本と猫好きの日日社会メモ

本当の豊かさって何?などとたまに考えつつ、日日生活に流されながら、猫と戯れ本を読む・・そんな毎日を時々アップします。

イノベーションが起こらない風土

2011-01-30 22:30:50 | なるほど・備忘・お気に入り&その他雑感
日本の今の状況に、イノベーションを起こしていくことが必要だとよく聞きます。
そのためにイノベーションを起こせる人材を育てて・・という話もよく聞きます。

本を読みながらふとある場面を思い出して・・人材よりも・・とちょっと考えました。

本は昨日ブログに書いた「リスクに背を向ける日本人」

その第9章ジャパン・アズ・ナンバースリーのところ、ここはまとめの章なのですが、日本のビジネスが特殊という話について、アメリカ人のメアリーさんが

「ほかの条件が同じであれば、努力しないと理解しあえない日本人を相手にビジネスをするよりは、そんな努力をしなくても理解しあえる国の人たちを相手にビジネスをするほうが、よっぽど効率がいいと思いませんか?そして、こうした効率こそが、ビジネスの決め手なんだと思いませんか?
だから、日本的なやり方をするかどうかは、好きとか嫌いとかいう問題じゃないんです。ビジネスを効率的に進められるかどうかという問題なんです。私が日本経済の将来を心配するのは、こういった理由からです。
日本の企業は、グローバルなビジネス文化についてもっとちゃんと理解する必要があるんだと、私は思っています。そして、二十一世紀のグローバルなビジネス環境で成功するためには、このグローバルなビジネス文化に適応しないといけないんだ、と。」

これのメアリーさんの意見を読んでいて思い出した場面とは・・

ある人材育成のセミナーでした。九州を代表する企業のトップがお話をされ、ビジネスのグローバルな拡がりに対応するため、若手に国際感覚を身につけさせないといけない、海外に出さないといけないという話を熱く語っておられました。
この方のいろんな話の中でそこが印象に残ったので、質問タイムに「御社は若手を海外に出されていますか?」と尋ねてみました。
この企業、現時点、いえ当分の間、域内で十分にやっていける大企業です。そういう企業がどのように若手を海外と関わらせているのか、株主などにどのように説明されているのか、伺いたくて質問してみました。

ところが帰ってきた答えは「自社は海外とのかかわりがないので、いまのところ若手を海外に出してはいない・・」

つまらない質問をするな、講演の建前と現実は違う、分からない奴だという雰囲気でした。その時会場はスーツ組が多かったのですが、大物に向う見ずな質問をした空気を読めぬ奴的扱い。
自分もうすうすわかっていたことでしたので、やっぱりという気持ちでした。
もちろん自分がいい事を聞いたとも思っていません。

でもちょっと異質な意見でも、たとえ相手がどんなに社会的に偉いと言われる人でも、セミナーという場なんだから発展的に聞いて欲しい。
まず肩書きや場の雰囲気を読むことばかりを考えていたら、若い方がいい意見を持っていても出せない。
イノベーションなんて突拍子もないところから生まれるはずだから、いままでの考え方、やり方を当たり前と思っていたら、何も変わらないのでは?
イノベーションのためには、いえイノベーションに限らずこれからのビジネスにとって、人材育成も重要だけど、いままでのやり方を見直すことの方が重要な気がします。

そのためには自分の考え方、感じ方がこれでいいのかな、常識と思っていることが本当に常識なのかと常に考えておく必要があると思うのです。
そう言っても人は変えられませんので、少なくとも自分は気をつけようと思います・・・

最初に引用したメアリーさんの意見と少しずれてますが、なぜか思い出しましたし、変わらないといけないといいつつ、変わらないモノが多いのよね~とも思ったので・・

まあメアリーさんの意見も紹介したいなっていうのもあったし・・

ところで、かの企業さん、観光に関わりが深い企業さんなんですね。インバウンド観光の振興などと呼ばれる昨今、海外のことを知らずして何をか言わんと私は思うんですけどね・・ブログで負け惜しみ言ってもしょうがないですが・・


コメント
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