きんちゃんの観劇記(ネタバレだよ)

思いつくまま、適当に。

「第13回 世界バレエフェスティバル」Bプロ

2012年08月14日 | バレエ・ダンス
■第1部■ 
「チャイコフスキー・パ・ド・ドゥ」
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ポリーナ・セミオノワ、フリーデマン・フォーゲル

二人ともそつなく踊っていて
どこが悪い、というところはないんだけど
キラキラ感が無いかなー。
バランシンはこうじゃないと思うけど
二人にとってはすでに「古典」なんだろうなあ。
以前もそんなことを感じたけど。

「パルジファル」  
振付:モーリス・ベジャール/音楽:リヒャルト・ワーグナー
カテリーナ・シャルキナ、オスカー・シャコン

ベジャールの「言語」が懐かしかった。
懐かしい、で、いいのかなあ。
現在進行形で続けていくのは難しいんだろうなあ。
こうして若手が踊り継ぐのが大事なんだろうなあ。
影の使い方(発想)が、やっぱりすごいなあ、と思う。

「タイス」(「マ・パヴロワ」より)
振付:ローラン・プティ/音楽:ジュール・マスネ
上野水香、マシュー・ゴールディング

牧時代はプティ作品を踊っていたし
手足が長いから期待していたんだけど
水香ちゃんは全く駄目だった。
音楽性皆無だった。
ここまで音が響かないとはなあ。
Aプロのパキパキした踊りは良かったけど
こういうふうに柔らかくふんわりは合わないのかなあ。
私の基本がカルフーニなのもまずいんだろうけど
それにしても酷すぎた。
開催者枠ならユカリューシャでもいいのになあ・・・。
水香ちゃんがこうなので、
マシューも見せ場無し。
申し訳ない。

「エフィ」
振付:マルコ・ゲッケ/音楽:ジョニー・キャッシュ
マライン・ラドメーカー

「モペイ」系の、ブルブル動く系の踊り。
悪くはないけど、Aプロで似た系統を見たこともあり
せっかくのバレフェスなんだから
ラドメーカーはもっと違う作品にして欲しかったなあ。

「ライモンダ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:アレクサンドル・グラズノフ
タマラ・ロホ、スティーヴン・マックレー

ロホは大きめのスカートのブルーのチュチュ。
マックレーは時々青光りするタキシードに蝶ネクタイ。
(おかげでウヴァーロフの幻影は出現しなかった)
衣装も踊りもガラ仕様で、とにかく回る回る。
それでいて気品も維持。
お祭り面と芸術面を上手く両立させて、とても良かった。
今回はこの二人がイイよね!!!


■第2部■ 
「ロミオとジュリエット」より第1幕のパ・ド・ドゥ
振付:ケネス・マクミラン/音楽:セルゲイ・プロコフィエフ
アリーナ・コジョカル、ヨハン・コボー

とにかくラブラブモードでした。
コボーのマント使いは上手い。

「ウィズアウト・ワーズ」
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:フランツ・シューベルト
オレシア・ノヴィコワ、レオニード・サラファーノフ

Aプロでは「ナチョ作品は私には合わないなー」と思っていたけど
これはそれなりに楽しめた。
動き自体はそれほど目新しくないし
衣装も今更な肌色だけど、
旬のダンサーが踊れば魅力的と思わせられるのかな。

「椿姫」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:フレデリック・ショパン
アニエス・ルテステュ、ステファン・ビュリョン

いまいちかなー。
ビュリョンが若すぎるのか、
踊りの「段取り」があまりにも見えすぎた。

「ラ・シルフィード」第2幕より
振付:ピエール・ラコット/音楽:ジャン=マドレーヌ・シュナイツホーファー
エフゲーニャ・オブラスツォーワ、マチュー・ガニオ
東京バレエ団

