もう12日ばかりで今月文月は通り過ぎ、明後日は大暑で夏の土用も此の季節に入る。そんな季節でありながら、まだ梅雨も明けず。季節感が薄れて、日本列島の味が出て来ない。こんな不定・不順な天気だと、人間も駄目になってしまうかも知れないなと思われる。自然と共にこの国の文学も、こんな状態では、埋もれて今後生まれ来ないかも知れない。元々、自然文学の情景描写やそこに発生する象形や「ロマン、侘び、寂び」などは、今後は消滅して、人間の性格が矢鱈に物理科学的にのみ先行し、ぶつかり合いなどを繰り返す事になるかも知れない。味気ない地球人だらけとなり得よう。日本の文月、そんな意味で来月の葉月と同様、人の心のゆとりを回復させる、絶好の夏の憩いの機会であるであろうに! と思う。明日は都内の旧料亭で、一族での歓談の集会日である。楽しみや期待で、喜びが時を刻むに従い大きくなってくる。