が現れ
人の心臓を抉り取っていた。

そんなとき、佩蓉の元恋人・龐勇が
街に帰ってくる。
降魔師の夏冰は龐勇と共に妖魔を探す。


ドニー出演作。
お金がかかった米映画を見た後だと
画面に奥行きはないけど
それゆえの美しさはある。
その中に美男美女が入り乱れ
恋の駆け引き・争いがあり、
痛快ワイヤーアクションも繰り広げられる。
微妙な特撮も白塗りメイクも
すべてをひっくるめ、
これぞ中華映画!って一品で
とても面白かったです。

そもそもは小唯の横恋慕から始まる話なんだけど。
ジョウ・シュンは美しく、
あるときは健気、あるときは強い意志の瞳、
あるときは儚げ、あるときは禍々しい、
実に摩訶不思議な雰囲気のありました。
「美しい妖魔」にぴったり。
佩蓉を追い詰めながらも、
彼女が望むのは「王夫人」という正妻の立場。
王生の傍らに「正式な立場」で寄り添いたいという願望は
単純な愛より、もっともっと彼を愛しているから。
だからこそ、恐い存在でありながらも
純粋な愛なんだなー、というのが伝わってきます。
その立場は、妖術では得られないんだよね。
愛しながらも、簡単に妖術で惑わすことはない。
それは王生の、心の底からの愛を得たいからなんだろうなあ。
物語終盤までは、なんで小唯の正体に
誰も気が付かないのよ、キーーーーッ!
ってギリギリしてましたが
彼女の最後はとても切なかったなあ・・・。

ヴィッキー・チャオは
片平なぎさだけじゃなく
もう一人誰かに似てると思ったんだけど
誰なんだっけなー。
奥様のお綺麗な衣装がとても似合っています。
妖魔と約束なんかしちゃうけど
それはすぐ破られるに決まっているじゃーーん!
と、ドキドキしちゃったよ。
白塗りメイクでも可愛いよ。

二人の女から愛される王生役のチェン・クンは
それが納得のハンサムでした。
あれなら妖魔も惚れるってばさー。
小唯への告白はマジ?
そういう気持ちも確かにあったってこと?
うきーーー!

スン・リーもチー・ユーウーも可愛かった。

で、ドニーですよ。
撮影が2008年らしく、
確かに顔が若々しい!
これでもか、というぐらいのワイヤーアクションは
見ているだけでワクワクものです。
かつての恋人、かつての弟分のために戦う
義に熱い男でした。


見逃さなくて良かったわー!


主な配役
小唯:ジョウ・シュン
佩蓉:ヴィッキー・チャオ
王生:チェン・クン
夏冰:スン・リー
小易:チー・ユーウー
龐勇:ドニー・イェン
コメント (4)
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「ぼくたちのムッシュ・ラザール」

2012年08月16日 | 映画
モントリオールの小学校で若い女性教師が教室で自殺した。
動揺する子供、親、教師達。

自分がお役に立てるなら、
と、アルジェリアから移住してきた男性が
履歴書を持って学校に来た。
アルジェリアでの教師歴は20年。

採用された男性はフランス語(日本だと国語?)教師として
子供達と向き合う。

しかし、実は彼は・・・


人は弱く、ささいとも思えることでも死に向かう。
子供であっても、その責任を感じることがある。

子供であれ、大人であれ、
悲しみや苦しみを乗り越えるには
目をつぶってやり過ごすのだけではなく
無かったことにするだけではなく、
直視することも時には必要。

子供のささいな嘘は大人を傷つける。
彼がああいうふうに言っちゃったのも
すごくわかる。

ムッシュ・ラザールは
亡くなった妻の意思を引き継いだ、
というより、
なんというのかな、
妻の仕事をして、妻の存在を感じたかったのかな。

ラストがどうなるかがハッキリ書かれないけれど
それはそれでいいかな。

ムッシュ・ラザールが生徒をキュッと抱きしめていた。
彼の生徒への愛情を強く感じた。
彼は子供を愛することに向き合えたんだな。

クラスの子供達は個性的で
でも、どこにでもいる子たちで。
シモンは攻撃的で繊細で。
最後の感情の吐露に泣ける。

アリスは可愛かったな~


ムッシュ・ラザールは革靴で雪道を歩いていた。
私はあんなにサクサク歩けない。
アルジェリア出身の彼があんなに軽く歩けるところに
ケベック滞在の日々を感じた。

カナダは移民を受け入れる傾向にあるとはいえ
モントリオールにアルジェリア人が行くのは
フランス語圏だからなのかな。
フランスより条件がいいのかな。
コメント
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