本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

「「社会を変える」お金の使い方」駒崎弘樹著

2011-01-21 03:21:01 | 本・雑誌、読書
NPO法人を立ち上げたいと思った時に、寄付でお金が集まらないかなあとはだいだい辿りつくものです。

社会の現状に不満を持っている多数の人の中で、何かやりたいと思っている人がいたら、たとえば労働は難しいけれどお金ならだせるという話はあると思います。

とはいいながら日本の中に寄付って何か胡散臭よねって雰囲気がありますよね。
この本の中でもやはり同じようなことが書いてあります。

でも世界的に、特に欧米を見れば企業や個人の寄付が(政府ではなく)民間が社会を変えるために使われており、日本もかつて明治維新を資金面から支えたり、いまでも社寺において普通に行われていると言われるとそうだったと「寄付」に対するイメージが変わります。

この本を手に取ったのは、社会に大きな不満を持つ者が政治には参画できないけれど、NPOなど自分では活動する余裕はないけれど、何かしたいと思った時に、社会活動をしている組織や個人を資金面から支えることはできるのではないか、日本でも自然に寄付ができる環境が作れるのではないかと考えていた時に、たまたまタイトルを目にしたから。
それも病児保育の活動で既に名前を知っていたNPO法人フローレンスの代表の方が書かれていたから。

仕組み作りで参考になるかなと思ったら具体的に参考になるところは少なかったですが(そういう本ではありませんでした・・あは!)、今後同じようなことを考える人が手元に置いて、モチベーション維持装置として時々読み返す本にしたらいいなと思いました。

涙腺の弱い私が電車の中で涙が出て困ったくらい好きなところがありまして、長いけれどそのまま引用しちゃいます。

著者曰く「生き馬の目を抜くビジネス業界でのし上がって、今は大金持ち」の社長さんの言葉です。
「(前略)余裕がないから、人には与えない。余裕ができたら、人に与えよう。こういうやつは、実はいつまでたっても与えることなんで、しないんだ。余裕なんて、いつまでたっても生まれない。年収300万円のやつは、年収500万円になるまで余裕がないと感じるし、年収500万円になったら、今度は隣の年収1000万円のやつが羨ましくなって、そうなるまで自分は一人前じゃないと感じる。1000万円になっても、子どもがまだ高校生でお金がかかるから、とか、老後が心配だから、とか・・・キリがねえ」
「違うんだ、逆なんだよ。与えることによって、俺たちは与えられるんだよ」
「ビジネスの根幹は、人に与えることだ。喜んでもらえるように、楽しんでもらえるように、助かったと言ってもらえるように。人が喜んでもらった結果として、売上がある。(後略)」
そのほか
自分の利益のために、与えるサービスは鬱陶しいし、お客さんに簡単に見破られる。
ビジネスの基本は『見返りを求めずに、まず与える』
とか、そして
見返りを求めずに与えることがなかなかできないから、練習する場所として寄付をする。
始めは小額から自分にとってちょっと痛いかなって思うようなお金を自分が好きな(本のなかでは「惚れた」と表現されてました)団体や人に寄付する。
ここでも何かを求めないそうです。

う~ん一部抜粋しても伝わらないですね。
そのほか「頭の良い奴は、自分の行動の一つ一つに投資効果を求める。・・・」というところもおもしろいんですが、ここもこの方の発言の全体を読まないと伝わらないです。

ちょっと気になった方は本を読んでみてください。
第2章にあります。


コメント
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