今朝、ついに中(あたる)が羽化しました!
深夜3時ごろ、サナギの色の変化に気づいた私。
事前に「色が変わったら一瞬も見逃せない」ということを聞いていたので、そこからは飼育箱の中(あたる)とにらめっこです。
仕事中のゴンザにも、電話で、おそらく朝には羽化するであろうと告げ、あとはひたすら中(あたる)が動きだす瞬間と、ゴンザの帰りを待つばかり。
しかし.....
外が明るくなっても中(あたる)は何の動きも見せないわけです。
ただし、サナギの色は不思議なほどに透明感を増し、上部では羽の色さえ透けて見えるんですが。色もなんかこう、鮮やかな黄緑みたいになってきまして.....。
で、早朝5時30頃。ゴンザの帰宅と共に、私は飼育箱のフタ裏についた中(あたる)によく陽が当たるよう、フタの部分だけをはずし窓辺にぶら下げてみたわけです。
すると!それに驚いたのか、1番最後にサナギとなった黒ミソちゃんが大きく体を震わせて、その拍子にサナギ中の空気が抜けたのか「ヒュン!ピュンッ!」と大きな音を立てて必死の抗議。それはあたかも「生きてるよ!邪魔すんなよ!」と言っているかのようで、「むぅ、生意気なヤツめ」などと思いながらも、その力強さに結構安心なんかもしたわけです。
しかしあとはもう、待ちの一手しかないわけですよね、人間としては。
ゴンザと2人、「何時ごろだろうね~、楽しみだね~」なんて言いながら、おしゃべりしたりTVを見たりなんかしながら、15秒置きぐらいには窓辺の中(あたる)をチラッ、チラッ。
しかしそんな我々の期待などどこ吹く風。中(あたる)は寡黙にフタ裏にぶら下がったままです。
で、ついに待ちきれなくなったゴンザが床に転がり寝息をたて始めました。
「どんなことをしても見届けてやる!」
そう決心していた私も実は結構な寝不足さん。睡魔と戦いながら中(あたる)を見つめ続けます。
「中(あたる)、頑張れ、早く出ておいで、中(あたる)、あ...た........ZZZZZ」
「erimaちゃ~ん!大変~!あ~た~る~が~っ!」
「!!!!!しまったっ!」
ゴンザの声に驚きガバッと体を起こしたときには、窓辺にぶら下げたフタ裏にはすでに、美しい蝶が羽を伸ばしてました。
少しだけ、いまだ潤いを残した、ゆえにまだ鮮やかとはいえない紋様の羽を震わせ、おずおずと動く美しい生まれたての姿。胴体は眩しいほど白く、見るからに柔らかで.....。しかし力強い、見まごう事なき美しい命。
中(あたる)、蝶々になったんだね。
あんた、中(あたる)なんだね。
すると、中(あたる)が脚を滑らせ、床にボタッと落ちた。
そこからはもう、またまた我が家は大騒ぎですよ。
やれつかまれる棒を持って来いの、やれこの鉢をどかせだの、もう右往左往。
結局、中(あたる)はゴンザの差し出した棒にはつかまらず、ゴンザの手によじ登って、ベランダの薔薇の木へと移送。
そして。
しばらくの間、そこで羽をたたんだまま静かに旅立ちのときを待っていた中(あたる)は.....。
そっと私が羽に触れると、ゆっくりと大きく羽を広げる仕草を数回にわたって繰り返し、その優美な姿を披露した次の瞬間、この小さな、本当に小さなベランダから飛び立って行ったのです。
空へ。命をつなぐ、出会いが待つ空へ。
それからすぐ、私はベランダへ走り出て中(あたる)探したけれど、どこを見渡しても、その姿はすでになく.....。
「元気でね。鳥に食べられないように気をつけて。頑張ってパートナーを見つけてね」
と、今は風に乗った中(あたる)に届くよう、願いを籠めてつぶやいたのでした。
部屋に戻ると、交代でベランダへ出たゴンザがひたすら中(あたる)の姿を空に探し、私と同じようにつぶやく姿が窓越しに見える.....。
大丈夫。中(あたる)はきっと天寿を全うしてくれる。
きっと遠くまで飛んで、見守ってくれたみんなに挨拶をする。
7月29日、午前9時33分。
中(あたる)、空へ。
蝶道に乗って.....つなげ、命を!