ビュリョンを見た後だと、
マチュー君はさすがに踏んできた場数が違うなー、
って印象が強い。
よくここまで成長したなー、って気持ちと
あなたの年齢の時に××(デュポン、イレール、ルグリなど)は、
って気持ちがグルグルする。
とりあえず、やっぱりスタイルはいいのかな。
オブラスツォーワはコケティッシュで
ふんわり飛んでいて、とても妖精っぽい。
ソリスト3名は、奈良さん、高木さん、田中さん、だと思います。


■第3部■ 
「マーラー交響曲第5番」より"アダージェット" 
振付:ジョン・ノイマイヤー/音楽:グスタフ・マーラー
エレーヌ・ブシェ、ティアゴ・ボァディン

私、この曲は大嫌いなんだけどーー!!
それでも、とてもとても白くて美しい世界だった。
堪能しました。

「シェエラザード」 
振付:ミハイル・フォーキン/音楽:ニコライ・リムスキー=コルサコフ
ポリーナ・セミオノワ、イーゴリ・ゼレンスキー

コシェレワなんて目じゃないくらい、
ポリーナちゃんはエロ度ゼロ。
ゼレンスキーは奴隷なのに貫禄タップリ。
でも、いいのだ。
ゼレンスキーの肌が白いなあ。

「アザー・ダンス」
振付:ジェローム・ロビンズ/音楽:フレデリック・ショパン
オレリー・デュポン、ジョシュア・オファルト

これもなあ・・・
オファルトのキャリアじゃ厳しかったな。

「海賊」
振付:マリウス・プティパ/音楽:リッカルド・ドリゴ
ナターリヤ・オシポワ、イワン・ワシーリエフ

湧かせてくれました!
ガツンガツンと豪快に回って跳んでですが、
ボリショイの格も損なうことはありませんでした。
(今の所属はちがうけどね)
二人とも余裕タップリで踊りまくり!!


■第4部■ 
「ル・パルク」
振付:アンジュラン・プレルジョカージュ/音楽:ヴォルフガング・A.モーツァルト
ディアナ・ヴィシニョーワ、ウラジーミル・マラーホフ

以前見たときは生臭くてヴィシが毒婦にしか見えなかった。
今回は充分に官能的ではあるんだけど
肉体が求め合うのは魂が求め合う結果なんだなあ、と思った。
全幕を見たときに感じた
「全ての装飾を削げ落とした
 とってもシンプルな『愛』」を感じた。
このダンサー二人の関係性も、
新たなステージに入ったようにも思った。
マラーホフはAプロ初日に比べると
だいぶ身体が絞れた気がする。

「コール・ペルドゥート」  
振付:ナチョ・ドゥアト/音楽:マリア・デル・マール・ボネット
スヴェトラーナ・ザハロワ、アンドレイ・メルクーリエフ

スパニッシュというよりはアラビアンな音楽で
ザハロワは長いスカートを翻して踊る。
これはとても面白かった!
ナチョが良いんではなく、ザハロワが良すぎるんだと思う。
メルクーリエフのサポートも良かった。

「ジュエルズ」より"ダイヤモンド"
振付:ジョージ・バランシン/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
ウリヤーナ・ロパートキナ、マルセロ・ゴメス

今まで見てきたロパのダイヤモンドは、
至高の輝きで、それは孤高でもあり、
鉱石らしい、ある種の冷たさもはらんでいたんだけど、
ゴメスと組んだ今日は、
なんだか甘やかな恋人たちの踊りのようだった。
こうも変わるんだなあ。

「オネーギン」より第3幕のパ・ド・ドゥ
振付:ジョン・クランコ/音楽:ピョートル・I.チャイコフスキー
マリア・アイシュヴァルト、マニュエル・ルグリ

短い時間でも、実にドラマティックだった。
他のパリオペ2組には
「振付」である部分が見えすぎたけど
ルグリは演技の中にすべてが内包されていた。
オネーギンという人だから、
このシチュエーションだから、
こう動く、その流れがとても自然だった。
アイシュヴァルトも、
タチアナが誘惑を我慢して、流されて、拒絶する、
その心の動きが熱く伝わってきた。

