偕楽園の四季の原できれいな梅の花が咲いています。1993年4月の花博の時に秋篠宮殿下が植えられたのですが、名前がわかりませんでした。
紅冬至TU2-008&木楽園@木楽園1702020021 posted by (C)雑草
そこで、花が枝を頂いて師匠に聴きに行きましたところ、紅冬至ではないかと師匠の奥さまがおしえてくださいました。ちょうど鉢植えの花が咲いていましたので、花が咲いた枝を沿えてみましたら、全く同じです。師匠からは旗弁がでるならば桃千鳥の可能性もあるとのことでしたので、もう一度咲いている木を確認したいと思います。
師匠の店はまもなく偕楽園の東門に近い常磐神社境内に開店します。きっとこの紅冬至も並ぶことでしょう。秋篠宮殿下が偕楽園に植えられた梅の木にそっくりな花が咲く紅冬至を庭にも植えてみたいものです。
さて師匠と梅談議をさせていただいたときに、神代植物公園の韻勝園梅譜の話になり、昨年の韻勝園梅譜特別企画展の冊子を見せていただきました。韻勝園梅譜のすべての品種が載っていました。さっそくお借りしてきました。
003韻勝園梅譜1702030012 posted by (C)雑草
昨年花兄さんにご案内いただき神代植物公園の梅の花を多数撮りました。その神代植物公園が所蔵する韻勝園梅譜の写真集をお借りすることができました。
100種類の梅の花の絵と説明がある江戸時代の梅図鑑です。品種名を数えてみましたら確かに100種類(ただし明石、浮草、紅筆が二重で97種類)すべてを見ることができました。よく見かけるものから、名前のみ知っているもの、初めて見る名前もあります。
また、現在は八重であるも、これには一重であるものなど違いがあるものもあります。作出者名がわかるものも。読み込むほどに興味の尽きないものです。
010虎の尾 緋縮緬 墨染桜 大輪緋梅1702030025 posted by (C)雑草水戸の六名木の虎の尾と同じ品種名です。
韻勝園梅譜の著者春田久啓が園内の実生と説明しているので、春田久啓の作出であることがわかりました。実生は全部で13種類あり、このほかに予が植えたるなどからさらに5種類も春田の作出の可能性があるということです。
虎の尾C9-1411@鐘楼広場内西1701280128 posted by (C)雑草
偕楽園の虎の尾です。
008八朔梅 白妙 酈懸梅 塒出の鷹1702030021 posted by (C)雑草酈懸梅の説明は韻勝園梅譜企画展の説明に「酈懸梅は黄金梅に似て、花弁は黄色で、いたって小さな白弁が少し出る。これも奇品である。」と書いてあります。酈懸梅の絵は左側の2個の白梅のうち小さいほうです。しっかりと白い花弁が描かれています。気温が高いと花弁が出やすいのかと思われます。また描かれている品種名には酈ではなく銕の字があてられています。
銕は鉄とおなじくろがねを意味します。
もとは銕であったのか、それとも酈の字はテツとは発生しなかったので発声の同じ銕をあてたのかもしれませんね。(酈はレキです)
品種名は中国の地名からということをきいたことがあります。そこでGoogle Mapで調べましたら酈村というのがありましたが銕のつく地名が見つかりませんでした。
酈懸梅C1-005@大日本史裏1702030010 posted by (C)雑草
偕楽園の酈懸梅です。この木は偕楽園の酈懸梅の中では毎年早く咲きます。ちょうど見ごろですが気が付かないお客様が多いのが残念です。
同じ写真をもう一度です
008八朔梅 白妙 酈懸梅 塒出の鷹1702030021 posted by (C)雑草
塒出の鷹
塒出の鷹は左側のふたつの白梅のうちの大きい方です。
「塒出の鷹はごく薄い紅色で一重の大輪である。抱え咲で・・・」とあります。名称は鳥屋出鷹とありますが、塒は鳥のねぐらという同じ意味ですね。
じつは10年前から気になっていたのですが、偕楽園で塒出の鷹の名札のついた梅の木にピンクの八重の花が咲く木が2本あります。群芳園の増井徳三郎氏の書かれた「梅花さまざま」に安行では東錦で錦性のものを紅鴬宿といっています。ある方がこれを預かったときに塒出の鷹の錦性だと聞いたので、その名で売り出してしまったので、実際は「東錦」だと訂正したのですがいまだに「塒出の鷹」で通っているところがあります。これは戦前の話ですとあります。というわけで偕楽園の塒出の鷹は「東錦」が正しいのかもしれませんね。
名札は塒出の鷹 posted by (C)雑草
これは偕楽園で塒出の鷹の名札のついている梅の木です。
偕楽園ではこのほかとってもきれいな花が咲き始めています。
鈴鹿の関TA7-060@田鶴鳴橋1702020018 posted by (C)雑草鈴鹿の関
関の守C4-076@洞窟1702030017 posted by (C)雑草
関の守
紅加賀C8-133@手洗い1702030051 posted by (C)雑草
紅加賀
鹿児島紅C8-1403@池中1702030055 posted by (C)雑草
鹿児島紅
芳流C10-003@梅桜橋1702030047 posted by (C)雑草
芳流
品字梅A6-067@山村暮鳥1702010092 posted by (C)雑草
咲き始めた品字梅
紅冬至TU2-008&木楽園@木楽園1702020021 posted by (C)雑草
そこで、花が枝を頂いて師匠に聴きに行きましたところ、紅冬至ではないかと師匠の奥さまがおしえてくださいました。ちょうど鉢植えの花が咲いていましたので、花が咲いた枝を沿えてみましたら、全く同じです。師匠からは旗弁がでるならば桃千鳥の可能性もあるとのことでしたので、もう一度咲いている木を確認したいと思います。
師匠の店はまもなく偕楽園の東門に近い常磐神社境内に開店します。きっとこの紅冬至も並ぶことでしょう。秋篠宮殿下が偕楽園に植えられた梅の木にそっくりな花が咲く紅冬至を庭にも植えてみたいものです。
さて師匠と梅談議をさせていただいたときに、神代植物公園の韻勝園梅譜の話になり、昨年の韻勝園梅譜特別企画展の冊子を見せていただきました。韻勝園梅譜のすべての品種が載っていました。さっそくお借りしてきました。
003韻勝園梅譜1702030012 posted by (C)雑草
昨年花兄さんにご案内いただき神代植物公園の梅の花を多数撮りました。その神代植物公園が所蔵する韻勝園梅譜の写真集をお借りすることができました。
100種類の梅の花の絵と説明がある江戸時代の梅図鑑です。品種名を数えてみましたら確かに100種類(ただし明石、浮草、紅筆が二重で97種類)すべてを見ることができました。よく見かけるものから、名前のみ知っているもの、初めて見る名前もあります。
また、現在は八重であるも、これには一重であるものなど違いがあるものもあります。作出者名がわかるものも。読み込むほどに興味の尽きないものです。
010虎の尾 緋縮緬 墨染桜 大輪緋梅1702030025 posted by (C)雑草水戸の六名木の虎の尾と同じ品種名です。
韻勝園梅譜の著者春田久啓が園内の実生と説明しているので、春田久啓の作出であることがわかりました。実生は全部で13種類あり、このほかに予が植えたるなどからさらに5種類も春田の作出の可能性があるということです。
虎の尾C9-1411@鐘楼広場内西1701280128 posted by (C)雑草
偕楽園の虎の尾です。
008八朔梅 白妙 酈懸梅 塒出の鷹1702030021 posted by (C)雑草酈懸梅の説明は韻勝園梅譜企画展の説明に「酈懸梅は黄金梅に似て、花弁は黄色で、いたって小さな白弁が少し出る。これも奇品である。」と書いてあります。酈懸梅の絵は左側の2個の白梅のうち小さいほうです。しっかりと白い花弁が描かれています。気温が高いと花弁が出やすいのかと思われます。また描かれている品種名には酈ではなく銕の字があてられています。