深夜3時ごろ、サナギの色の変化に気づいた私。
事前に「色が変わったら一瞬も見逃せない」ということを聞いていたので、そこからは飼育箱の中(あたる)とにらめっこです。
仕事中のゴンザにも、電話で、おそらく朝には羽化するであろうと告げ、あとはひたすら中(あたる)が動きだす瞬間と、ゴンザの帰りを待つばかり。
しかし.....
外が明るくなっても中(あたる)は何の動きも見せないわけです。
ただし、サナギの色は不思議なほどに透明感を増し、上部では羽の色さえ透けて見えるんですが。色もなんかこう、鮮やかな黄緑みたいになってきまして.....。
で、早朝5時30頃。ゴンザの帰宅と共に、私は飼育箱のフタ裏についた中(あたる)によく陽が当たるよう、フタの部分だけをはずし窓辺にぶら下げてみたわけです。
すると!それに驚いたのか、1番最後にサナギとなった黒ミソちゃんが大きく体を震わせて、その拍子にサナギ中の空気が抜けたのか「ヒュン!ピュンッ!」と大きな音を立てて必死の抗議。それはあたかも「生きてるよ!邪魔すんなよ!」と言っているかのようで、「むぅ、生意気なヤツめ」などと思いながらも、その力強さに結構安心なんかもしたわけです。
しかしあとはもう、待ちの一手しかないわけですよね、人間としては。
ゴンザと2人、「何時ごろだろうね~、楽しみだね~」なんて言いながら、おしゃべりしたりTVを見たりなんかしながら、15秒置きぐらいには窓辺の中(あたる)をチラッ、チラッ。
しかしそんな我々の期待などどこ吹く風。中(あたる)は寡黙にフタ裏にぶら下がったままです。
で、ついに待ちきれなくなったゴンザが床に転がり寝息をたて始めました。
「どんなことをしても見届けてやる!」
そう決心していた私も実は結構な寝不足さん。睡魔と戦いながら中(あたる)を見つめ続けます。
「中(あたる)、頑張れ、早く出ておいで、中(あたる)、あ...た........ZZZZZ」
「erimaちゃ~ん!大変~!あ~た~る~が~っ!」
「!!!!!しまったっ!」
ゴンザの声に驚きガバッと体を起こしたときには、窓辺にぶら下げたフタ裏にはすでに、美しい蝶が羽を伸ばしてました。
少しだけ、いまだ潤いを残した、ゆえにまだ鮮やかとはいえない紋様の羽を震わせ、おずおずと動く美しい生まれたての姿。胴体は眩しいほど白く、見るからに柔らかで.....。しかし力強い、見まごう事なき美しい命。
中(あたる)、蝶々になったんだね。
あんた、中(あたる)なんだね。
すると、中(あたる)が脚を滑らせ、床にボタッと落ちた。
そこからはもう、またまた我が家は大騒ぎですよ。
やれつかまれる棒を持って来いの、やれこの鉢をどかせだの、もう右往左往。
結局、中(あたる)はゴンザの差し出した棒にはつかまらず、ゴンザの手によじ登って、ベランダの薔薇の木へと移送。
そして。
しばらくの間、そこで羽をたたんだまま静かに旅立ちのときを待っていた中(あたる)は.....。
そっと私が羽に触れると、ゆっくりと大きく羽を広げる仕草を数回にわたって繰り返し、その優美な姿を披露した次の瞬間、この小さな、本当に小さなベランダから飛び立って行ったのです。
空へ。命をつなぐ、出会いが待つ空へ。
それからすぐ、私はベランダへ走り出て中(あたる)探したけれど、どこを見渡しても、その姿はすでになく.....。
「元気でね。鳥に食べられないように気をつけて。頑張ってパートナーを見つけてね」
と、今は風に乗った中(あたる)に届くよう、願いを籠めてつぶやいたのでした。
部屋に戻ると、交代でベランダへ出たゴンザがひたすら中(あたる)の姿を空に探し、私と同じようにつぶやく姿が窓越しに見える.....。
大丈夫。中(あたる)はきっと天寿を全うしてくれる。
きっと遠くまで飛んで、見守ってくれたみんなに挨拶をする。
7月29日、午前9時33分。
中(あたる)、空へ。
蝶道に乗って.....つなげ、命を!