長らく隠忍自重し校務に専念しつつある時、私かに私淑する言葉を想起した。そは小学唱歌の名和長年の名文である。「船坂山と杉坂を身跡慕いて院の庄、微忠をいかで示さんと、桜の幹に十字の詩、天勾践を空しゅうする勿れ、時に范蠡無きにしも非ず」である。今衆知を集め輿望を担い、是に正に出帆せんとする心境である。臥薪嘗胆も良いところであったものの、校内外の危急を、多くの教職員の協心勠力で乗り切らざるを得ない時期に逢着せりと言うのが、実際の現状である。誰か憂うるべからざらめや!である。此処に於いて、真に学校を思いその将来を展望する時、為すべき事由と事柄は、自ずと感得せざるうを得まい。sustainnable developmentこそが現在近未来の、重且つ大のテーマであろう。推されての進退は正に天命と言わざるを得ず、爰に微力を顧みず一大決心を公の発展に託す、正にその志は悍なりと言うべし!