ルグリのオネーギンを見るのは、
もしかしてこれが最後かも。
そう思うと、違う涙が・・・。

「ドン・キホーテ」
振付:マリウス・プティパ/音楽:レオン・ミンクス
ヤーナ・サレンコ、ダニール・シムキン

シムキンくんは頑張っているし好感が持てるし、
キャリアも長いはずなんだけど
なんでだか時々「経験値不足」が見えちゃうんだなあ。
なんでだろうなあ。
サービス精神たっぷりなイワンくんの後だと
物足りなく感じちゃうんだよなー。
逆にサレンコはキメキメで攻めてきて
トリにふさわしい踊りだった。
4回転も入っていたかな。

カーテンコールでは恒例の手ぬぐい捲き。
マラーホフとコボーは、みんなが投げているとき大量キープ。
一段落ついたところで投げてました。
そんなに注目されたいんか、君らw
二人してツーカーで話していて
なんだかファニーガラはこの二人が仕切るのかしら
なんて思ったりー。
投げ終わったイワン君が前方に向かって思いっきりジャンプしてきたり
皆さん楽しんでました。
幕が閉まる寸前にマラーホフがヴィシに一本渡し、
ヴィシが最後の一投でした。


全体的にAプロより楽しかった。
それだけに疲労も激しかった・・・。

今回のオケは悪過ぎだった。
金管がやばすぎ。
かますのは良くあるけど(あっちゃいけないけど)
音程を外すのはダメだろうーーー!
ガラで持ち直してくれるといいんだけど。
ピアノも、私でさえわかるミスタッチがあった。
演奏会じゃなく、
ダンサーに合わせての演奏だから
難しいとは思うんだけどね。


指揮:ワレリー・オブジャニコフ  
管弦楽:東京フィルハーモニー交響楽団 
 
ピアノ:橋 望 (「椿姫」「アザー・ダンス」「ル・パルク」)


タイムテーブル
■第1部■ 18:00~18:55
<休憩15分>
■第2部■ 19:10~20:05
<休憩15分>
■第3部■ 20:20~21:20
<休憩15分>
■第4部■ 21:35~22:30
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「アベンジャーズ」

2012年08月14日 | 映画
アメコミヒーローが一堂に会した作品。

私はしっかり見たのは「キャプテン・アメリカ」だけで、
あとは映画館でそれぞれの予告を見たぐらいだけど
話は充分にわかりました。

いろんな能力を持つヒーロー達が集まり
最初は反発し合い、
その後、お互いを認め合って、
共通の敵と戦う。
王道すぎるストーリーですが
登場人物の魅力もあり
ダレることなく、最後まで一気に見ちゃいます。

このテの話にしては、
仲間集めにそれほど時間を取っていないので
サクサク先に進むのがいいね。
オールスターゲームだけど、
皆さんにそれぞれに見せ場があります。
女スパイなんか、宇宙人侵略に対して
なんの戦力になる?と思っていたけど
ちゃんと理由がありましたよ!

前半の「仲間割れ」の場面、
もー、みんなして古傷を抉りあって、痛いのなんの。
年を重ねると、いろんな過去があるよねえ。
それを乗り越えて協力しあう仲間。いいねえ。

ただヒーロー集結がメインのネタなので
敵がちょっとショボいかも。
それは、まあ、ご愛敬で。


これの前に見た「トータル・リコール」は
技術面が良くても、その他がダメダメだった。
こちらは、言ってしまえば
「陳腐なストーリー」ではあるんだけど
キャラクター達の魅力と
どこを観客に伝えたいかがハッキリしているので
見ていてとてもワクワクしました!
宣伝文句じゃないけど、
「映画を見た!」って痛快感があります。

