ミスター偕楽園こと吉田雅夫さんが大震災以来毎日のように水をやっている梅の木に今年も花が咲き始めました。
この梅の木は2011年3月の大震災のあった年の夏の日照りのために弱ってしまいました。
偕楽園本園は岩盤の上に有り、この岩盤は笠原水道の筧のために切り出されるなどして、本園の下には南崖の洞窟があります。
恐らく大震災によって岩盤にひび割れが生じたために地下水脈がすくなくなったためでしょうか、弱った梅の木や松がありました。またこの梅の木は南側に大通りがあって夏の日照りが強いこともあって、水不足と日照りのために大変弱ってしまいました。
この梅の木の傍で偕楽園の梅の担当者と造園業者のこのような会話を耳にされたミスター偕楽園こと吉田雅夫さんは、それではこの梅の木に毎日水をやろうと心に決められました。
以来それを実行されました。少々の雨の日であっても根には水が届かないからと水を遣りました。その水は近くの水道栓からではなく、森の奥の吐玉泉のおいしい水です。
その甲斐あって梅の木は数年前から元気を取り戻して、昨年はたくさん花を咲かせました。そして今年もたくさんの蕾をつけて、最初の花が咲き始めました。
この梅の木は表門を入ったお客様が最初にご覧になる看板木です。
そして2番目は開花はもう少し先になりますが、思いのままと八重西王母。これも見逃しできない素敵な花です。
さらにつづいて月影、虎の尾、烈公梅などを今年の梅まつりでお楽しみいただけます。
ただ今の開花本数は偕楽園さんの発表で1月19日現在91本です。
好文亭内では白滝枝垂、八重冬至、未開紅が咲き始めました。
また南崖の洞窟前の美しい里見紅が咲き始めました。
洞窟の前に立って真上を見上げると見ることができます。まだ花が少ないです。
また、今日の開花を見つけて、よろこびの声をかけてくださった多くの方々に心から感謝しております。
偕楽園東門を入ると、最初に目にする梅には、物語があります。これからも、みなさん、楽しみに偕楽園にお出で下さい。
今は寒いのですが、暖かくなると、『楽』と書いてあるTシャツでお迎えします。
楽は着てても大変なご苦労をされ、園路の整備、枯れ枝のせん定、困っているお客様に手を差し伸べてくださっておられるすばらしいことです。これから先々の梅まつりが楽しみです。
冬至梅というのは一重(花弁が5枚)の白梅です。偕楽園で冬至と名のつくものにはほかにチャボ冬至、八重冬至がありまして、チャボ冬至は一重の白梅、八重冬至は八重咲きの白梅です。いずれも白梅です。
浜離宮の八重の紅梅に似たものは偕楽園では八重寒紅と言う名前の早咲き梅があります。また小石川後楽園にはたしか寒紅梅という名でよく似たものがあったと記憶しています。
ネットで他の方の浜離宮の梅を見ますと八重寒紅の名前が出てきますので、八重寒紅でよいのかもしれませんね。
機会がありましたらどうぞ偕楽園にもお出かけください。