マチンガのノート

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「大人の発達障害の見立てと心理療法」河合俊雄 田中康裕 こころの未来選書

2014-06-18 00:04:09 | 日記
発達障害の様々な特徴、症状について、「主体が成立していないので生じてくる」
ということで、発達障害の治療について、主体を生成させるために「融合と分離」が
必要と書いているが、そもそも、マイケル・バリントの「治療論からみた退行」を
「読んだが解らなかった」という精神科医師が普通に居る中で、
融合というものをどのように実践するか自体が解らない医師、心理士が
多いのでは無いのだろうか?
京大の心理臨床が行っている事を本で読んでも、多くの読者が理解できないのではないだろうか?
読者、関係者に理解できるように伝える方法を、何か考える必要が
在るのではないだろうか?
療育、治療と言っても、解りやすい「訓練」の様なことをして、主体が未成立な状態を
固定させる治療者が増えてくる事が懸念される。
6章の渡辺あさよ氏の書いた部分で、主体が未成立な為、
「断れないから閉じこもる」というのは軽度発達障害のケースに多いのだろう。
その様な相手と、手紙を使ってやりとりをして、主体が生成する方向にもっていく、
というのは、多くの人にとって、理解可能なやり方だろう。