マチンガのノート

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「恐怖の権力―<アブジェクシオン>試論」 ジュリア・クリステヴァ その3

2015-05-27 23:50:48 | 日記
マイケル・バリントの「治療論から見た退行」などを読むと
どの様に安心と満足を与えて、進行に向かう処に持っていくか、
という感じだったが、こちらは、どの様に主体が起ちあがるかを
色々と書いている。フロイトにせよ誰にせよ、ギリシャ神話を例に
取り上げるが、ヨーロッパ文明の起源だからだろう。
主体が起ちあがり、象徴秩序に入って行くと、それに伴い
穢れやタブーが生じる。著者もギリシャ神話など、様々な物を取り上げ
そのことを解説していく。
ユング派の老松克博氏も、著書の「人格系と発達系」の中で、
出版物やネットでの発達障害に関する情報の質の貧しさについて
触れている。
何も無かった処に何かが生じてくる事を、言語を使って示そうということ自体の
困難性だろう。