ヘルニアで入院している弟の手術が無事終わった。
先生が仰るには、
「大きなヘルニアがありましたので、取り除いておきましたが、何の問題もないですよ」
とのこと。手術が成功して本当にホッとした。
若いというのはすごい事で、麻酔から醒めるのも早い。
「手術、終わりましたよ」と看護師さんから声をかけて頂いて、10分足らずで目を覚ました弟は、最初は看護師さんの姿しか目に入らずにいたが、しばらくしてから私に気づき、「あっ、いたんだ!気付かなかった」と言った。そしてそれに続いて「ああ、タバコ吸いてぇ」と言った。
おそらく弟の本心であると思われるその言葉に私は「しょうがないねぇ」と笑ったが、その後、彼が言った、着けられた酸素マスクを指しての「ここからタバコの煙送ってくれない?」というおちゃらけた言葉には、明らかに私を和ませるための意図を感じて、切なくなった。
2歳ほどで母親に置き去りにされ、次いで姉である私たちに置いていかれ(私は彼が8歳の時に家を出、妹は彼が14歳の時に家を出た)、継母に育てられた彼。心おきなく甘えられる相手もおらず、しかし、中学、高校時代には、毎日のように私のところへ遊びにきていた、本当は甘えん坊の弟。
彼は次いで「痛ぇ...」と言ったあと、再び眠りに落ちていった。
その後も、弟がいるナースステーションの前にあるリカバー室には、ひっきりなしに看護師さんがやってくる。彼女らは、そのたび、患者である弟に優しく声をかけてくれたり、血圧や体温を測ったり、枕の高さを気遣ってくれたり...そのお仕事の神聖さ、現実としての大変さには本当に頭が下がる。しかし、その中にもちょっとした軽いお喋りなんかも入ったりして、ちょっと和む。
だが、ここのところどうも誤解が生じているようで問題でもあるのだ。
問題は...。今まで私が「自分にそっくりだ」と思っていた弟が、どうやら私に似ていないらしい、ということにある。
先日は手術を控えている弟に向かって、「よかったわね、T(弟)さん。彼女が応援にきてくれて!」と誤解した看護師さんがいたし、手術後は手術後で、私を「奥様!」と呼ぶ看護師さんが2人もいたしで、姉としては大変に困っているのだ。
なぜなら、看護師さんに不謹慎な思いを抱いているのは、本当は弟ではなく、実はこの私だからだ。
ここしばらく、彼女というものがいない弟の将来を心配する私としては、若い看護師さんたちの誰かと弟が恋に落ち(ラッキーなことにここの看護師さんはみんな若い!)、あわよくばお嫁さんになってくれたら...なんて、妄想を繰り広げまくっているわけだから(笑)、肝心の弟に彼女がいるとか、ましてや妻帯者などと誤解されては、困る!大変に困る!のだ。我が弟は決して不細工ではないし(それどころか男前)、姉二人にあーだこーだこき使われて生きてきたから、女性のニーズに敏感でもあるし、働き者だし...この夏、旦那候補NO1と言っても過言ではないのだから(爆)、私としてははやくすべての看護師さんに誤解を解いていただいて、「思わずお嫁に行きたくなるような、優しいお姉さん」に変身しなければならないわけだ。
でも...
本当は、自分で「似ている」と思っていた弟が、ことごとくどの方にも「似ていない」と言われたように、他人の目から見たら似ていないことがわかってショックだった、だけだったりして...(笑)
先生が仰るには、
「大きなヘルニアがありましたので、取り除いておきましたが、何の問題もないですよ」
とのこと。手術が成功して本当にホッとした。
若いというのはすごい事で、麻酔から醒めるのも早い。
「手術、終わりましたよ」と看護師さんから声をかけて頂いて、10分足らずで目を覚ました弟は、最初は看護師さんの姿しか目に入らずにいたが、しばらくしてから私に気づき、「あっ、いたんだ!気付かなかった」と言った。そしてそれに続いて「ああ、タバコ吸いてぇ」と言った。
おそらく弟の本心であると思われるその言葉に私は「しょうがないねぇ」と笑ったが、その後、彼が言った、着けられた酸素マスクを指しての「ここからタバコの煙送ってくれない?」というおちゃらけた言葉には、明らかに私を和ませるための意図を感じて、切なくなった。
2歳ほどで母親に置き去りにされ、次いで姉である私たちに置いていかれ(私は彼が8歳の時に家を出、妹は彼が14歳の時に家を出た)、継母に育てられた彼。心おきなく甘えられる相手もおらず、しかし、中学、高校時代には、毎日のように私のところへ遊びにきていた、本当は甘えん坊の弟。
彼は次いで「痛ぇ...」と言ったあと、再び眠りに落ちていった。
その後も、弟がいるナースステーションの前にあるリカバー室には、ひっきりなしに看護師さんがやってくる。彼女らは、そのたび、患者である弟に優しく声をかけてくれたり、血圧や体温を測ったり、枕の高さを気遣ってくれたり...そのお仕事の神聖さ、現実としての大変さには本当に頭が下がる。しかし、その中にもちょっとした軽いお喋りなんかも入ったりして、ちょっと和む。
だが、ここのところどうも誤解が生じているようで問題でもあるのだ。
問題は...。今まで私が「自分にそっくりだ」と思っていた弟が、どうやら私に似ていないらしい、ということにある。
先日は手術を控えている弟に向かって、「よかったわね、T(弟)さん。彼女が応援にきてくれて!」と誤解した看護師さんがいたし、手術後は手術後で、私を「奥様!」と呼ぶ看護師さんが2人もいたしで、姉としては大変に困っているのだ。
なぜなら、看護師さんに不謹慎な思いを抱いているのは、本当は弟ではなく、実はこの私だからだ。
ここしばらく、彼女というものがいない弟の将来を心配する私としては、若い看護師さんたちの誰かと弟が恋に落ち(ラッキーなことにここの看護師さんはみんな若い!)、あわよくばお嫁さんになってくれたら...なんて、妄想を繰り広げまくっているわけだから(笑)、肝心の弟に彼女がいるとか、ましてや妻帯者などと誤解されては、困る!大変に困る!のだ。我が弟は決して不細工ではないし(それどころか男前)、姉二人にあーだこーだこき使われて生きてきたから、女性のニーズに敏感でもあるし、働き者だし...この夏、旦那候補NO1と言っても過言ではないのだから(爆)、私としてははやくすべての看護師さんに誤解を解いていただいて、「思わずお嫁に行きたくなるような、優しいお姉さん」に変身しなければならないわけだ。
でも...
本当は、自分で「似ている」と思っていた弟が、ことごとくどの方にも「似ていない」と言われたように、他人の目から見たら似ていないことがわかってショックだった、だけだったりして...(笑)