さすがに、それぞれの作品で主役を張ってきた役者が揃うと
画面に充実感?っていうのかな、
とにかく力のある絵に仕上がっています。

ヒーロー達も良かったけど、
ロキもイイ味だったわ~。
お間抜けさんだけど、
いろいろやらかしたけど、
憎めない子なのよね~。
中の人は、「戦火の馬」ではスケッチを遺した気品有る大尉さん、
「ミッドナイト・イン・パリ」ではフィッツジェラルドと
いろんな役を演じているんですね。
この作品の冒頭ではルジを思い出したわ。


それにしても、スタークさん、可愛いなあ。
ちょっぴり腹が出た中年のヒゲが
なんでこんなに可愛いのかしら!!
「アイアンマン」をどこかで見ないと!!

スカヨハは色っぽいけど
「強いお姉さん」の部分が強くて
良い使い方だと思った。


エンディングロールの途中に1シーン来るので
歌パートになるまでは席にいてね。
追記
私は次の用事があるので出ちゃいましたが
歌パートの後に、さらになにかあるようですYO!

3Dじゃなくてもいいかもだけど、
映画館では見て欲しいな。


週替わりでもらえる3D眼鏡。

今週は「キャプテン・アメリカ」でした。
この形だと(普通の)眼鏡の上に乗せるのは無理でしたので
持参した3D眼鏡で見ました。
眼鏡っ子に優しくないTOHO。


アイアンマンのシルエットが
ワイルドタイガーに似てるかも、
と思ったのは内緒だ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「トータル・リコール」

2012年08月14日 | 映画
シュワちゃん版が好きだったので
予告を見る限りではハズレだと思いつつ
そのハズレ加減を確かめに行ってきましたが、
はっきり言って、つまらなかったです。

「ブレードランナー」な街並みに
「フィフスエレメント」のような交通システムに
「スター・ウォーズ」の帝国軍兵士がうろちょろしている。
それでいて富裕層が暮らす家はどえらくチープ。
最新CGとか映像美とか言われているようだけど
もとの発想がショボイと
いかなる技術をもってしても
良い映像は生まれないだわな。

別に元の映画と同じにしろとは言わないけれど
明らかにグレードダウンした内容。
 ・記憶操作
 ・二人の女との三角関係
ってネタをいただいてきたくらいで、
とにかく必死に追いかけっこをしていたなあ。
俗にハリウッドはカーチェイスとラブシーンがないと
予算がつかないと言われるぐらいだから、
好きなんだろうなアメリカ人は、カーチェイスが。
そこに向けて作ったのかも。
カーチェイスはお休みタイムの私には
とても退屈だった。

暗い画面が多いので、女が出てきても
偽妻の方か恋人の方か区別がつきにくい。
髪の色は変えて欲しかったなあ。

SFネタとしてはいまさら感があるので
かなり脳内補完はできるけど、
それでもフォール(?)については説明不足過ぎ。
あのシャトルを壊せばすべて終了でOKなの?
簡単すぎない?

あと気になったのは富裕層が住むブリテンと
労働者(下層階級)が住むオーストラリアの街並みが
殆ど同じに見えた。
なんで明らかに変えてくれないのかなあ。
話の説得力がまるでなくなるじゃん。
途中で予算が尽きたのかなあ。

それと、これは言っても仕方がないんだろうけど。
「大逆転」の展開が甘いんじゃないかなあ。
真実は「自分」から告げて欲しかった。
凶悪な顔の自分と向き合うのが良かったのに。
「『中』の小さな人」がいないのも不満。
あの人があんなにあっさりはなかろう、と。

コリン君は悪くはないけど
シュワちゃんはほどの華は無いなー。
ベッキンセイルに無駄にアクションがあるけど
頑張っているな~、としか・・・。
ジェシカ・ビールは地味。


気になるから、見たこと自体は後悔してません。
けど、前作が好きな人にはお勧めできないね。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする