昨日が立冬であった。午前中余りの上天気なので、寝具一式など干して午後2時過ぎに家内と一緒に、久し振りのデパートへこの冬向けの買い物に出掛けた。ダウンの掻い巻き、家内の冬靴、寝間着2組、それに頂いた金色のボールペン芯の入れ替え6組等々、夕方迄掛かってしまった。でも久し振りの二人でのデパートでの買い物、めまぐるしかったがとても楽しかった。メイがただ一人で淋しかったであろう。立冬は冬の気が立ち初めるとあるが、今朝の寒さは14℃で確かに寒かった。70年前の今日は、陸士合格の身で、この11月3日は航空科関係の入学であった。私共は、地上謂わば兵科関係であった為に、来年4月の入学(四月陸士採用教育総監)と電報に明示されていた。その為、この5ヶ月間を有為に過ごそうと種々思案した結果、当時小学校の先生の不足の由をうかがい、恩師の根岸武夫先生に相談し、陸士入校前の短期間先生として勤務したい旨お願いした。幸運にも母校不動岡小学校に先生の欠員があり、願ったり叶ったりぴったり丁度に、正に教員として直ぐさま勤務が決まった次第である。その出勤日が70年前の11月8日今日であったのである。全身全霊を打ち込んで母校小学校の児童の教育に精魂を傾けた事は、言うまでも無く楽しく本当に遣り甲斐のある教員の聖職であった。勤務して4年生を受け持った。弟妹の児童が可愛くて堪らなかった。当時は戦時中の為物資は豊かでなく児童達は清貧に甘んじていたようである。だが先生の私は朝早く出勤し、夕方遅く迄児童と行動を共にして小学校教育を一緒に楽しんだものである。その後入校が早目に変更決定して、翌年2月11日、陸軍将校唯一揺籃の陸士に勇躍入校、晴れて皇国陸軍の将校生徒となったのである。