銕は鉄とおなじくろがねを意味します。
もとは銕であったのか、それとも酈の字はテツとは発生しなかったので発声の同じ銕をあてたのかもしれませんね。(酈はレキです)
品種名は中国の地名からということをきいたことがあります。そこでGoogle Mapで調べましたら酈村というのがありましたが銕のつく地名が見つかりませんでした。
酈懸梅C1-005@大日本史裏1702030010 posted by (C)雑草
偕楽園の酈懸梅です。この木は偕楽園の酈懸梅の中では毎年早く咲きます。ちょうど見ごろですが気が付かないお客様が多いのが残念です。
同じ写真をもう一度です
008八朔梅 白妙 酈懸梅 塒出の鷹1702030021 posted by (C)雑草
塒出の鷹
塒出の鷹は左側のふたつの白梅のうちの大きい方です。
「塒出の鷹はごく薄い紅色で一重の大輪である。抱え咲で・・・」とあります。名称は鳥屋出鷹とありますが、塒は鳥のねぐらという同じ意味ですね。
じつは10年前から気になっていたのですが、偕楽園で塒出の鷹の名札のついた梅の木にピンクの八重の花が咲く木が2本あります。群芳園の増井徳三郎氏の書かれた「梅花さまざま」に安行では東錦で錦性のものを紅鴬宿といっています。ある方がこれを預かったときに塒出の鷹の錦性だと聞いたので、その名で売り出してしまったので、実際は「東錦」だと訂正したのですがいまだに「塒出の鷹」で通っているところがあります。これは戦前の話ですとあります。というわけで偕楽園の塒出の鷹は「東錦」が正しいのかもしれませんね。
名札は塒出の鷹 posted by (C)雑草
これは偕楽園で塒出の鷹の名札のついている梅の木です。
偕楽園ではこのほかとってもきれいな花が咲き始めています。
鈴鹿の関TA7-060@田鶴鳴橋1702020018 posted by (C)雑草鈴鹿の関
関の守C4-076@洞窟1702030017 posted by (C)雑草
関の守
紅加賀C8-133@手洗い1702030051 posted by (C)雑草
紅加賀
鹿児島紅C8-1403@池中1702030055 posted by (C)雑草
鹿児島紅
芳流C10-003@梅桜橋1702030047 posted by (C)雑草
芳流
品字梅A6-067@山村暮鳥1702010092 posted by (C)雑草
咲き始めた品字梅
今日は陽射しが暖かで外は気持ち良いです。
偕楽園にもほかの紅冬至があるのですが、花色がやや白っぽいのでこちらのほうがきれいです。
だいぶ春らしくなってきましたが、相変わらず朝は氷点下の日が続いています。
「大阪城の梅花」と言う本の解説の一部ですが、酈懸は謡曲の菊慈童に登場する重陽の菊句に用いる菊酒の由来にも関連する山の名前であるが、とあります。
調べてみますと、能の枕慈童(現在、観世流では、見直し為http://www5.plala.or.jp/obara123/u2141makur.htm、曲(菊慈童)も読み(レッケンザン)も異なるhttp://www.tessen.org/dictionary/explain/kikujidou。出典は太平記巻十三にある「神馬進奏事」です。元は、中国に菊水伝説があるそうです。)の菊水流れる酈縣山より名づけられているようです。
今でも酈村という場所がありまして、同一かどうかは別にして揚子江の南です。江南は梅の里らしいのでなんとなく納得しておりました。
それが河南省にあるという伝説山の名前だったのですね。
これからもご指導よろしくお願いいたします。