2月後半の土日に、ロンボク島の北にある小さな島、ギリ・メノ島とギリ・トラワンガン島へ現地の若者を連れてスタディツアー(ごみの調査)に出かけました。
Yui-Tool mengajak muda-mudi di Lombok ke Gili Meno & Gili Trawangan untuk belajar tentang sampah.
一緒に行ったのは、ゆいツールメンバーのティアさん(Mbak Jenithia)とラフマンくん(Mas Rahman)、ティアさんの友達のスシさん(Mbak Susi)、ラフマンのくんの友達のジュアンダくん(Mas Juanda)、それから日本語を勉強中のエノンくん(Mas Enong)とタルミジくん(Mas Tarmiji)。
ギリ・メノには、DIANA Bungalow(ディアナ・バンガロー)を経営するご夫婦(奥さんが日本人)がおり、増え続けるごみの問題に胸を痛めている、という話を知り合いから聞いて、訪れてみることにしました。
宿泊したバンガロー。シンプルで素敵でした。(ただ、ギリ・メノは水道水が塩水というのが困りもの)
併せて、昨年6月に訪れたギリ・トラワンガン島のごみ処分場の様子も見に行きました。
ギリ・メノでは、バンガローを経営するご夫婦のご家族や従業員の方などを集めて、ごみについて考えるプログラムを実施しました。
ついでに、クラフトづくりも少しだけ体験してもらいました。プラスチック袋の再利用、という新しい視点に、住民のみなさんは興味津々でした。ギリは、ギリ・メノとギリ・トラワンガンの他に、ギリ・アイルという島もあって、その3つが仲良く並んで海に浮かんでいます。
ギリに住んでいる人は、生粋のロンボク人ではなくて、おじいさんくらいの代に他の島からギリに移り住んで来た人が多いようです。
ロンボク島というと、そのギリ島しか行ったことがない、という観光客も多いと言います。というのも、となりのバリ島から船が出ていて、ロンボク本島には行かずにギリ島だけでとんぼ返りで帰ってしまうことが多いからです。
ギリ・メノは比較的静かな観光地ですが、トラワンガンはがちゃがちゃとにぎやかな(インドネシア人がほとんどいない)観光地です。
さてそんなギリですが、小さな島だけにごみの問題も深刻そうです。
ごみ探しにでかけると、こんなものがありました。
いらなくなったサンダルの再利用。面白いですね。
それから、ごみを燃やしている人に出会いました。
施設はお粗末でしたが、なぜごみを燃やしているか尋ねてみると、家の土台などで使うブロックに灰を混ぜるためだ、という答えでした。
(後ろ姿の青いTシャツの男性にインタビューをしました。)
燃やしたあとの灰。
煙の害が心配でしたが、ごみの再利用という意味で、一緒に行った若者たちは感心した様子でした。
翌日、ギリ・トラワンガンに渡って、廃品業者がごみを集めている場所を見ました。
観光地なだけに、ペットボトルの量がとても多いです。
これらは毎日大量に島の外に運び出されている様子。(昨年浜辺で見た光景)
でも、他のごみは?生ごみをコンポストにしょうという動きもあるようですが、今回は確認できませんでした。
もう一か所、ごみの処分場(集積場)へ若者たちを連れて行きました。
やっぱり牛さんが食事をしていました。
さまざまなごみが積み重なっている中にずんずん進んでいきます。ふと振り返ると、メンバーの半分がいません。
あとで聞くと、「さっきウジ虫を見ちゃってさ。僕、へびとウジ虫はだめなんだ。吐きそうになった」と言っていました。怖気づいたのは男の子ばかり。
今回はごみを捨てている人がいたので、インタビューをしてみました。
どこからごみを運んでいますか?「ホテル(宿泊所)とか店とかだね」
この仕事をしてもうどれくらいですか?「13年だよ」
前はどこにごみを捨てていたんですか?「あっちだよ。今はバンガローが建っているところ」
あの建物の下にごみがあるんですか?「そうだよ。ここも、乾季になると燃やしてかさを減らすんだ」
ごみの量は1日どれくらい?「1台のチドモ(馬車)で9往復して、9台がごみを集めてるよ。」81馬車も!?
この島に遊びに来ている観光客は、こんなゴミ捨て場の存在を知らずに海辺ではしゃいでいますが、知らず知らずのうちにごみの上に建ったバンガローに宿泊しているのかもしれません。
連れて行った若者たちには、「この光景はギリ・トラワンガンだけのものじゃないよ。ロンボク本島のごみ捨て場も同じだよ」と話をしました。
自分たちが捨てているごみがどこに行っているのか。若者たちはスタディツアーの中で現実を知ることができました。
今、世界の海を汚しているプラスチックごみの中で、2番目に多いのはインドネシアからのごみだそうです。
⇒「海へ投棄され流れ出るプラスチックごみが世界的な問題となっている中、インドネシアが海へ排出しているプラスチックごみは年間322万トン。882万トンを排出する中国に次いで世界第2位となっている。」じゃかるた新聞(2015年11月7日)
それはそうだろう、と現地を知る者としては納得がいきます。国民の誰も、自分が捨てているプラスチックごみの行方について関心を持っていないのだから。
むしろ、積極的に川にごみを捨てているのだから。
私は、インドネシアでごみを集めている貧しい人や彼らからごみを買っている廃品業者を見かけると、ありがとう!と駆け寄りたくなります。
彼ら以外に、ごみに関心を持つ人がいないから。
今は、ごみ銀行(廃品をお金と交換するシステム)という仕組みが広がりつつありますが、ロンボクではまだまだ数が足りません。
(ティアさんとゆいツールで協働運営しているウダヤナごみ銀行について)
ゆいツールはこれから現地で、すでにあるごみ銀行と協力しながら、もっともっとごみ銀行を増やす活動を行う予定です。
(山)
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2016年3月13日に、東京都目黒区にてロンボクのお話イベントを行います。
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ギリ・メノの海