ゆいツールブログ:NPO法人ゆいツール開発工房(ラボ)

人と人、人と自然、人と環境などを「結う(ゆう)」ということに関して、団体の活動やスタッフの思いなどを紹介していきます!

若者たちがコンポストづくりを指導!? in Lombok

2020年01月28日 | ★2019年度(ロンボク)

1月上旬に、東ロンボクのスンバルン地区で、ドゥルカディチームのメンバーが高倉式コンポストづくりを指導しました。

Tim Dulkadi telah mengajarkan cara membuat Kompos Takakura di Sembalun, Lombok Timur.

これは、ドゥルカディチーム(ゆいツールが育成している若者グループ)のメンバーのひとりがスンバルン在住で、彼の家でコンポスト作りをしよう、というのがそもそもの目的でした。

それで、せっかくなら農家仲間を誘ったら?ということで、数人の農民が集合してくれました。

ところでスンバルンは、標高1,000メートルの高地にあり、インドネシアにはめずらしく夜は冷え込みます。

乾季(毎年4月頃から10月頃まで)の間は水がなく、雨季(毎年11月頃から3月頃まで)の間は今度は害虫に悩まされるということでした。

害虫除去のために使っている農薬も、できれば使いたくないんだけどね、と農家の人は言っていました。

私たちは農業の指導に来たわけではないので、まずはそのことを伝えてから、ごみを減らすために「高倉式コンポスト」を勧めていること、台所の生ごみから肥料ができること、用途はいろいろ使えること(特に花や果物の木など)などを話しました。

まずは、肥料を作るベースに必要な発酵液の作り方を伝えます。

砂糖を入れる発酵液と、塩を入れる発酵液の2種類を作ります。

これは作ってから、最低3日置かないと使えません。

ということで、あらかじめチームメンバーのオパン(写真下、左)が作ってきた発酵液を使って、発酵床を作っていきます。

必要なものは、米ぬかと米がらと土です。

(ちなみに、上の写真の右の若者がチームメンバーのルスくんで、今回作ったコンポストの面倒を見ていきます。)

そこに2種類の発酵液を、水で薄めながら投入。かき混ぜます。

農家のみなさんは、熱心にメモをとりながら話を聞きます。

ドゥルカディチームのメンバーは、実はまだ誰も自分で作ったコンポストを使ってはいません。

でも、すでにクカイ・ブルスリごみ銀行のパイズルさんが、コンポストを野菜や植物に使って効果を実証しています。

「一番良い勉強法は、人に教えることである」と一般的に言われますが、ゆいツールが若者たちに「高倉式コンポスト」の作り方を人に教えられるようにしたかったのは、メソッドをきちんと理解させたかったから。

インドネシア人は、一回話を聞くと「あ、わかったわかった」「もう聞いた」と言います。

じゃあ、人に教えてごらん。自分で作ってごらん。と言うと、「あれ?どうだっけ?」となるのが常です。

人のやっていることを見て、コメントだけする人もよくいます。ネットで見た情報、聞きかじった情報を教えたがります。でも、自分では何もやっていない。

ゆいツールは、若者たちを「知識だけ持っていて人に教えたがる人」にしたいわけではありません。

自分でやって失敗したり、今まさに試していたり、自分で体験したことを自分のものにして、それを人に伝えて欲しいのです。

コンポストに発酵液を加えて、足りない水分を補った後、これくらいの湿り気がちょうどいいよ、と教えます。

 

ゆいツールはロンボクで、自分たちだけで落ちているごみを拾い集めて、島をきれいにしようとしているわけではありません。

コンポストをひとつふたつ作ったからと言って、急にごみが減るとも考えていません。

環境教育は、人を育てることです。ESD(Education fot Sustainable Development)は、未来を作る人づくりです。

「クリーンアップ活動」「エコワークショップ」「コンポストづくり」「ガーデンづくり」「植林活動」「教材を使った環境教育プログラム」・・・。

様々な手法を活用して、若者たちがロンボクで環境について考えることのできる人づくりをしていって欲しい、というのが、ゆいツールの願いです。

(山)

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