花香実
花も香りも実もよい梅。田鶴鳴梅林のトイレわきから入る園路に咲き始めました。
後水尾天皇が花、香り、実と三拍子揃っているということで命名したと伝えられる梅です。かつては御成門近くにありましたが、天皇家をお迎えするにあたって御成門が造営されたことと関係あるかもしれません。
御成門近くには名札落ちした花香実と思われる梅の木が今でもあります。
これは昨年の見晴らし広場の瑞巌寺からいただいた臥龍梅です。
松島町の瑞巌寺にある臥竜梅は約400年前、文禄の朝鮮征討の役の時に伊達政宗公が朝鮮から持ち帰り、慶長14(1609)年3月26日瑞巌寺造営上棟式に植えたと伝えられ、這いまわるような樹形を竜が臥している姿ととらえて臥竜梅と言われます。白梅と紅梅があって、両者とも見事な枝振り、八重咲きの見事な花、実は鈴なりとの噂を伝え聞いた後水尾天皇から花香実の名を賜わったとのことです。
本園西梅林の淋子梅
淋子梅は淋という字に寂しさを感じますが、どうしてこんなに美しい花が寂しいのだろうと疑問に思います。
漢字の意味を調べてみると、浴びるという意味があります。また中国語では注ぐ,降り注ぐ,ぬらすなどの意味があります。このような意味で淋子梅をみると、いかにもみずみずしい花に見えてきます。
また、淋子梅は綸旨梅であるという説があります。
綸旨とは天皇の意向を表す言葉です。また、天皇の命令を書いた書物をあらわします。
花香実と淋子梅がよく似ていること(偕楽園の淋子梅と花香実は別品種のようですが)、実際見分けがつかないほど似ているそうです。
このことから、花香実との梅の名は綸旨によるものですから、綸旨の梅とも言われ、それが淋子梅となったという説です。
以上のことから 花香実=瑞巌寺の臥竜梅=淋子梅という可能性が出てきます。実際はどうなのでしょうか。
園内の3種類の梅を見てまわって確かめてみるのも興味深いことです。
このほかに田鶴鳴梅林で珍しい梅がたくさん咲きだしました。
鈴鹿の関
青龍枝垂が見事です。
見驚が咲き始めました。
本園より色が鮮やかな藤牡丹枝垂です。
内裏が咲き始めました。
養老
緑萼
花追い橋近くの沢渡川堤の筑紫紅が華やかです。
この花追い橋を渡ると、猩々梅林です。
さらに進むと窈窕梅林で、その先は梅の見本園です。
梅の見本園は今年はまだ花を見ることができませんが、数年後には200種以上の梅の花を一目で見ることができます。
混みあう本園よりも魅力いっぱいの梅林です。